Webサイト運営において、SEO(検索エンジン最適化)は避けて通れない重要な要素です。多くの初心者の方が「SEO対策」と聞くと、キーワード選定やコンテンツ作成、被リンク獲得などを思い浮かべるかもしれません。しかし、サイトの「顔」とも言える「ドメイン」も、SEOと密接な関係があることをご存じでしょうか。
ドメインは、Webサイトのインターネット上の住所にあたり、訪問者がサイトにアクセスする際の入り口となります。SEOに直接的な影響を与える要素ではないとされていますが、間接的に検索エンジンの評価やユーザー体験に影響を与える可能性があります。
本コラムでは、SEO初心者の方に向けて、ドメインの基本から、SEOとの具体的な関係性、そして長期的な視点で有利になるドメインの選び方、さらには運用上の注意点までを網羅的に解説していきます。
適切なドメインを選ぶことは、SEO成功への土台を築く第一歩です。このコラムを通じて、ドメインに関する理解を深め、ご自身のWebサイト運営に役立てていただければ幸いです。
ドメインとは、Webサイトがインターネット上でどこにあるかを示す「インターネット上の住所」のようなものです。例えば、「google.com」や「yahoo.co.jp」などがドメインにあたります。
私たちが誰かの家を訪れる際に住所が必要なように、Webサイトにアクセスするためには、そのサイトのドメイン名を知る必要があります。このドメイン名があることで、ユーザーは目的のWebサイトを簡単に見つけ出し、アクセスすることができるのです。
ドメインは大きく分けて「トップレベルドメイン(TLD)」と「セカンドレベルドメイン」の2つの階層から構成されています。それぞれに異なる役割と特徴があります。
Webサイトを運営する上で、「ドメイン」「URL」「サーバー」は混同されがちですが、それぞれ異なる役割を持っています。これらはWebサイトがインターネット上で機能するために不可欠な要素です。
用語 | 役割 | 例 |
---|---|---|
ドメイン | Webサイトの「住所」にあたる部分。Webサイトを特定する固有の名前です。 | example.com |
URL | Webサイト上の特定ページの「詳細な場所」を示すものです。ドメインを含む完全なアドレスで、プロトコルやパスなども含みます。 | https://www.example.com/blog/post1 |
サーバー | Webサイトのデータ(HTML、画像、CSSなど)を保管し、インターネットを通じてユーザーに配信する「土地」や「建物」のような役割を担うコンピュータです。 | (目に見えない存在) |
つまり、ドメインはWebサイトの基本となる名前であり、URLはそのドメイン上の特定のコンテンツへアクセスするための具体的な道筋、そしてサーバーはそれらのコンテンツが置かれている物理的な場所、と理解すると分かりやすいでしょう。これら3つが連携することで、私たちはWebサイトを閲覧できます。
「ドメインがSEOに直接影響しない」という言葉を聞くと、意外に感じる方もいらっしゃるかもしれません。これは、Googleが公式に「ドメイン名や URL パスの中のキーワードは重要でないと考える」と明言しているためです。
参照サイト:Google 検索セントラル – Google が重要でないと考えること
具体的には、以下のような理由が挙げられます。
つまり、ドメイン名に無理にキーワードを含めたり、特別なドメインを選んだりしたからといって、それだけで検索順位が上がることはありません。重要なのは、ドメイン名ではなく、そのドメインで運営されるWebサイト全体の品質であると理解しておきましょう。
ドメイン名自体は検索順位に重大な影響を与えませんが、えユーザー体験やブランド認知を通じて間接的にSEOに影響を与えます。
例えば、以下のような影響が考えられます。
これらの間接的な影響は、長期的に見てサイトのSEOパフォーマンス向上に貢献すると言えるでしょう。
ユーザー体験(UX)を通じて間接的にSEOへ良い影響を与える可能性があるため、特に、ユーザーが覚えやすく、入力しやすいドメイン名を選ぶことは非常に重要です。
具体的なポイントとしては、以下のような点が挙げられます。
良い例 | 悪い例 |
---|---|
example.com | exmaple-jpn-site123.com |
myblog.jp | my-personal-weblog-site.net |
ユーザーがストレスなくサイトにたどり着けるドメイン名は、結果的にサイトの再訪率やブックマーク率を高め、エンゲージメント向上に繋がります。
SEOにおいて、ドメイン名が直接的なランキング要因ではないとお伝えしましたが、ブランド名を意識したドメイン名は間接的にSEOに良い影響を与える可能性があります。
ユーザーがあなたのサイトを認識しやすく、記憶に残るドメイン名にすることで、以下のような効果が期待できます。
覚えやすく、かつビジネスやサービス内容を連想させるようなドメイン名にすることで、ユーザーエクスペリエンスが向上します。ドメイン名は、一度取得すると変更が難しいため、将来を見据えた慎重な検討が重要です。
トップレベルドメイン(TLD)とは、ドメイン名の末尾にある部分を指します。例えば、「.com」や「.jp」などです。SEOにおいてTLD自体が直接的なランキング要因となることは稀ですが、ユーザーからの信頼性や認知度には影響を与える可能性があります。
選び方のポイントは以下の通りです。
また、近年増えている新しいTLD(例:.blog、.shopなど)も選択肢の一つですが、ユーザーの認知度が低い場合もあるため、ターゲット層やサイト内容との親和性を考慮して慎重に選びましょう。
Webサイトの構成を考える上で、「サブドメイン」と「サブディレクトリ」のどちらを選ぶべきか悩むことがあるかもしれません。これらはSEOに与える影響が異なるため、目的に応じて使い分けることが重要です。
まず、それぞれの特徴と使い分けの目安を表にまとめました。
項目 | サブドメイン (例: blog.example.com) | サブディレクトリ (例: example.com/blog/) |
---|---|---|
関係性 | 独立した別サイトと認識されやすい | 親ドメインの一部と認識される |
SEO評価 | 個別に評価されやすい | 親ドメインの評価を引き継ぎやすい |
主な用途 | 全く異なるテーマ、サービス、言語のコンテンツ | 関連性の高いコンテンツ、ブログ、カテゴリページ |
サブドメインは、メインサイトとは異なるテーマやビジネスを展開する際に有効です。例えば、ECサイトのメインドメインとは別に、ブログをサブドメインで運用するといったケースです。Googleはサブドメインを「別のサイト」とみなす傾向があるため、SEO評価も独立して行われます。
一方、サブディレクトリは、メインサイトの延長線上にあるコンテンツや、関連性の高い情報を提供する際に適しています。メインドメインのSEO評価を継承しやすく、ドメイン全体の権威性を高めることに寄与します。ブログ記事やカテゴリページなどは、通常サブディレクトリで構成されます。
どちらを選ぶかは、コンテンツの独立性やターゲットユーザー、将来的なサイト構造の拡張性を考慮して判断するようにしましょう。
関連記事:【初心者向け】サブドメインとは?基本からメリット・デメリットを解説
【初心者向け】SEOのためのディレクトリ構造とは?基本を徹底解説
ドメイン移管、つまりWebサイトのドメインを変更する際は、SEOへの影響を最小限に抑えるための慎重な対応が必要です。適切な手順を踏まないと、検索エンジンの評価がリセットされ、一時的に検索順位が大幅に下落するリスクがあります。
主なリスクと対策は以下の通りです。
リスクの例 | 対策の例 |
---|---|
検索順位の下落 | 301リダイレクトの設定 |
インデックスの消失 | Google Search Consoleでの変更通知 |
被リンク評価の消失 | 被リンク元の確認と修正依頼 |
特に重要なのは、旧ドメインから新ドメインへの「301リダイレクト」を正確に設定することです。これにより、旧URLへのアクセスや被リンクの評価が新URLへ引き継がれ、検索エンジンにドメイン変更を正しく伝えることができます。また、リダイレクトはサイト内の全ページに対して漏れなく設定し、変更後も定期的にクロールエラーや表示速度の問題がないかを確認しましょう。事前の計画と綿密なチェックが、SEO資産を守る鍵となります。
関連記事:【SEO対策】知らないと損する!301・302リダイレクトの正しい使い方解説
本コラムでは、ドメインの基礎知識からSEOとの関係、そして効果的なドメイン名の選び方や運用時の注意点について解説しました。ドメイン自体がSEOに直接影響を与えることは可能性は少ないものの、ユーザーの信頼性や利便性、そしてブランド構築を通じて、間接的にSEOに大きな影響を与えることがご理解いただけたかと思います。
適切なドメインを選ぶことは、長期的なSEO戦略の重要な土台となります。
ドメインは一度取得すると変更が難しいため、将来を見据えた慎重な選択が不可欠です。もし、ドメイン選びやSEO戦略全般に不安を感じる場合は、専門家への相談も有効な手段です。
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