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    更新日:2022.11.11  公開日:2020.10.20

【越境ECセミナー】セミナーレポートvol.4【東南アジア】 LIFE PEPPER 様 共催 中国・韓国・台湾・東南アジアの越境ECマーケティングセミナー 9月11日(金)開催

こちらの記事では9月11日(金)に開催したオンラインセミナー第2部 「東南アジアの越境EC事情について」を解説していきます。

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アジェンダ

1.東南アジアEC市場のマクロ環境
2.各国のマクロ環境
3.東南アジア越境ECのWEBマーケティングについて

東南アジアのマクロ環境

ECのマーケットの規模について、2015年の数値と2020年の予測を記載したものです。5年前と比較すると、全体的にマーケット環境としては小さいものの、いずれの国も伸びている状況となっております。

東南アジアのマクロ環境

越境ECの規模について、2013年度の以下の5カ国の合計値は410億円で、世界全体の越境ECマーケットに占める割合は14%ほどでした。
この14%を、2017年・2020年の5カ国の越境EC市場規模合計に当てはめると、2017年度で約3,500億円、2020年で約9,150億円と推測できます。
単体で見るとそこまでではありませんが、5カ国の合計値は大きいものになっていると言えます。

越境ECの規模について

日本からの越境ECを上記と同じように推察すると以下のようになります。
これは、国内におけるEC市場との流通総額には及びませんが、今後のEC市場マーケットの成長に伴って、越境EC市場も伸びていくことが予測できるため、大いにポテンシャルのある市場だと考えております。

日本からの越境ECの推察

各国のマクロ環境

上記の内容を踏まえた上で、各国のマクロ環境を簡単に解説していきます。

タイについて

タイの人口は7000万人弱、ネットの普及率も82%と高いく、EC市場が伸びていく環境であると言えます。 一方でカートの普及率は低いですが、デビットカードの普及率は55%と高い水準となっております。

タイのマクロ環境

EC市場に関しては着実に伸びています。
また、EC全体の購入カテゴリーについては食品・医療・化粧品が売れ筋です。

EC市場の伸び
EC全体の購入カテゴリー

実際に越境ECで購入されているカテゴリーは、衣料品・アクセサリーなどが多い状況です。
なかなか手に入らない、メイドインジャパンのような希少価値の高い商品は受け入れられやすい環境です。

越境ECで購入されているカテゴリー

主要のECサイトは以下のとおりです。
タイでは「shopee」「lazada」「Kaidee」がTOP3となっております。

タイの主要のECサイト

タイの越境EC市場に関しては以下の通りです。
タイでは、政府の後押しもあり電子決済が増加傾向にあります。実は銀行決済アプリの利用率が世界No.1で、このような状況からもEコマースでの決済の土台が整っているといえます。
また、Facebookを活用したチャットコマースによる購入が増加傾向にあります。このような状況を踏まえてタイでの越境ECを考えていく必要があります。

タイの越境EC市場に関して

ベトナムについて

続いてベトナムについてです。
インターネットの普及率については台湾やタイと比較すると66%と低い数値ですが、スマートフォンの普及率に比例して増えてきています。
また、クレジットカードの普及率は非常に低い状況です。ベトナムでは、審査が通らなかったり、そもそも口座を持っていない方も多いので、EC市場では代引き決済が主流となっています。ベトナムへの越境EC進出のをお考えの方は、決済方法に注意が必要です。 主要SNSはFacebookですが、ローカルのSNS「Zalo」も利用されています。

ベトナムのマクロ環境

ECマーケットの推移については、右肩上がりに伸びています。
今後の人口増加や経済成長、インフラ環境の整備に伴って成長していくことが予測できます。

ベトナムのECマーケットの推移

ECの購入カテゴリーは以下の通りです。
家電・衣類・アクセサリーが売れ筋のカテゴリーとなっております。

ベトナムの購入カテゴリー

越境ECでは、衣料品の割合が多い状況です。ベトナム人は、品質が良いメイドインジャパンの商品を好む傾向にあるため、プロモーションを行う際も品質の良さを唄う手法がおすすめです。

ベトナムで越境ECで購入されているカテゴリー

ベトナムの主要ECサイトは「shopee」「Lazada」「Sendo」がTOP3となっております。

ベトナムの主要ECサイト

以下はベトナムの越境ECについての特記事項です。
ベトナムは社会主義国のため、進出の際に現地法人を設立するにあたってハードルが高いです。そのため、まずは越境ECから始めてみましょう。
また、EC成長速度は日本の2.5倍と著しく成長しています。
注意点としては決済方法とキャンセル率の高さです。決済方法は未だに代引きで、キャンセル率が非常に高いのが特徴です。モール出店をご検討中の方はモール側が責任を負うケースが多いので問題ありませんが、注意が必要です。

ベトナムの越境ECについての特記事項

インドネシアについて

続いてインドネシアです。
インターネットの普及率はベトネムより更に少なく、54%となっておりますが、これはスマートフォンの普及率によって増えていくことが予測できます。
人口から考える、将来のマーケットポテンシャルは非常に大きいのではないかと考えております。
その他の東南アジア諸国と比較して独自の検索エンジンやツールは特になく、グローバルに使用されているもものを使っているので、インドネシア語に対応することができれば参入障壁はそこまで高くないのではないかと考えております。
クレジットカードの普及率は低いので、ベトナムと同様注意する必要があります。

インドネシアのマクロ環境

ECマーケットの推移については、およそ5年間で6倍成長しています。
また、インドネシアは人口が多いので、経済環境やインフラの整備に伴って今後も爆発的に成長していくことが予測できます。

インドネシアのECマーケットの推移

ECの購入カテゴリーは以下のとおりです。
こちらのグラフは世帯収入別に比較してもので、所得が高い世帯ほど「衣料・アクセサリー」などの生活必需品以外のカテゴリーである「趣味嗜好」のカテゴリの比率が高くなっていることが分かります。
今後経済成長が変化していくにつれて、衣料や靴以外のカテゴリー比率が増えていくのではないかと予測できます。

インドネシアのECの購入カテゴリー

越境ECのカテゴリーシェアとしては、EC全体と同様「衣料・アクセサリー」が多く、購入理由は「品質が良い」とベトナムと類似傾向にあることが分かります。

インドネシアで越境ECで購入されているカテゴリー

主要ECサイトについては「shopee」「tokopedia」「bukalapak」がTOP3となっております。
東南アジア諸国でシェアが多かったLazadaについては、月間ビジターは約2200万で、4位にランクインしています。

インドネシアの主要ECサイト

以下、インドネシアの越境ECを検討する上での特記事項です。
まず、イスラム教圏のため対象カテゴリについては注意が必要です。
また、ECマーケットの成長速度が5年間に6倍と著しい市場ですが、ベトナムと同様、物流や配送、決済などインフラ面では脆弱のため注意が必要です。

インドネシアの越境ECを検討する上での特記事項

東南アジアの越境EC状況まとめ

以下が東南アジア各国の越境EC状況の特記事項をまとめたものです。
東南アジアは、現時点ではマーケットとして小さいものではありますが、大いに今後の成長が見込める市場です。
また、欧米欧州を対象に行うよりもアジア圏は物理的な距離が近いので、地形的な強みがあります。
加えて、親日国が多く、日本の製品が受け入れられやすいマーケットとなります。
特に東南アジアの中では、マーケット規模ではタイ、越境EC比率を考慮するのであればベトナムがおすすめです。

東南アジアの越境EC状況まとめ

越境ECのWebマーケティングについて

続いて、越境ECのWebマーケティングについて解説していきます。
越境ECのユーザーに関しては、訪日旅行からの越境ECへの貢献があり、訪日旅行客の推移と相関があります。

越境ECのWebマーケティングについて

越境ECの実施方法は2つあり、Shopeeなどの現地ユーザーの多いモールに出店する方法と、自社で繁体字のサイトを作成し、プロモーションしていく方法があります。
参入障壁が比較的低いのは①のプラットフォームへの出店ですが集客についてはプラットフォームに依存する形となります。また、②のように自社で集客していく場合には、サイト構築などの手間がかかりますが、ブランディングができ、集客をプラットフォームなどに依存することもなく行うことができます。

越境ECの実施方法

こちらは各Webプロモーション手法です。
東南アジアは、アフィリエイトのマーケットは比較的小さく、インフルエンサーが受け入れられやすい傾向にあります。
また、タイは動画の視聴時間が長いなどの特徴があるので、国ごとの特徴を踏まえた上でプロモーションを行っていく必要があります。

各Webプロモーション手法

また、ECサイトにおいては以下の表の右上にあります、「実利優先・販売促進」向きのプロモーションが相性が良いとされています。

各Webプロモーション手法

ターゲット層別に分けて考えると以下の通りとなります。
基本的には顕在層にリーチすることがベストですので、「リスティング広告」「リマーケティング広告」が適しています。
また、認知度が低く、顕在層自体が少ない商品やサービスの場合は、潜在層に向けたプロモーションが必要な場合があります。その際には、「SNS広告」や「ディスプレイ型広告」などが効率よくアプローチができると考えいます。

顧客層別各Webプロモーション手法

以下は越境ECの接触チャネルです。
このような国ごとの行動様式を考慮した上で接触チャネルも組み立てていくと良いかと思います。

越境ECの接触チャネル

以下はSNSと購買意欲の関係について表したグラフです。
東南アジアはインフルエンサーが比較的受け入れられやすい市場です。
また、購入した商品をSNSに投稿する方も多く、SNSの口コミなどを通して爆発的に商品が広まっていく市場であります。

SNSと購買意欲

東南アジア固有のトレンドは以下のとおりです。
SNSの利用率が高く、特にFacebookのチャットコマースも取り入れられていますので注意が必要です。
また、インフルエンサーがマーケットに認められており、SNSを個人の発信のためのチャネルとして使う方が多いので、プロモーションを考える上で念頭においていただけると良いかと思います。

東南アジア固有のトレンド

全体のまとめ

最後に、東南アジアの越境ECについてのまとめ3点と、特記事項4点です。
東南アジア圏は固有の言語が違うので対応できるように準備していきましょう。
また、イスラム教などの宗教的な制限や、規制もありますので、対象国の法規制・税制等には注意しましょう。

東南アジア固有のトレンド
東南アジア固有のトレンド

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