最近、台湾旅行のお土産として人気が高まっているのが「文房具」。
実は台湾には、日本製にも引けを取らない高品質でユニークな文具が数多く存在し、文具好きはもちろん、一般の人にも注目されています。今回は、台湾で人気の文房具ブランドや現地ならではの文化・トレンドをご紹介します。
台湾の文具市場では、国内外のブランドがバランスよく共存しています。たとえば、台湾生まれの老舗「雄獅(シンビオ)」や「利百代(リバティ)」は、学用品や画材などで長年支持されてきたロングセラーブランド。最近では環境配慮型の製品にも力を入れており、次世代型の“エコ文具”へと進化中です。
一方、日本の「パイロット」「三菱鉛筆」「Pentel」といったおなじみのブランドも、書き心地と信頼性から台湾で根強い人気を誇ります。とくに無印良品の「リフィル式ゲルインキペン」は台湾でも大ヒット商品。2023年には年間200万本以上の売上を記録しました。
さらに、台湾ならではの文具デザインブランドにも注目が集まっています。たとえば、台北発の「Tools to Liveby(禮拜文房具)」は、レトロで洗練されたデザインが魅力。真鍮製の高級筆記具を手がける「YSTUDIO」や、コンクリート製のデザインプロダクトで話題の「22 DESIGN STUDIO」など、持つことそのものに喜びを感じさせるアイテムが揃います。
台湾文房具の魅力は、実用性とデザイン性の両立だけではありません。台湾では「文創(文化と創造性を融合させたクリエイティブ産業)」という概念が根付き、文房具にもアート性やストーリー性が求められます。たとえば、台湾の夜市や鉄道、伝統柄をモチーフにしたシールやマスキングテープなど、日常と文化が交差したプロダクトが多く、外国人観光客にも大人気です。
また、サステナブル文具も台湾市場で急成長中。リサイクル素材を使ったノートや、リフィル式の筆記具、パッケージレス製品など、環境への配慮が見える商品が増えています。
さらに、台湾ではデジタル文具とのハイブリッド化も進んでいます。iPadで使えるタッチペン、PDF形式のデジタル手帳、クラウド連携可能なメモ帳など、「紙とデジタルをどう融合させるか」という視点での開発が活発。これもまた台湾らしい柔軟な発想のあらわれです。
実際に台湾で文房具を買うなら、まず訪れてほしいのが大型書店「誠品書店(Eslite)」。とくに台北の信義店は文具専門フロアを構えており、日本のMIDORIやKOKUYO、台湾ローカルブランドなど1万点を超える商品を展開。毎年開催される「理想的文具展」では、文具と旅をテーマにした展示や限定アイテムの販売など、見て触って楽しめるイベントが目白押しです。
そのほか、学生・一般向けの実用文具が豊富な「金石堂書店」や「九乘九(9×9)」も人気。さらに、オンラインで探すなら「Shopee」や「Pinkoi」がおすすめ。特にPinkoiは文創系の個人ブランドが多数出店しており、魅力的なデザイン文具が揃っています。
台湾の文房具は、単なる「使う道具」を超え、文化・デザイン・環境意識が融合した“持っていたくなるプロダクト”として進化しています。日本とはまた違うセンスやストーリーに触れられるのも、その大きな魅力のひとつ。
次回台湾を訪れた際には、ぜひ地元の文具店や誠品書店に立ち寄ってみてください。お気に入りの一本が、きっと見つかるはずです。