世界の工場として培った最先端の技術とモバイル市場戦略がグローバル標準になる日がくるか?
中国上海の英語メディアSixth Toneが、世界の工場として、様々な巨大グローバル企業の製造を請け負ってきた中国が、自ブランドで世界へ進出・拡大を目指している様子を記事にしています。30年前、世界的に流通している中国製品といえば、家電など耐久財が主でした。最近では中国の「ソフト」企業、ゲームやオンラインメディア、服飾ブランドが、世界市場で存在感を増してきています。超ファスト・ファッションのSheinが、その代表例です。昨年、Sheinアプリは、H&M、ナイキ、ユニクロ、Zara、そしてAmazon より多く、米国内でダウンロードされました。ファイナンシャル・タイムズによると売上も、H&MやZaraをおさえ、米国で売上1位のファスト・ファッションブランドとなりました。Sheinは、品揃えとモバイル販売戦略で、100ヶ国以上でZ世代の消費者を獲得しています。数多くのクーポンやSNSでのエンゲージメントやゲームへの参加、商品レビューなどでポイント贈呈など、中国式の「しつこい」セール方法や、KOL(インフルエンサー)ではなく、KOC(マイクロインフルエンサー)マーケティングも効果を発揮しています。Sheinの工場は、世界の工場、中国広東に位置し、これまでAmazonやeBayへ提供してきた製造や流通の知識を活かし、流行に即座に対応する商品を世界に送り出しています。中国の「ソフト」パワーはファストファッションだけに限りません。2020年9月にリリースされたゲーム、原神インパクトは、たった2ヶ月後には、Apple、Google Play両方で「ゲーム・オブ・ザ・イヤー」をとりました。リリース初年で、原神インパクトは、37億ドルの収益を上げ、収益総額は世界第4位で、あの Fortnite やポケモンGo を超えています。(近年、FacebookやGoogleはテンセントのアイディアをコピーし、AmazonはAlibabaに学んでいます。中国式マーケティングが世界標準になっていくのか、注目です。参照※1)
【出典元】 ※1 How China’s ‘Soft’ Brands Are Going Global | Sixth Tone
https://www.sixthtone.com/news/1009804/how-chinas-soft-brands-are-going-global