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    2021.01.14

Word of the Year 2020 今年は一つに決められなかった 世相を映す今年の英語

今年は一つに決められなかった 世相を映す今年の英語

  2020年、日本の流行語大賞は「三密」(参照※3)でしたが、英語でも毎年、年末には各英語辞書が、その1年を表す単語を一つ選び、Word_of_the_Yearを発表しています。例年、オックスフォード英語辞典も一つの単語を選んでいるのですが、2020年は、私達一人ひとりと同じように、英語も急速に繰り返し修正と順応を余儀なくされたため、たった一つの単語をシンプルに選ぶことはできない、として「Words_of_an_Unprecedented_Year(空前絶後な年の言葉たち)」というレポートを発表しました。このレポートの形容詞に使われている「Unprecedented(空前絶後)」という単語も、今年急速に使われるようになった言葉のひとつです。
  レポートでは、ひと月ごとに最も重要な言葉を選び、解説しています。1月は史上最悪の火災に見舞われたオーストラリアの「bushfire(叢林地火災)」、米国のトランプ大統領のウクライナ疑惑弾劾裁判が終了した2月は「acquittal(無罪放免)」。3月以降は、新型コロナウィルス関連の言葉が大半を占めてきます。「Covid-19」は 2月11日にまったくの新語として登場しました。「lockdown(都市封鎖)」や「social_distancing(ソーシャル・ディスタンシング)」、「reopening(規制緩和)」などです。6月に入ると「Black_Lives_Matter(BLM)」が爆発し、「cancel_culture(キャンセル・カルチャー)」や_「Black,_indigenous_and_other_people_of_color(黒人、先住民、その他黄色人種など白色人種以外の人々)の省略形「BIPOC」などが続きます。8月は、アメリカ大統領選挙の「Mail-in(郵便投票)」と疑惑のベラルーシ大統領再選に関連した「Belarusian(ベラルーシ人)」の2つがwords_of_the_monthとして選ばれ、9月には、イギリスの大規模新型コロナウィルス検査計画「Moonshot(ムーンショット)」があらわれ、10月は、中国の習近平主席の、中国のCO2排出量を2060年までに「net_zero(実質ゼロ)」宣言と、米国のホワイトハウスでクラスターが発生したことで、使用頻度が急上昇した「superspreader(スーパー・スプレッダー)」がハイライトされています。オックスフォード英語辞典は2019年には「climate_emergency(気候緊急事態)」を、2018年は「toxic(有毒な)」をword_of_the_yearに選んでいます。(参照※1)
  英語圏のなかでもどう世界をとらえ、英語でそれをどう表現するかは地域によってさまざまです。例えば「lockdown(都市封鎖)」も主に使われていたのは、イギリスやカナダ、オーストラリアで、米国では「Shelter-in-place(屋内退避)」命令が出され、シンガポールやイギリスでは、感染拡大防止のため政府は「Circuit_Breaker(回線遮断)」を呼びかけました。マレーシアでは「MCO(Movement_Control_Order:_行動管理命令)」、フィリピンは「ECQ(Enhanced_Community_Quarantine:_強化されたコミュニティ隔離)」措置を取りました。(参照※2、図1)
  日本でも「三密」や「アベノマスク」「ワーケーション」といった新語や「アマビエ」「クラスター」(参照※3)など聞き慣れない言葉が急速に普及していく1年でしたが、世界も同じく、未曾有の自体に右往左往しながらも順応していく様が、言語世界を振り返っても感じることができます。

Oxford University Press
アイスランド観光局
アイスランド観光局

  今年、頻繁に使われるようになった英語に「Doomscroll」があります。「Doom(絶望)」つまりネガティブな情報ばかりをネットで「Scroll(スクロール)」してしまうことです。自宅隔離が続き不安な中、SNSを開けばもっと悲惨なニュースばかりなのに、画面をスクロールすることがやめられない。多くの人が陥った境遇ではないでしょうか。斬新なPRで話題になることが多いアイスランド観光局は、この言葉をもじった「Joyscroll」ページを開設し、「Doomscrollじゃなくて、Joy(喜びの)スクロールのためにアイスランドが必要じゃない?」と訪れた人に、アイスランドの美しい風景や癒やしのサウンドを紹介していて、さすがだな、と感じました(参照※4)

※1 OED Words of the Year for 2020 – CNN
https://www.cnn.com/2020/11/23/world/oxford-word-of-the-year-scli-intl-gbr/index.html
※2 Word of the Year 2020 | OED
https://languages.oup.com/word-of-the-year/2020/
※3 ユーキャン 新語・流行語大賞
https://www.jiyu.co.jp/singo/
※4 Joyscroll -アイスランド観光局
https://joyscroll.lookslikeyouneediceland.com/

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