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    2020.01.23

タイでの日本旅行の情報収集方法は?タイのアウンスタッフに聞いてみた

タイ市場概況
2018年、タイからの訪日者総数は、前年比14.3%増の113万人*1ですべての国・地域別では米国に次いで6位です。東南アジア諸国市場では初めて、100万人の大台を突破しました。

グラフ1:2018年 訪日外国人数 国・地域別シェア

2018年 訪日外国人数 国・地域別シェア

※日本政府観光局 (JNTO) 2018年 年間訪日外国人数*2より

  2016年10月の国王崩御に伴い、2017年10月までは服喪期間のため、海外旅行を控える人も多く、2017年のみ訪日者伸び率は9.5%と一桁台にとどまりましたが、それ以外の年は2013年の訪日短期滞在のビザ免除以降、格安航空会社 (LCC) 就航数の増加も相次ぎ、右肩上がりの成長が続いています。タイからアジアの各国・地域への訪問者数の推移をみても、海外旅行先の1位~3位は近隣のマレーシアやラオス、ミャンマーですが、東アジアでは日本の伸びが顕著です。

グラフ2:アジア各国・地域へのタイ人訪問者数の推移(2009年~2018年)

アジア各国・地域へのタイ人訪問者数の推移(2009年~2018年)

※JNTO訪日旅行データハンドブック2019年(世界20市場)*3より

タイのお正月ソンクラーンのある4月が、毎年訪日旅行のピークです。年間を通して温かい気候のため、タイ人には珍しい、日本の春の桜や秋の紅葉、冬の雪を楽しめる旅行先が人気です。

グラフ3:月・年別訪日外客数の推移 タイ

月・年別訪日外客数の推移 タイ

※日本政府観光局 (JNTO)データ*1より

日本旅行するときに参照するサイト
バンコクのアウンスタッフに、日本へ旅行する際、どのようにオンラインで情報収集をするのか、アンケートをとり、情報収集する項目として以下の4つを質問しました。

・観光地を探すとき
・航空券を探すとき
・ホテルを探すとき
・レストランを探すとき

  特定のウェブサイトを教えてほしいとアンケート設問を作り、他の拠点からは、有名なトラベルブロガーや訪日メディアの情報が集まったのですが、バンコクアウンスタッフからのアンケート回答は、なかなか衝撃的でした。
なんと、6割以上のスタッフから「これといって特定のサイトはありません。都度Google検索します。」という回答が返ってきたのです。
  タイ人気質を表す言葉として、「マイペンラーイ」という、気にしないや大丈夫を意味する言葉が知られているのですが、今回のアンケートでも、タイ人のおおらかさを再確認した気がします。

日本の観光地情報
  特に、観光地を探すときは、「都度Google検索」派が圧倒的でした。2位のPantipもタイを代表する巨大な掲示板サイトで、訪日旅行に限らず、なにか情報がほしいときに、タイの人なら必ずと言っていいほど訪れるサイトです。3位以下は、のんびり、おおらかなタイのみんな、大好きだけど、「本当に、本当に参照する特定のサイトは1つも思いつきませんか?」と再確認し、数人のスタッフに絞り出してもらった、少数意見となります。

1位 都度Google検索
2位 Pantip
3位 Japan Guide
4位 JapanKakkoii.com / Klook
5位 Facebook : กลุ่มคนชอบตะลอนเที่ยวญี่ปุ่น (日本をブラブラ旅行する人たち) / Voyagin

  3位のJapan Guideは、言わずとしれた英語訪日メディアの老舗サイト。英語もわかるタイ人スタッフに支持されています。
  4位は同率でタイの訪日メディア「JapanKakkoii.com」と、香港をベースとするアジア最大の現地ツアー予約サイトKlookがランクインしました。Klookは2019年に日本でもサービスを開始しています。
  5位はTalonJapanというタイの訪日メディア、ではなく、そのFacebookの1グループが入りました。タイではFacebookの利用率が高く、2018年12月の弊社調査*4でも8割近くが利用しています。そして、同率5位に日本の現地ツアー予約サイトVoyaginが入りました。タイ語は未対応ですが、英語と日本語もわかるスタッフもいるので、日本の現地ツアーや観光地のチケット購入に利用しているようです。

タイにおけるSNSシェア

※アウンコンサルティング2018年調査*4より

航空券購入
  航空券サーチでもGoogleが大人気ですが、ここではPantipをあげるスタッフはいませんでした。
  2位のExpedia.co.th は、「航空券とホテルが同時に予約でき、ポイントが貯まる」「販促キャンペーンが多い」点が評価されています。
  3位は、オランダに本社をおき、世界39カ国で5つの旅行ウェブサイトブランドを展開しているTravixのタイ語サイトCheapTickets.co.thです。
  4位には同率で、LCCの雄、マレーシアのエアアジアと、インドネシアのユニコーン会社Travelokaが並び、まさに東南アジアのトラベルプラットフォーム下剋上を表しているようです。5位にはタイのナショナル・フラッグ・キャリアー、タイ国際航空がランクインしました。

1位 都度Google検索
2位 Expedia.co.th
3位 CheapTickets.co.th
4位 AirAsia / Traveloka
5位 Thai Airways

ホテル選び
ホテル選びも航空券と同じく、Pantipをあげるスタッフはいませんでした。1位は都度Google検索、2位はAogda、3位Expediaと日本でも有名なグローバル・サービスが上位を占めるなか、オーストラリア本社のHotelsCombined が4位でした。上位に入ったAgodaやExpediaをはじめ、Hotels.com、Booking.comなど数多くのホテル検索サイトを一括表示でき、「価格や空き室状況が比べやすい」と人気です。HotelsCombinedはタイ語、日本語を含む42の言語に対応しています。

レストラン選び
  レストラン選びでも「何か食べたいものがあったらGoogle検索して、観光している近くのお店で食べます」や、「レストランは検索しないよ。歩いていてサバーイ(快適な、などの意味のタイ語)そうなお店に入るから」など。「マイペンラーイ」な人が多いタイ人。
  2位Pantipや3位、観光地選びでも登場したFacebook訪日旅行愛好家グループなどに数多く投稿されている口コミで、おすすめレストランや、その店で食べるべきメニュー、避けたほうがいい料理を参考にするそうです。
  同率4位は、日本の食べログ(英語)と、香港やシンガポールなど、主にタイ周辺の東南アジアがメインに、日本旅行の記事もあるバンコクのトラベルブロガー UncleDeng.com があがりました。
  日本語、タイ語や外国人にも読みやすい「やさしい日本語」など10言語で情報発信している日本のWEBマガジンMATCHAが5位です。

1位 都度Google検索
2位 Pantip
3位 Facebook : กลุ่มคนชอบตะลอนเที่ยวญี่ปุ่น (日本をブラブラ旅行する人たち)
4位 Tabelog / UncleDeng.com
5位 MATCHA

  タイ国内のGoogle検索SEO対策をしっかりと行い、上位表示を目指すことと、行きあたりばったりな人も多いタイ人対策には、訪日後のアプローチや実店舗での対応も重要そうです。

  今回、アンケート回答にあったFacebookグループには、今日も名古屋のなばなの里イルミネーションや、海鮮居酒屋「磯丸水産」のかに料理、北海道・旭川の雪景色など、日本各地の観光地の風景が投稿されています。実際に訪れてくれたお客様をしっかりおもてなしした上で、SNSでのシェアを促進するユーザー生成コンテンツ(UGC)対策も有効でしょう。また、Facebook広告は「好きなものと趣味・関心」で絞り込み広告表示できます。

参照
*1日本政府観光局 (JNTO) 世界の市場別基礎情報 タイ
*2日本政府観光局 (JNTO) 2018年 年間訪日外国人数
*3 JNTO訪日旅行データハンドブック2019年(世界20市場)
*4 アウンコンサルティング 台湾・タイのWeb広告に関する意識調査

アウンコンサルティング株式会社は、アジア各国に9拠点をかまえ、お客様のインバウンド事業、アウトバウンド事業をサポートするグローバルコンサルティングを提供しています。また、アジアにおいていち早くSEOを事業化し、2019年6月より22期目を迎え、豊富なノウハウを保持しております。

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