中国の国慶節2025—旅行動向まとめ
はじめに
2025年の中国・国慶節は中秋節と重なり、10月1日(水)〜8日(水)の8連休となります(前後に振替出勤日あり)。この大型休暇は、帰省・観光・短期海外旅行が同時多発的に起こる“年間最大級の移動・消費イベント”として、中国の生活文化や観光トレンドを知る上で絶好の観察機会となります。
1. 休日期間の特徴と社会的背景
- 中秋同慶:家族で月餅を囲む中秋節と、建国記念の国慶節が重なる年は、人の流れが「里帰り+観光」に二極化しやすいのが特徴。
- カレンダー効果:8連休を軸に、前後の週末へも人出が広がり、都市部と地方の双方で消費イベントや観光企画が増えます。
2. 旅行需要と価格の“傾向”
- ピークは前半に集中:連休序盤に人流が集まりやすく、中盤以降にやや落ち着く“錯峰(ピークシフト)”が語られるのは近年共通の現象です。
- 宿泊価格は上振れしやすい:大型連休らしく、主要都市や人気観光地では平均単価が平時より高く推移する傾向があります。個人旅行の拡大に伴い、早い段階からの需要可視化が進んでいる点も近年の特徴です。
3. 国内旅行のキーワード
- 「小城熱(xiǎo chéng rè)」:淄博や天水に代表される、知る人ぞ知る地方都市が注目を集めています。話題の火付け役はSNSでの口コミとショート動画。名所そのものより、ご当地グルメ、非遺(無形文化)、“旅拍”(旅先での撮影体験)といった“内容消費”が目的化しています。
- 「自驾(ドライブ)」:高速道路網や受け入れ環境の整備により、周回ルートで巡りながら複数地域に泊まり分ける周遊が一般化。親子・三世代でも移動の自由度が高く、地方の宿泊・飲食・体験コンテンツへ消費が広がっています。
- ナイトタイムエコノミー:ライトアップ、ライトショー、夜景クルーズなど、夜の演出が集客装置として定着。営業時間の延長や分散入場が、混雑緩和と消費の時間帯拡張に寄与しています。
4. 近距離の海外旅行(出境)の動き
- 人気方面:日本、タイ、韓国、香港、マレーシアなどの近距離が引き続き強い支持。海島(沖縄、済州、プーケット、ボルネオ島サバ州など)への避暑・ビーチ志向も根強いです。
- 制度面の動き:相互の査証(ビザ)免除やビザ手続きの簡素化が進み、短期観光の心理的ハードルが下がる傾向があります。規定は国や時期によって更新されるため、最終的には、最新の公式発表を確認する必要があります。
5. 情報拡散の回路:SNSがつくる「目的地」
- 意思決定のデジタル化:小紅書(RED)や抖音(Tiktok)、视频号(WeChat動画チャンネル)などのSNSが、旅行の検索・比較・共有を一気通貫でつなぎ、口コミの拡散速度と発見性(見つけやすさ)を高めています。
- “目的地=体験コンテンツ”化:写真・動画に映えるローカル体験が、訪問動機そのものに。食(露店・夜市・ローカル飯)×映像演出の組み合わせは、再訪意欲と波及を生みやすい組み合わせとして定着しています。
6. 文化・市場理解の視点
- 家族と観光の重なり:帰省と観光が同時に起こるため、親子・三世代のレジャー需要が厚く、学習・体験型の旅やウェルネス(健康増進)といった要素が旅行の目的として定着しつつあります。
- 都市政策との連動:夜間経済や分散入場は、混雑緩和と地域回遊の促進という行政目標と一致。観光はもはや“人を運ぶ”だけでなく、時間(昼/夜・平日/休日)や場所(中心部/周辺部)の使い方を調整する政策と一体で進んでいます。
おわりに
国慶節は、中国の生活文化と観光の現在を同時に示す象徴的な連休です。2025年は“中秋同慶”の特性もあり、ローカル体験の充実、夜の演出、近距離海外の3本柱が一段とくっきり見えてきました。数字やテクニックに踏み込まなくても、「人がどの時間に、どんな体験価値に惹かれて動くのか」という視点で眺めるだけで、中国の今が立体的に浮かび上がってきます。
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