富裕層消費・資産管理業界リサーチ会社 ALTIANT が、2025年第1四半期の 富裕層モニター(Quarterly Luxury & Wealth Monitor)レポートを公表しています。2025年第1四半期だけでなく、2024年以降の富裕層消費者心理の推移も確認できるので、抜粋しご紹介いたします。
調査対象は、米・英・仏・独・伊・スイス・中国・香港・シンガポール・日本の世帯所得の中央値(HHI)27万4,000米ドル、投資可能資産の中央値75万米ドル強の富裕層です。
下のグラフは「直近12ヶ月のうち購入または利用した高級ブランドやサービスのカテゴリーは?」という設問への回答です。青は複数購入、茶色は1回購入、赤は購入なしを示しています。2021年・2022年以降、「贅沢な休暇を過ごした」と回答する富裕層の割合は着実に増加し、2024年には80%前後で安定していました。2024年第4四半期には90%以上にまで達しています。2025年第1四半期は、89%が1回以上旅行したと回答していて、65%が複数回、過去12ヶ月間に旅行に出かけています。
富裕層の多くは、国内旅行や近隣地域・国旅行を好んでいますが、新型コロナウイルス感染拡大による渡航制限が緩和されるにつれて、海外旅行も着実に回復してきています。人気の旅行タイプは様々ですが、地域を問わず、まだあまり有名ではない観光地や穴場的な目的地を探している人が多くいます。
2025年、調査地域全体で最も人気の高い旅行のタイプは「都市への旅行 City Break」で、特に中国人旅行者は、83%が今後1年以内に旅行すると答えています。
続いてビーチリゾート(Beach Holiday)、家族旅行(Family Holiday)、観光・ツアー旅行(Sightseeing/Touring Holiday)などが続きます。
「今後、90日以内に投資ポートフォリオを大きく変更するか?」という問いに、「大きく変更する予定がある」と答えた富裕層は、以前は30%前後で推移していましたが、2023年第4四半期に22%まで減り、この設問が導入されて以来、最低を記録しました。2024年はわずかに回復し、2025年第1四半期は24.1%でした。主に米国に端を発する市場不確実性が進行中のため、この指標には今後、注意が必要です。
【参照】※1 ALTIANT- Quarterly Luxury & Wealth Monitor