台湾の調査機関「資策會產業情報研究所(MIC)」が行った調査によると、台湾におけるSNSと通信アプリの利用状況には世代間で顕著な違いが見られることが明らかになりました。
1.Facebookから多様化するSNS利用
MICの調査によれば、台湾で最も利用されているSNSはFacebook(70%)ですが、その利用層には35歳を境とした明確な違いがあります。
・36~65歳:利用率は約75%と高水準を維持。
・18~35歳:利用率は60%以下にとどまり、代わりにYouTube(53%)やInstagram(34%)がが目立ちます。
特に18~25歳の若年層ではYouTubeやInstagramの利用率が60%以上に達しており、Instagramの利用率は全体平均を大きく上回っています。
2.SNS利用目的の変化
SNS利用の主な目的は以下の通りです。
特に35歳以下の若年層は、ニュースやエンタメをSNSで得る傾向が強く、日常の複数の活動をSNS内で完結させる利便性を重視しています。
3.Lineの進化:通信アプリから消費ツールへ
台湾で最も利用されている通信アプリはLine(87%)で、次いでMessenger(24%)が続きます。特にLineの利用については以下の変化が見られました。
Lineは通信手段から、日常の消費や情報取得を支える多機能プラットフォームへと進化しており、その利用者の定着率は他プラットフォームとの差別化要因になっています。
4.コンテンツ形式のトレンド
SNSや通信アプリで好まれるコンテンツ形式のトップ3は以下の通りです。
これらの動画形式は前年よりも人気が高まっており、特にライブ動画が第5位から第3位に上昇しました。一方で、文字のみのコンテンツや静的な画像の人気は減少しており、視覚的かつ短時間で楽しめるコンテンツへの需要が増加しています。
5.ライブ配信の購買行動への影響
ライブ配信は台湾でも急成長しているコンテンツ形式です。視聴者を惹きつける人気ジャンルは以下の通りです。
1.旅行関連(宿泊、航空券など)。
2.レストランや日用品。
3.家電製品。
購買意欲を高める主な要因としては、商品の価格が割安であることとニーズに合致していることが挙げられます。また、18~25歳の若年層はライブ配信者の個性やスタイルに注目し、抽選やゲームなどの双方向性を重視しています。
6.今後の展望
今回の調査から、台湾におけるSNSと通信アプリが世代ごとに異なる役割を果たしつつあることが分かります。今後の成長を支えるためには以下のポイントが重要になるでしょう。
・短く視覚的なコンテンツへの対応強化。
・消費関連機能のさらなる拡充と差別化。
・各世代の異なるニーズに応じたマーケティング戦略の展開。
SNSや通信アプリは、単なるコミュニケーション手段から包括的なプラットフォームへと進化を続けています。ユーザーのニーズに迅速に応え、新たな付加価値を提供することで、競争の中で優位性を確保することが求められるでしょう。
【出典元】
※ 【社群通訊行為調查】常用社群平台有顯著世代差距 35歲以上為FB重點用戶 Line消費應用持續提升 網友最偏好的社群內容形式為限動 | 資策會產業情報研究所(MIC)
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