世界経済フォーラムが、フロンティアーズ(オープンサイエンスプラットフォーム・学術出版社、拠点スイス、ローザンヌ)と世界20カ国の90人を超える専門家たちと共同作成した、2023年新興テクノロジー トップ10(Top 10 Emerging Technologies of 2023 )が公開されています。レポートでは、AIを使ったヘルスケア・アクセスの改善や、曲げ伸ばしが用意で布のような炭素繊維にコーティングすることもできる、フレキシブル・バッテリー、メンタルヘルスのためのメタバースなどが選出されています。また、驚異的なスピードで、日常生活の一部になりつつある、生成AIモデルも選ばれています。ChatGPTのようなAIベースの言語モデルは、最近登場したにも関わらず、すでに学校、大学、職場での生活に影響を与えています。適切に使用されれば、こうしたツールによって生産性を高めることができ、クリエイティブな成果物の増加につながります。生成AIテクノロジーは、文章、画像、音楽の生成だけにとどまらず、特定の病状をターゲットにした薬物設計や、建築、エンジニアリングなどにも応用されています。米国航空宇宙局(NASA)のエンジニアが、軽量の宇宙機器をAIシステムの開発に取り組んでいるのはその一例です。開発所要時間の短縮や構造性能の向上も実現可能です。航空業界の二酸化炭素排出量は、世界の総排出量の2~3%を占め、2050年までに、従来の通りに航空機を運用すると、世界全域でその排出量が大きく増加してしまいます。地上では電気自動車使用が、増えてきていますが、長距離飛行にはエネルギー密度の高い燃料が必要とされるため、航空業界の二酸化炭素排出量ネットゼロ達成は困難に直面しています。現在のところ、バイオマスのような生物由来の原料や、二酸化炭素のような生物由来の原料から製造されるサステイナブルな合成燃料の使用は、世界の航空業界全体の1%のみですが、この比率を2040年までに13~15%へ引き上げる必要があるとレポートでは指摘しています。(参照※1)
【出典元】
※1 Top 10 Emerging Technologies of 2023 report | World Economic Forum
https://www.weforum.org/reports/top-10-emerging-technologies-of-2023/digest