フィルムカメラ風のフィルターやレトロ風の加工アプリが流行し、純喫茶や昭和な銭湯などタイムスリップしたような場所が人気を集めるなど、ミレニアルや Z 世代の間で、「レトロ」が注目されています。このブームの背景には、デジタルネイティブ世代が、アナログな体験や「不完全さ」に魅力を感じることが一因のようです。
中国・北京を拠点とする英語メディア The World of Chinese (TWOC) が、中国の総人口の 39% を占めるミレニアル・Z 世代は、どんなものをレトロと感じるのか、紹介しています。
1980年~2010年生まれの若者のうち、94.7% が、子供の頃に食べた駄菓子や飲み物を懐かしさから購入すると答えています。中国の大手オンラインショッピングモール、JD.com では、そういった子供時代のノスタルジックさをテーマにした菓子パン市場の売上が、2022年 70% 以上増加しました。
1995年に発売されたアライグマをパッケージにあしらったスナック菓子は、お菓子と一緒に入っているキャラクター・カードを目当てに、当時、小学生たちがこぞって購入しました。
1950年代後半に製造開始され、今でも中国の代表的なお土産の一つでもある、「大白兎奶糖」ミルクキャンディーは、幼い頃に勉強を頑張ったご褒美としてもらったり、白いうさぎが描かれたキャンディーの包みで折り紙を折り、缶箱のなかに集めていた思い出は、多くの若者に共通しています。
2019年に北京の「王府井百貨大楼(デパート)」地下にオープンした「和平菓局」は、訪れた人を1980年代の北京へタイムスリップさせたような気分にしてくれます。狭い北京の胡同(古い小路)に、郵便局や薬局、懐かしい商店が並び、従業員は懐かしいスタイルの服装でお客を迎えます。
上海では、現代的なショッピングモール「城市集市(CITY MART)」の一角に、懐かしい魔法瓶や、白黒テレビがある、1990年代の上海の小路を再現しています。レトロな折りたたみいすやベンチに座り、懐かしい上海名物のお餅などが楽しめます。
中国・湖南省長沙市に、2019年オープンした7階建てのショッピングモールには、1980年代当時の長沙市を再現され、泥レンガで作られた建物やネオンサイン、ビンテージのレコードプレイヤーやケーブルカーが配されています。地元の20の屋台が入居し、長沙市最古のフード・ストリートを復古しています。
中国の大手動画サイト Youku でクラシックなドラマを見ているのも、00后(2000年代生まれ)と90后(1990年代生まれ)で過半数を占めています。
【出典元】※1 What Are Millennials and Gen Z Nostalgic For? | Infographics | The World of Chinese