中国国内の経済動向:中西部が台頭、東部が後退する構造的な変化
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【中国の地域別経済指標】出典元:第一财经
中国の経済成長の重心が、従来の沿海部(東部)中心から内陸部(中西部)へと移行しつつあります。【中国の地域別経済指標】を比較した表は、中西部地域の収入が東部地域を上回っていることを示しており、この構造的な変化を鮮明に描き出しています。
中西部地域の躍進と東部地域の減速
2019年以降、中西部地域の一人当たり可処分所得の伸び率は、東部地域を上回っています。その背景には、次のような要因が考えられます。
- 土地政策の影響
2009年からの大規模なインフラ投資と不動産開発は、東部地域での土地価格の急騰を引き起こし、不動産関連収入を押し上げました。しかし、バブルが崩壊し、東部地域では収入が急減しました。一方で、中西部地域は土地に余裕があり、不動産価格の上昇が緩やかだったため、バブル崩壊の影響を相対的に受けにくかったのです。
- 産業構造の変化
東部地域は、製造業やサービス業など民間企業が中心の経済構造です。しかし、近年、不動産市場の低迷や外資の撤退により、民間部門の活力が低下しています。対照的に、中西部地域では国有企業の割合が高く、政府主導の産業政策の恩恵を受けやすい状況です。
- 所得構成の変化
中西部地域では、国有企業による賃金収入が大部分を占めており、この賃金収入が地域の総収入を支えています。
経済構造の変化がもたらす課題
中西部地域の躍進は、中国経済の新たな成長エンジンとなる可能性を秘めています。その一方で、いくつかの課題も浮かび上がってきています。
- 経済の非効率性
国有企業の割合が高い中西部地域では、市場メカニズムが十分に機能せず、経済の非効率性が懸念されています。
- 地域格差の拡大
中西部地域内でも、都市部と農村部の間で収入格差が拡大する可能性があります。
今後の展望
中国経済は、従来の沿海部中心から内陸部へと重心を移しつつあります。この構造的変化は、中国の経済成長にとって重要な転換点となる可能性があります。それと同時に新たな課題も浮上しており、政府はこれらの課題に対処するための適切な政策を講じる必要があるでしょう。
【出典元】
※区域收入:谁在赶超,谁在降速? | 第一财经
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