• 2025.04.10

世界40カ国・地域における主要検索エンジンシェア【PC、モバイル】

 グローバルマーケティング事業*を展開しているアウンコンサルティング株式会社(東証スタンダード市場:2459、本社:東京都千代田区、代表取締役CEO:信太明、以下「アウンコンサルティング」)は、2012年11月より世界40カ国・地域を対象に検索エンジン**シェアの推移をまとめており、この度、2025年2月時点の各国・地域におけるPCとモバイルの主要検索エンジンシェアを調査しました。その結果をお知らせいたします。

 前回(2024年7月)のリリースはこちらをご覧ください。

* 海外SEO (検索エンジン最適化)、および海外広告 (サービス概要:https://www.auncon.co.jp/service/)
** 用語の定義として、検索エンジンとは検索システムを提供する会社、ブランドを指します。具体例を挙げると、日本で最も人気のあるポータルサイトの一つ「Yahoo! JAPAN」は、検索エンジンとしては「Google」という扱いとなり、同様の理由から「Yahoo!台湾」や「Yahoo!香港」はMicrosoft Bingとなります。

本調査結果の要点

・Googleの検索エンジンシェアは、PCとモバイルにおける中国とロシアや、モバイルにおける韓国を除き、前回調査(2024年7月)時点と同様に、引き続き高いシェア率を維持した。

・ 「ロシアのGoogle」とも言われている「Yandex」が、ロシアにおけるモバイルのシェア率で前回調査(2024年7月)時点と比較して6.1%上昇し、比較的高い数値となった。また、トルコにおいては、Yandexのシェア率が、Googleのシェア率を超える期間もあった。

・ ベトナムにおいては、ベトナム語に対して最適化された検索エンジン「Coc Coc」のシェア率がAI技術を活用した「Coc Coc AI Search」の公開をきっかけに、PCとモバイルで増加傾向を示した。

各検索エンジンシェアの変化は僅かながらも、AI技術の導入や新しいアルゴリズム、マーケティングキャンペーンなどに影響を受けるため、特定の市場や技術トレンドを理解するためには、これらの変化や要因に注目することが重要であると言えます。

調査結果の詳細は、以下のとおりです。
 ※国別の詳細なデータはページ下の一覧表をご覧ください。

■BingとYandexのシェア率が上昇

 2024年2月からの約1年間における、Googleを除いた世界の検索エンジンシェア率の推移を参照すると、2024年2月と比較して2025年2月には、「Bing」が約0.6%の上昇と最も高く、次いで「Yandex」が約0.5%上昇しました。

【Googleを除く世界の検索エンジンシェア率の推移】

Googleを除く世界の検索エンジンシェア率の推移

※Stat Counter (https://gs.statcounter.com/)のデータを元にアウンコンサルティングが作成

・AIを活用したBingのアップデート

 近年、Microsoftの検索エンジンBingは、AI技術を駆使した数々のアップデートにより、検索エンジンシェアを着実に伸ばしていると考えられます。
 2023年12月には「Deep Search」と呼ばれる機能が発表(※1)され、従来の検索エンジンでは難しかった複雑な検索クエリに対し、AIを活用した、より関連性の高い情報を提供することが可能になりました。さらに、2024年7月には、「Bing generative search」(ジェネレーティブ検索)の発表(※2)に加え、2024年10月にはその機能の拡張が発表(※3)されています。
 「Bing generative search」により、従来のWeb検索結果と生成AIによる回答が同時に表示されるようになり、検索結果の上部に表示されるAIの回答は、情報の要約や整理がされ、効率的に情報を入手できるようになりました。
 一方で、Googleも「AI Overview」といった類似した機能を提供しており、さらなるAIの最適化や新機能の開発によって競争がより激化する可能性もあり、今後の動向や技術の発展には引き続き注目です。

・モバイルにおけるYandexのシェア拡大

 「ロシアのGoogle」とも言われているYandexは、モバイルでのシェア率について、前回調査(2024年7月)時点と比較して、6.1%上昇しました。(※ページ下部の国別一覧表参照)
 Yandexにおいても、AIなどの技術革新に取り組んでおり、「Alice(アリス)」と呼ばれるAI音声アシスタントや、音声検索機能の強化、AIによる検索結果の精度向上などがモバイルのシェア増加に影響していると言えます。
 また、2024年7月には、オランダに本社を置く親会社「Nebius Group NV社(旧Yandex N.V.社)」により、Yandexの検索エンジン事業の売却が行われています。現在は、ロシアの投資家グループによって事業が継続されており、こうした動向への注目がYandexのシェア率増加にも影響したと考えられます。

・トルコでは、YandexがGoogleに次いで高いシェア率を獲得

 Yandexは特にトルコにおいても高いシェア率を獲得しており、トルコ語による検索クエリに対する最適化や、「Yandex Maps」によるトルコの詳細な地図情報や交通情報の提供の他、トルコ国内で利用可能なタクシー配車サービス「Yandex Taxi」など、検索エンジンのみならず、地域に特化した様々なサービスの展開などから人気を博しています。特に、Yandexの検索エンジン事業売却が行われた2024年7月から10月にかけて、シェア率は一時的に増加しており、トルコにおいてもこの事業売却に注目が集まりシェア増加の一因になったと考えられ、トルコ国内におけるブランド認知度の高さが示されていると言えます。

【トルコにおけるGoogleとYandexの検索エンジンシェア推移】

トルコにおけるGoogleとYandexの検索エンジンシェア推移

※Stat Counter (https://gs.statcounter.com/)のデータを元にアウンコンサルティングが作成

 今後もYandexは、トルコ市場においてさらなる成長を目指し、ユーザーにとって価値のあるサービスを提供し続けることが予想されると同時に、地域に特化したサービス展開のノウハウなどを活用し、さらなるグローバル展開が行われることも考えられます。
 Yandexの今後のグローバル展開については、国際情勢や技術革新などの多くの要因に左右されることが考えられ、ロシアやトルコ以外の国においても、Yandexの今後の動向が検索エンジンのシェアにどのように影響を与えるか、引き続き注目です。

■Coc CocのAI技術の進化とベトナムにおけるシェア率の変化

 ベトナムにおいては、「Coc Coc」のシェア率が増加傾向にあり、前回調査(2024年7月)時点のシェア率と比較すると、PCで3.0%、モバイルで1.7%の上昇(※ページ下部の国別一覧表参照)となりました。
 Coc Cocは、複雑な文字や文法を用いるベトナム語に対して最適化された検索エンジンとして、ベトナム国内ではGoogleに次ぐ人気の検索エンジンです。またCoc CocにおいてもAI技術を活用した「Coc Coc AI Search」が2023年5月に公開(※4)され、検索クエリに基づいてAIにより生成された回答内容が、検索結果のトップに表示される機能が実装されています。
 一方、Googleのシェア率は、前回調査(2024年7月)時点でモバイルでは97.90%と高く、さらに2024年12月にアウンコンサルティングが調査した「世界18か国・地域における主要生成AIの検索ボリューム」では、Googleの生成AI「Gemini」がベトナムにおける検索ボリュームで1位になるなど、注目度の高さが示されておりました。しかし、Coc Cocのシェア率の推移を参照すると、「Google Bard」が「Gemini」としてリブランドされた2024年2月時点で一時的にシェア率を低下させたものの、その後シェア率は徐々に上昇しており、Coc CocのAI技術がユーザーに定着していると考えられます。
 今後も、AIなどの技術の発展が、検索エンジンのシェアに影響する事が予想されます。特に、Coc Cocの技術革新などがベトナムの検索エンジンシェアに与える影響は大きく、マーケティング戦略を立てる上で引き続きCoc Cocの最新のアップデート情報や市場の動向に注目する必要があると言えます。 

【ベトナムにおけるCoc Cocのシェア推移】

ベトナムにおけるCoc Cocのシェア推移

※Stat Counter (https://gs.statcounter.com/)のデータを元にアウンコンサルティングが作成

 各国や地域における、検索エンジンシェアの動向や、ユーザー行動の特性などを理解することは、より効果的なマーケティング戦略を立てる上で重要になると言えます。特に、昨今のAI技術の進化は目覚ましく、検索エンジンの機能やシェア率、アルゴリズム、SEOの手法にも変化が見られます。
 今後の各検索エンジンのAI技術を中心とした進化や、それに伴うシェアの動向など、変化し続けるデジタル環境にも引き続き注目です。

2025年2月 各国・地域におけるPCとモバイルの主要検索エンジンシェア

各国・地域におけるPCとモバイルの主要検索エンジンシェア1
各国・地域におけるPCとモバイルの主要検索エンジンシェア2
各国・地域におけるPCとモバイルの主要検索エンジンシェア3
各国・地域におけるPCとモバイルの主要検索エンジンシェア4

調査概要

【調査主旨】
世界40カ国、主要検索エンジンシェア(PC、モバイル)

【集計要綱】
対象国: OECD加盟主要国を中心に当社にて抽出
インターネット普及率データ参考:DataReportal – Global Digital Insights, https://datareportal.com/
検索エンジンシェアデータ参考: StatCounter , http://statcounter.com/
調査日:2025年3月11日 ~ 2025年 3月 27日
調査対象時期:2024年2月 ~ 2025年2月

【出典】
Microsoft Bing Blogs – Introducing deep search (2023年12月5日) , https://blogs.bing.com/search-quality-insights/december-2023/Introducing-Deep-Search
Microsoft Bing Blogs – Introducing Bing generative search (2024年7月24日), https://blogs.bing.com/search/July-2024/generativesearch
Microsoft Bing Blogs – The next step in Bing generative search (2024年10月1日) , https://blogs.bing.com/search/October-2024/The-next-step-in-Bing-generative-search
4 Coc Coc プレスリリース – Cốc Cốc chính thức ra mắt AI Chat và AI Search tối ưu hoá cho người Việt(2023年5月29日) , https://press.coccoc.com/bai-viet/coc-coc-chinh-thuc-ra-mat-ai-chat-va-ai-search-toi-uu-hoa-cho-nguoi-viet/

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