• 2024.11.27

47都道府県に関する年間検索トレンド(オーストラリア編)

 グローバルマーケティング事業(※)を展開しているアウンコンサルティング株式会社(東証スタンダード市場:2459、本社:東京都千代田区、代表取締役CEO:信太明、以下「アウンコンサルティング」)はこの度、オーストラリアにおける日本の47都道府県に関する年間の検索トレンド、および2024年10月の使用言語別・文字別の訪日外国人客数について調査を実施しましたので、その結果をお知らせいたします。
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調査結果のサマリー

・検索数の上位は大都市圏(東京・大阪・京都)に集中しているものの、広島・沖縄のほか、紅葉や雪景色を楽しめる北海道・長野・秋田の検索数が上位となった。
・使用言語別訪日外国人客数(※)は、韓国語73万人、英語63万人、北京語(中国)58万人。
・使用文字別訪日外国人客数(※)は、ハングル73万人、繁体字(台湾・香港)67万人、英語63万人。
※日本政府観光局(JNTO) 日本の観光統計データを参考にアウンコンサルティングで、訪日外国人が使用している言語別・文字別に訪日外客数を集計

オーストラリアにおける「日本の47都道府県」検索数ランキング

 2019年にオーストラリアからの訪日旅行者は62万人を突破しました。新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、一時は約3,000人まで減少していましたが、2023年にはコロナ禍前の水準(約98%)まで回復しました*1
 以下の表は、2023年11月~2024年10月にオーストラリアにおける「日本の都道府県」の検索数をまとめたものです。検索数の上位を占めたのは東京、大阪、京都の大都市圏でした。大都市圏については、2024年9月にアウンコンサルティングが発表した米国編調査でも同様の傾向が見られました。
 4位の広島においては、オーストラリアからの旅行客が訪日客全体のうち米国・台湾に次いで3番目に多く、2024年のオーストラリア人旅行客に関する都道府県別延べ宿泊者数は、広島が全体の約8%を占めています*1。広島の歴史や原爆ドームが持つ恒久平和というメッセージをより自身の目でみたいという思いから検索数も多い傾向にあると考えられます。
 5位の沖縄においては、ダイビングやマリンスポーツといったアクティビティから、美ら海水族館のような観光地を楽しめることが人気の要因であると考えられます。

【 Google AdWords検索数 】

※Google AdWords キーワードプランナーツール利用による検索数データ

 一方で、訪日旅行で、今後の地方エリアへの訪問意向を高めるものとして、日本政府観光局(JNTO)が世界22市場を対象に実施した「国外旅行の意向等に関するアンケート調査*2」によると、花見や紅葉、雪景色(46.5%)、その土地ならではの飲食(39.1%)、文化(38.2%)が上位となりました。
 特に今回の検索数調査において6位となった北海道、10位の長野、11位の秋田は、雪景色やスキーなどのアクティビティ、自然豊かな食文化、各地域固有の歴史・伝統文化を体験できることから、検索数も多い傾向にあると考えられます。
 北海道ニセコ町は、雪質の良いパウダースノーが海外のスキー愛好家や富裕層を魅了したことで、海外からの投資が加速し、日本を代表するスキーリゾートとして発展してきました。パウダースノーの魅力はもちろん、北米や欧州と比較して距離的に近く、時差がほとんどないこと、温泉や食事の良さ、そして、円安や日本の物価の安さも魅力となり、オーストラリア人に人気の観光地となっています。
 また、ニセコ町は1月と8月に観光のピークを持つ二峰型*3であることが特徴的です。スキーシーズンの冬と、様々なアウトドアスポーツを楽しむことができる夏にニセコの魅力を感じる方が多く、さらにニセコ町の温泉の魅力も国内外から注目されています。
 自然豊かな長野は、「日本の屋根」と呼ばれるほど、北アルプスや南アルプスなどの美しい山々に囲まれています。四季折々の風景を楽しむことができ、特に紅葉や雪景色は絶景で、情緒あふれる日本の美しさを体感することができます。また、スキーリゾートとして人気の白馬エリアは、近年、グリーンシーズン(4月~11月)の集客も伸長しており、日本スキー場開発グループの株式会社岩岳リゾートでは、冬だけではなく通年楽しめる「世界水準のオールシーズンマウンテンリゾート*4」の実現を目指し、グリーンシーズンを中心に楽しめる様々な取り組みを企画・実行しており、今後のインバウンド市場拡大が期待されています。
 伝統文化が色濃く残る秋田では、雪国ならではの美しい景色が魅力的です。日本三大樹氷の一つ「森吉山の樹氷」では、冬だけの絶景である巨大なスノーモンスターの樹氷を見ることができます。また、白神山地、田沢湖といった自然の美しさに加えて、乳頭温泉郷やきりたんぽ、稲庭うどんなど、秋田ならではの魅力を体験できるため、検索数が上位になったと考えられます。
 日本政府観光局(JNTO)よる「国外旅行の意向等に関するアンケート調査*2」において、訪日旅行で地方への訪問意向を高める「アクセシビリティ・受入体制」については、「地方部へのアクセス及び、地方部内におけるアクセス(32.3%)」が上位となっています。実際、オーストラリアから日本への直行便は、羽田空港、成田国際空港、関西国際空港の大都市圏のみで、地方への直行便就航はありません。そのため、乗り継ぎや新幹線等での移動が発生するため、地方へのアクセス向上は必要不可欠となります。また、日本の古き良き文化を体験できる「コト消費」を促進するためには、日本独自のコンテンツを活用した高付加価値プランの販売が重要です。地方へのアクセス改善とともに、認知度向上のためにメディアに取り上げてもらうなど、これらのプランを積極的に広報していくことが求められます。

【訪日旅行:今後の地方エリアへの訪問意向を高めるもの】

※出典:日本政府観光局(JNTO)「国外旅行の意向等に関するアンケート調査」

2024年10月のインバウンド市場

 日本政府観光局(JNTO)*1によると、2024年10月の訪日外国人客(以下、訪日外客)数は約331万人で、コロナ禍前の2019年同月比では32.7%増となりました。紅葉シーズンを迎え、多くの国・地域で訪日需要の高まりがみられ、堅調に推移しました。2024年1月から10月までの累計は約3,019万人となり、過去最速で年間累計3,000万人を突破しました。

出典:日本政府観光局(JNTO) 日本の観光統計データを参考にアウンコンサルティングで加工

 国・地域別では、1位韓国73万人(2019年同月比+271.1%、2023年同月比+16.0%)、2位中国58万人(2019年同月比▲20.2%、2023年同月比+127.3%)、3位台湾47万人(2019年同月比+15.8%、2023年同月比+12.7%)となりました。航空便の増便や、韓国の祝日、中国での国慶節(建国記念日)が寄与したとみられます。

出典:日本政府観光局(JNTO) 日本の観光統計データを参考にアウンコンサルティングで加工

【言語別・文字別】訪日外国人客数

 2024年10月に日本を訪れた訪日外客数を使用言語別にみると、韓国語を使用する旅行者が最も多く、73万人が訪日しました。次いで、英語63万人、北京語(中国)58万人、中国語(台湾)47万人、となりました。また、使用文字別にみると、ハングル(韓国)73万人が最も多く、次いで、繁体字(台湾・香港)67万人、英語63万人、簡体字(中国)58万人となりました。

出典:日本政府観光局(JNTO) 日本の観光統計データを参考にアウンコンサルティングで、
訪日外国人が使用している言語別・文字別に訪日外客数を集計し加工

 また、以下のグラフは、2023年10月~2024年10月の使用文字別の訪日外客数の推移です。
 簡体字(中国)においては、2023年8月に団体旅行が解禁されたものの、東京電力福島第一原子力発電所の処理水放出の影響や、中国経済の減速もあって回復が遅れていましたが、日本への直行便数の増加やクルーズ船の寄港、国慶節(建国記念日)の影響もあり、増加傾向にあります。
 英語圏において、米国では直行便数の増加や祝日等の影響もあり、訪日外客数は10月として過去最高を記録しました。2024年1月から10月までの累計は223万人となり、過去最高であった2023年の年間累計204万人を上回りました。また、シンガポールでは直行便数が2019年水準を上回っていること、広告や旅行博等の各種プロモーションに加えて、特に10月末の祝日等の影響もあり、10月として過去最高を記録したことで、英語圏全体の訪日外客数の増加につながりました。

出典:日本政府観光局(JNTO) 日本の観光統計データを参考にアウンコンサルティングで、
訪日外国人が使用している言語別・文字別に訪日外客数を集計し加工

調査概要

■ オーストラリアにおける日本の47都道府県に関する年間の検索トレンド
・調査日:2024年11月12日
・調査対象時期:2023年11月~2024年10月

■ 2024年10月の使用言語・文字別に見る訪日外国人客数
・調査日:2024年11月20日
・調査対象時期:2003年1月~2024年10月

【出典】
1 日本政府観光局(JNTO)
・日本の観光統計データ: https://statistics.jnto.go.jp/graph/
・訪日外客数・出国日本人数データ: https://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/visitor_trends/
・インバウンド消費動向調査: https://www.mlit.go.jp/kankocho/tokei_hakusyo/gaikokujinshohidoko.html

2 日本政府観光局(JNTO) 「国外旅行の意向等に関するアンケート調査」 2024年1月25日
https://www.jnto.go.jp/news/20240125.pdf

3 北海道ニセコ町 「数字で見るニセコ 2024年5月版」
https://www.town.niseko.lg.jp/resources/output/contents/file/release/882/10222/2024toukei.pdf

4株式会社岩岳リゾート 「白馬岩岳マウンテンリゾート、3期連続でグリーンシーズンの来場者数が過去最高を記録」 2023年12月11日 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000069.000068296.html

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