• 2024.10.24

47都道府県に関する年間検索トレンド(香港編)

 グローバルマーケティング事業(※)を展開しているアウンコンサルティング株式会社(東証スタンダード市場:2459、本社:東京都千代田区、代表取締役CEO:信太明、以下「アウンコンサルティング」)はこの度、香港における日本の47都道府県に関する年間の検索トレンド、および2024年9月の使用言語別・文字別の訪日外国人客数について調査を実施しましたので、その結果をお知らせいたします。
(※)海外SEO (検索エンジン最適化)、および海外広告 (サービス概要: https://www.auncon.co.jp/service/)

調査結果のサマリー

・香港における検索数は上位から順に、「福岡」、「東京」、「大阪」が圧倒的に多い結果となった。実際、香港からの旅行者は大都市圏を訪問する割合が高く、人気が集中している。
・使用言語別訪日外国人客数(※)は、韓国語65.6万人、北京語(中国)65.2万人、中国語(台湾)47万人。
・使用文字別訪日外国人客数 (※)は、ハングル(韓国)65.6万人、簡体字(中国)65.2万人、繁体字(台湾・香港)64万人。
(※)日本政府観光局(JNTO) による日本の観光統計データを参考に、アウンコンサルティングで訪日外国人が使用している言語別・文字別に訪日外客数を集計

香港における「日本の47都道府県」検索数ランキング

 2019年に香港からの訪日旅行者は229万人を突破しました。新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、一時は約1,000人まで減少していましたが、2023年にはコロナ禍前の約9割まで回復しました*1
 以下の表は、2023年10月~2024年9月の香港における「日本の都道府県」の検索数をまとめたものです(英語及び繁体字での検索数の合計)。香港での検索数が最も多かったのは福岡、次いで東京、大阪となりました。

【 Google AdWords検索数 】

※Google AdWords キーワードプランナーツール利用による検索数データ

 福岡は、香港をはじめアジア各都市と距離が近く行き来しやすいため、インバウンドだけでなく、ビジネスの拠点として地理的に恵まれた条件下にあります。福岡では2020年より国際金融都市構想を掲げる産官学組織「TEAM FUKUOKA(チーム福岡)」が国内外からの企業誘致に取り組んでいます。香港の資産運用会社も福岡への進出を決めており、地理的優位性を活かし、スタートアップ支援も充実している強みをアピールし、企業と人材を呼び込んで都市の成長に繋げています。
 2位東京、3位大阪、6位京都は、2024年9月にアウンコンサルティングが発表した米国編調査と同様の傾向で、上位にランクインしました。世界的に有名な観光地として人気を集めている3都市については、旅行の拠点としても利用されることが多いため、検索数も多いと推測されます。また、9位の奈良については、香港からの延べ宿泊者数は約1万人*1と3都市に比べて少ないものの、大阪・京都・奈良をセットで観光する訪日旅行者が多いため、検索数も上位になったと考えられます。
 4位の沖縄においては、香港から近く、手軽に日本を楽しめるため、安定した人気があります。また、沖縄ではリゾートウェディングに力を入れており、日本国内のみならず、海外組のウェディングが大幅に増加しています(2022年15組/2023年552組)。海外組のうち、約55%を香港が占めており、沖縄でのリゾートウェディングが人気を集めています*2
 5位の北海道においては、10月~1月の検索数が多く、冬のシーズン到来に向けて、北海道に関する情報収集を行っていることが推測されます。1年中温暖な気候のため、北海道の雪景色やスキーなどのアクティビティ、自然豊かな大地でとれる食材、旭山動物園などの人気が高いため、検索数も多い傾向にあると考えられます。
 7位の熊本においては、地理的な要因もあり、従来から東アジアからの旅行者が多く訪れていることから、検索数も上位になったと考えられます。2023年の国籍・地域別外国人延べ宿泊者数をみると、韓国からの旅行者が最も多く、次いで台湾、香港、中国の順で、これら東アジアの4ヵ国・地域で全体の7割超を占めています*1。熊本ならではの観光資源を活かし、魅力的な滞在拠点となることを目指しており、阿蘇地域では、阿蘇ならではの自然資源を活用し、地域一体となって持続可能な観光地域づくりを推進しています。
 8位の鹿児島においては、昭和55年度から隔年で定期的に産業・貿易、観光、文化・スポーツ等の相互交流について協議する交流会議を開催していることから、香港での認知度もあり、検索数も多い傾向にあると考えられます。コロナ禍前の2019年の国籍・地域別外国人延べ宿泊者数をみると、香港からの旅行者が最も多く、全体の3割を占めています*1。2023年はコロナ禍前の約2割の回復にとどまっているものの、2024年3月31日には香港航空が鹿児島間の定期便を再開したことで回復傾向にあります。
 10位の和歌山においては、「観光振興アクションプログラム2024」を発表し、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」や自然を生かしたアウトドア、温泉と食などを活用しており、来年度の大阪・関西万博を機に、国内外の観光客の呼び込みを目指しています。香港をはじめとする主要市場においては、観光プロモーターを設置し、現地でのセールス活動や情報の収集及びSNSを通じた情報を発信しています。特に香港においては、「今後の地方エリアへの訪問意向を高めるもの*3」として、温泉やその土地ならではの飲食を上位に選択する旅行者が多いため、和歌山の温泉や食文化を観光資源として上手く活用しプロモーションを行うことで、訪問需要を高めるきっかけになると考えられます。

 以下は、2023年のアジア4カ国・地域における訪日経験の回数*1をグラフ化したものです。香港は「1回目」の割合が8.5%と他の国籍・地域に比べて低いのに対し、「4~9回目」が36.7%、「10回目以上」が36.2%と4回目以上のリピーターが約7割を占めています。香港と日本は比較的距離が近く、金銭的な負担もそれほど多くなく手軽に旅行できることに起因していると考えられます。

出典:日本政府観光局(JNTO) による日本の観光統計データを参考に、アウンコンサルティングで2023年の訪日回数(観光・レジャー)を集計し加工

 以下は、2023年の香港からの旅行者を都道府県別に訪問率を算出し、ランキング化したものです*1。検索数のランキング同様、大都市圏の訪問率が高くなっています。千葉においては、成田国際空港が所在し、東京ディズニーリゾートなど人気観光スポットを有するため、観光名所で検索され、県名での検索は他の大都市に比べ少ない傾向にあると考えられます。
 昨今は地方航空路線も拡大しているものの、訪問率1%を下回る県も多く、大都市に人気が集中しています。リピーターが多い香港だからこそ、大都市だけでなく、地方の魅力を発見できるような創意工夫が必要不可欠となります。地方への訪問需要を高めるためには、公共交通機関へのアクセス向上だけでなく、日本の古き良き文化を感じられる体験型へのコト消費へ繋げられるよう、日本独自のコンテンツを駆使した高付加価値プランの販売促進が重要となります。

出典:日本政府観光局(JNTO) による日本の観光統計データを参考に、
アウンコンサルティングで香港からの2023年都道府県別訪問率(観光・レジャー)を集計し加工

2024年9月のインバウンド市場

 日本政府観光局(JNTO)によると、2024年9月の訪日外国人客(以下、訪日外客)数は約287万人で、コロナ禍前の2019年同月比では26.4%増となりました。2024年1月から9月までの累計は約2,688万人となり、2023年の年間累計2,506万人を上回る結果となりました。このままのペースで増加した場合、コロナ禍前の2019年の3,188万人を上回り、年間では過去最多を更新する見通しです *1

出典:日本政府観光局(JNTO) による日本の観光統計データを参考にアウンコンサルティングで加工

 国・地域別では、1位韓国65.6万人(2019年同月比+226.3%、2023年同月比+15.1%)、2位中国65.2万人(2019年同月比▲20.4%、2023年同月比+100.3%)、3位台湾47万人(2019年同月比+25.1%、2023年同月比+22.2%)となりました。韓国は、航空便の増便や秋夕(チュソク)連休等の影響もあり、訪日外客数は9月として過去最高を記録しました。

出典:日本政府観光局(JNTO) による日本の観光統計データを参考にアウンコンサルティングで加工

 日本政府観光局(JNTO)によると、2024年1月〜9月の訪日外国人旅行消費額は5兆8,582億円となり、過去最高だった2023年の5.3兆円を上回りました。円安の影響もあって消費額は増加しており、日本政府は2024年の年間旅行消費額が8兆円を達成する可能性があるとみています*1
 ただし、2024年7月〜9月の円相場は2024年4月〜6月と比較して円高水準だったこともあり、この3ヶ月の消費額は減少しました。円安による追い風が一服したことで、これまで予算重視で日本を旅行先としていた観光客が他国へ流れ、今後、インバウンド市場は鈍化する可能性があります。そのため、買い物などのモノ消費ではなく、体験型へのコト消費へ繋げられるよう、日本独自のコンテンツが重要となります。

出典:日本政府観光局(JNTO) による日本の観光統計データを参考にアウンコンサルティングで加工

【言語別・文字別】訪日外国人客数

 2024年9月に日本を訪れた訪日外客数を使用言語別にみると、韓国語を使用する旅行者が最も多く、65.6万人が訪日しました。次いで、北京語(中国)65.2万人、中国語(台湾)47万人、英語44万人となりました。また、使用文字別にみると、ハングル(韓国)65.6万人が最も多く、次いで、簡体字(中国)65.2万人、繁体字(台湾・香港)64万人、英語44万人となりました。

出典:日本政府観光局(JNTO) による日本の観光統計データを参考に、
アウンコンサルティングで訪日外国人が使用している言語別・文字別に訪日外客数を集計し加工

 また、以下のグラフは、2023年10月~2024年9月の使用文字別の訪日外客数の推移です。
 繁体字(台湾・香港) においては、地方路線の増便等の影響もあり、訪日外客数は9月として過去最高を記録しました。英語圏においては、他の言語圏と異なり、客数の伸びは見られないものの、直行便数の増加等の影響もあり、豪州・米国・カナダで9月として過去最高を記録しました。年間を通じては、春の桜シーズンやイースター休暇が3月下旬から始まったこともあり、他の月に比べ3月及び4月は訪日外客数が増加する傾向にあります。

出典:日本政府観光局(JNTO) による日本の観光統計データを参考に、
アウンコンサルティングで訪日外国人が使用している言語別・文字別に訪日外客数を集計し加工

調査概要

【調査主旨】
香港における日本の47都道府県に関する年間の検索トレンド
使用言語・文字別に見る訪日外国人客数

【調査要綱】
調査日:2024年10月11日
調査対象時期:2023年10月~2024年9月

【出典】
1日本政府観光局(JNTO)
・日本の観光統計データ: https://statistics.jnto.go.jp/graph/
・訪日外客数・出国日本人数データ: https://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/visitor_trends/
・インバウンド消費動向調査: https://www.mlit.go.jp/kankocho/tokei_hakusyo/gaikokujinshohidoko.html

2 沖縄県観光振興課, 2024年5月31日
https://www.pref.okinawa.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/011/805/kappurutoukeityousakouhyoude-ta.pdf

3 日本政府観光局(JNTO), 2024年1月25日
https://www.jnto.go.jp/news/20240125.pdf

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