• 2024.08.28

使用言語・文字別に見る訪日外国人客数および台湾における日本の47都道府県に関する年間の検索トレンド

 グローバルマーケティング事業(※)を展開しているアウンコンサルティング株式会社(東証スタンダード市場:2459、本社:東京都千代田区、代表取締役CEO:信太明、以下「アウンコンサルティング」)はこの度、2024年7月の使用言語別・文字別の訪日外国人客数及び、台湾における日本の47都道府県に関する年間の検索トレンドについて調査を実施しましたので、その結果をお知らせいたします。

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調査結果のサマリー
・2024年7月の訪日外国人旅行者数は約329万人でコロナ禍前の2019年同月比10.1%増。
・使用言語別訪日外国人客数(※)は、北京語(中国)77万人、ハングル(韓国)75万人、中国語(台湾)57万人。
・使用文字別訪日外国人客数 (※)は、繁体字(台湾・香港)85万人、簡体字(中国)77万人、ハングル(韓国)75万人。
・台湾での北海道人気は継続しており「北海道旅行」の検索数が圧倒的に多い結果となった。

※日本政府観光局(JNTO) 日本の観光統計データを参考にアウンコンサルティングで、訪日外国人が使用している言語別・文字別に訪日客数を集計

2024年7月のインバウンド市場

日本政府観光局(JNTO)によると、2024年7月の訪日外国人客(以下、訪日外客)数は約329万人で、コロナ禍前の2019年同月比では10.1%増となりました。東アジアや欧州など学校休暇により訪日需要の高まりがみられた市場が前月から大きく拡大し、2ヶ月連続で単月として過去最高を記録しました。また、2024年1月から7月までの累計は約2,106万人となり、過去最速で2,000万人を突破しました。

出典:日本政府観光局(JNTO) 日本の観光統計データを参考にアウンコンサルティングで加工

 国・地域別では、1位中国77万人(2019年同月比▲26.1%、2023年同月比+147.8%)、2位韓国75万人(2019年同月比+34.9%、2023年同月比+20.9%)、3位台湾57万人(2019年同月比+24.5%、2023年同月比+25.4%)となりました。中国が1位となるのは2022年10月の水際措置の緩和以降で初となり、地方路線を含む増便等の影響もあり、中国からの観光客も回復傾向にあります。

出典:日本政府観光局(JNTO) 日本の観光統計データを参考にアウンコンサルティングで加工

【言語別・文字別】訪日外国人客数

 2024年7月に日本を訪れた訪日外客数を使用言語別にみると、北京語(中国)を使用する旅行者が最も多く、77万人が訪日しました。次いで、韓国語75万人、中国語(台湾)57万人、英語46万人となりました。また、使用文字別にみると、繁体字(台湾・香港)85万人が最も多く、次いで、簡体字(中国)77万人、ハングル(韓国)75万人、英語46万人となりました。
 近隣国・地域からの訪日旅行者は気軽に日本を訪れることができる反面、滞在日数が短く、日本旅行中に消費する額も少なくなる傾向があります。一度日本を訪れた繁体字やハングルを使用する旅行者をリピーターとして再訪を促進していくためには、これらの言語に特化した観光案内サービスやパンフレットの提供、観光アプリやウェブサイトの充実により訪日旅行者の満足度を向上させることで、再訪の意欲を高めていくことが必要不可欠です。

出典:日本政府観光局(JNTO) 日本の観光統計データを参考にアウンコンサルティングで、訪日外国人が使用している言語別・文字別に訪日客数を集計し加工

 以下のグラフは、2023年8月~2024年7月の文字別の訪日外客数の推移です。
簡体字(中国)においては、2023年8月に団体旅行が解禁されたものの、東京電力福島第一原子力発電所の処理水放出の影響や、中国経済の減速もあって回復は鈍化していましたが、日本への直行便数は前年同月を上回っており、回復傾向にあります。
英語圏においては、春の桜シーズンによる訪⽇需要の高まりに加え、イースター休暇が3月下旬から始まったこともあり、3月は他の月に比べて訪日外客数が増加する傾向にあります。

出典:日本政府観光局(JNTO) 日本の観光統計データを参考にアウンコンサルティングで、訪日外国人が使用している言語別・文字別に訪日客数を集計し加工

台湾における「日本の47都道府県」検索数ランキング

 2019年に台湾からの訪日旅行者は489万人を突破しました。新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、一時は5,000人まで減少していましたが、2023年にはコロナ禍前の約8割まで回復し、2024年7月には単月として過去最高を記録しました。
 以下の表は、2023年8月~2024年7月に台湾において、「日本の都道府県+旅行」の検索数をまとめたものです。台湾からの検索数が最も多かったのは北海道、次いで沖縄となりました。
 コロナ禍前から台湾での北海道人気は継続しており「北海道旅行」の検索数が他に比べて圧倒的に多い結果となりました。特に10月の検索数が多く、冬のシーズン到来に向けて、北海道に関する情報収集を行っていることが推測されます。1年中温暖な気候で冬らしい冬を感じられない台湾人にとって、北海道の雪景色やスキーなどのアクティビティ、自然豊かな大地でとれる食材、旭山動物園などの観光地が人気の理由にあげられます。コロナ禍前の2019年5月に当社が実施した【世界13カ国の親日度調査 vol.2】において、「今後行きたい観光地はどこですか?」の問に対して、台湾の1位は「北海道」となりました。コロナ禍前から台湾での北海道人気が継続していることが分かります。
 沖縄においては、台湾から隣接し、1時間30分程度のフライトで手軽に日本とリゾートを楽しめるため、安定した人気があります。台北桃園~那覇間の増便や、クルーズ船の寄港回数も増え、空路及び海路の便が良くなったことが人気の要因であると考えられます。また、台湾の東海岸にある台東は、海や山に囲まれた自然豊かな観光スポットとして有名ですが、台北や高雄からのアクセスは不便であり、人気であることから電車や飛行機のチケットを購入するのが困難なため、台東と同じような環境でアクセスがしやすく、ダイビングやマリンスポーツといったアクティビティから、美ら海水族館のような観光地を楽しめることが人気の要因であると考えられます。
 検索数7位の熊本県においては、半導体受託生産の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)が進出したことにより、熊本県への関心が高まっています。航空会社2社が熊本と台北を結ぶ定期便を新規就航した2023年9月、台湾積体電路製造(TSMC)と同社子会社のJapan Advanced Semiconductor Manufacturing(JASM)が熊本県菊陽町に建設した第1工場の開所式を開催した2024年2月の検索数が増加しています。また、熊本県のPRキャラクター「くまモン」は、台湾をはじめアジア各国でも人気を集めており、黒川温泉や阿蘇山などの自然景観の魅力とあわせ、今後も台湾からの観光客が増加することが予想されます。
 8位の富山おいては、台湾からの観光客が最も多く、2023年の都道府県別延べ宿泊者数は全体の3割を占めています。「立山黒部アルペンルート」は台湾人にも人気が高く、迫力ある自然景観や四季折々の美しい景色、日本一の高さを誇る黒部ダム、雪の壁などが魅力の一つとなっています。富山県では「2019 日台観光サミット in 富山」を開催し、自然環境の保全と持続可能な観光交流を目指す「日台観光サミット 富山宣言」が合意され、台湾からの今後一層の誘客や、開催を契機とした双方向の交流を促進するための様々な分野での関係強化が図られています。

【 Google AdWords検索数 】

※Google AdWords キーワードプランナーツール利用による検索数データ

 2024年6月に当社が実施した【2024年世界14カ国・地域の親日度調査】において、「日本旅行で不安なこと」の1位は「店員との会話が通じない」でした。日本人は多言語でのコミュニーケーションに苦手意識を持つ方が多いからこそ、言語に特化した観光案内サービスやパンフレットの提供、観光アプリやウェブサイトの充実により訪日旅行者の満足度を向上させることが必要不可欠となります。
 インバウンド市場は右肩上がりで急回復を遂げ、回復から成長の段階に入っています。訪日客創客のためには、対象国・地域の言語や文字の特性を活かしたプロモーションが重要となります。昨今、SNS等のメディアの増加だけでなく、生活様式や消費行動、マーケティング環境の変化もあり、マーケティング手法が多様化したこと、また、検索行動もこれまでの「ググる」からSNSでのハッシュタグ検索「タグる」へ変化しており、ターゲット層にあわせたマーケティングが必要となります。当社もインバウンドマーケットの成長に少しでも貢献できるよう、尽力してまいります。

【調査主旨】
使用言語・文字別に見る訪日外国人客数
台湾における日本の47都道府県に関する年間の検索トレンド

【調査要綱】
調査日:2024年8月21日
調査対象時期:2023年8月~2024年7月

参照データ:
日本政府観光局(JNTO)日本の観光統計データ
https://statistics.jnto.go.jp/
日本政府観光局(JNTO)訪日外客数・出国日本人数データ
https://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/visitor_trends/

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