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    2023.03.02

中国向けSEO

海外プロモーションを考える時、インバウンド・アウトバウンド問わず、多くの企業様が対象国に中国を含めます。SEOについても、これまで多くのご相談を頂いておりますが、中国という国自体のインターネット環境、検索エンジン環境がかなり特殊です。
事前に確認しておかなければならないものや知っておくべき知識があります。
今回は中国でSEO施策を検討する際に知っておくべき情報をまとめましたので、今後検討される際の知識としてご一読ください。

目次

そもそも海外向けSEOとは?

海外向けSEOとは、「google.co.th」や「google.com.vn」などの海外での検索エンジン且つ対象エンジンのメイン言語(多言語)で検索した際に自然結果の上位表示されるように(*1)、ウェブサイトの構成や記述などを最適化する調整することです。
*決して自然検索結果の上位に表示されることだけがSEOではありません。

海外向けのSEOと国内向けSEOの違い、注意すべきポイントとしては、基本的なSEO対策に加えて各国特有の「検索エンジン特性」「インフラ環境」「言語」「法規制」に考慮する必要があるところです。

▼こちらの記事では、これらの特徴について解説しています。

中国の検索エンジンシェア

ご存知の方も多いと思いますが、中国の検索エンジンは他国とは違い独自の進化を遂げています。
検索エンジンシェアは以下の通りとなっています。

2021年中国の検索エンジンシェア推移

引用:https://gs.statcounter.com/search-engine-market-share/all/china#
   2021/11~2022/11 の 検索エンジンシェア推移(PC、SP、TB等全て含む)

最もシェアが多いのが中国独自の検索エンジンであるBaidu(百度)で、64.6%、続いてシェアが増加してきているのが、Bing12.55%、そしてこちらも中国独自の検索エンジンであるSogou(捜狗)10,14%と続いています。

ちなみにコロナ禍前(2019年時点)では下記のようなシェアとなっていました。

2019年中国の検索エンジンシェア推移

引用:https://gs.statcounter.com/search-engine-market-share/all/china/
   2019/1~12間の検索エンジンシェア推移(PC、SP、TB等全て含む)

Baiduが67.09%と最もシェアが多いことは変わりませんが、この時点ではSogouが次点であり、18.75%のシェアとなっていました。Bingは2019年にはシェアとしての数値すら入っておらず、台頭してきたのはここ2年ほどのことです。
今後も市場変化していくことが想定されますので、随時情報を得ていた方がよいでしょう。

ちなみに当社では下記のようなデータも定期的に発表しおりますので、ご確認ください。

参考 世界40カ国、主要検索エンジンシェア【PC、モバイル】

Baiduについて/GoogleSEOとの違い

前述の通り、中国国内ではBaiduが最も多くのシェアを獲得しているため、中国でSEO施策を実施する場合にはBaiduへの施策をメインに考える必要があります。
何度もお伝えしている通り、Baiduは中国で独自に開発された検索エンジンです。
ですので、世界中で最もシェアの高い検索エンジンであるGoogleとはまた違った対応が必要となってきます。
とはいえSEOの基本的な考え方に大きな違いはありませんので、構える必要もありません。
metaタグの記載やh1タグの記載、コンテンツとキーワードの関連性など、根本的なSEO施策を実施するイメージです。
以前にも弊社コラムで紹介している内容ですので、詳細については下記リンクよりご確認ください。

参考 Baidu SEOとGoogle SEOの違いとは?

Baidu対策の注意点

BaiduのSEO施策自体は、Googleの施策とは変わらないものの、その前段階でかなり重要な確認事項が2つあります。
それは、「サイト公開までのプロセス」と「どのようにして中国ユーザーにサイトを閲覧してもらうか」です。

注意点その1:インフラ環境
・WEBサイトを国が監視する「グレートファイヤーウォール」
 グレートファイヤーウォールとは、中国本土のインターネットにおける大規模検閲システムのことです。国民に対し、中国国内の政府(中国共産党を主とする)が都合の悪い情報を閲覧できないようにしています。このシステムは金盾(きんじゅん)とも呼ばれています。
なお、対象とされるのは中国本土のみとなり、特別行政区である香港とマカオには適用されていません。

主に監視対象とされているのは、政治的な問題をとりあげたり中国政府の批判をしているサイトやポスト、国際的なニュースや報道関連のWEBサイト、米国初のSNSや検索サイト(FacebookやTwitter、Google等)、アダルトサイトなどです。

仕組みとしては、DNSによるアクセス制御からはじまり、IPアドレスを直接入力するなどしても、接続先を政府がブロック対象としていた場合サイトへアクセスできません。
また、接続の際に監視対象とされるカテゴリに含まれるキーワードが含まれる場合そもそもアクセスが遮断されます。
しかし、上記の問題が全てクリアしていたとしても、3万人いると言われる中国のインターネット警察や間システムによって閲覧に制限がでる可能性があります。

・WEBサイトを認識させるために必要なICP登録&中国サーバー
 グレートファイヤーウォール以外にも、中国では独自の制度が存在します。そのひとつが「ICP登録」です。ICPとはInternet Content Providerの略です。中国の場合、WEBサイトを開設する時にはICP登録をして、誰が管理人なのかを中国当局に届け出る必要があります。
この登録には企業情報などが必要になりますが、最低でも中国国内に支社が存在する必要があり、ただ簡体字ページを作成しただけでは登録は難しいでしょう。
特にECサイトなどは、通常のICP登録よりも厳しい精査をされるため、ほとんどの外資系企業の登録は不可能であると言われています。
ただし、Baiduの検索結果にサイトを表示させるというだけであれば、ICP登録は必須ではありません。
しかし、Baiduに評価されるためには、ICP登録時にも確認される通り、中国国内にサーバーを設置していることが重要となります。Baiduの検索結果は、Googleのようにサイトへのアクセススピードなどが評価項目に含まれているため、海外サーバーのWEBサイトはアクセススピードが遅くなり、評価が低くなる傾向があります。
そうなると、中国国内のサーバーを利用するのがベストであるということになります。

・中国系サービス以外のタグ利用の注意
グレートファイヤーウォールの項目でも説明している通り、中国本土では米国初のFacebookやGoogleといったWEBサイト  へのアクセスが制限されています。
しかし日本をはじめとした多くの国では、GoogleやFacebookはWEBプロモーションする上でもよく利用されており、WEBサイト上には関連するタグが埋め込まれています。タグが埋め込まれているだけでアクセス制限対象とされることは今のところなさそうですが、表示スピードが遅くなるなどの影響がでている傾向があります。

中国本土では利用できないサービスのタグが含まれるWEBサイトは、なんらかの影響があると想定されるため注意が必要です。

注意点その2:Baidu統計の利用

前述した、タグ利用の注意を読むと、「ではアクセス数などはどうやって計測したらいいの?」と思われる方もいると思います。

BaiduにもGoogle Analyticsのようなツールがあります。「Baidu統計(百度统计)」です。

Baidu統計

引用:https://tongji.baidu.com/web5/welcome/login

アカウント登録をして、サイト内にタグを設置することでGoogle Analyticsと同じようにサイトのアクセス解析が可能となります。
簡体字サイトを作成したら、Googleタグではなく、Baiduタグの設置するとよいでしょう。
現段階でGoogle等のタグを設置して中国国内へWEBサイトを公開している場合、このタグの改善だけでサイトへのアクセススピードが改善する可能性もあります。

注意点その3:言語特性(中国語/簡体字)

基本的に、中国本土では「簡体字」が使用されています。広東語や上海語地域でも、文字は簡体字を使用しています。
そもそも中国本土は、北京方言を元にした中国語の普通話が公用語です。その他、広東語、上海語、福州語、客家・台湾語、シャン語、ガン語、客家方言のほかチワン語、モンゴル語、ウイグル語、キルギス語、チベット語など少数民族の言語を公用語とする地域もありますが、基本的には中国語=簡体字として認識して良いでしょう。
Baiduを使用する際、中国本土では文章で検索することもありますが、基本的に単語の組み合わせで検索をします。ただし、繁体字を主に使用している香港・台湾の検索傾向とは異なり、単語の間にスペースは使用しないことが多いです。​下記の百度検索指標の通り、スペースの有無で​大きな検索数の差があることがわかります。

Baiduにおける検索数抽出結果

引用:Baiduにおける検索数抽出結果より
   弊社独自取得によるデータ

SEO施策をする際には、キーワードがかなり重要となるので、中国本土の言語特性についてもきちんと理解しておくことが重要です。

弊社が提供する海外SEOサービス

多数の海外拠点を有し、海外向けSEO・Webプロモーション実績世界48カ国2000社以上。
わたしたちは、インターネット黎明期に法人設立し、1999年にSEOを事業化、その後世界各国に複数の拠点を有し、SEOを含むデジタルプロモーションの実績は国内外合わせて48カ国2000社以上となります。
この豊富な実績から得た経験とノウハウを活かし、お客様に最適なご提案をさせていただきます。

▼当社の海外向けSEOサービスはこちら

まとめ

以上がBaiduで行うSEOの基本情報です。

ただ、この内容を読んだだけで施策を実施することは難しいでしょう。
ICP登録や中国サーバーを使わずとも、中国国内でWEBサイトを公開し、プロモーションを行う方法もあります。今回はあくまでも“通常の進め方であれば、こういうものが必要ですよ”というような内容ですので、ご留意いただければと思います。

他の国、地域でも日本国内のSEO施策と違う点はいくつもありますが、特に中国向けSEOは下準備と細かい配慮が必要です。
ご興味あれば、まずは自社のみで進めるのではなく、ぜひ当社へご相談ください。

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