中国のマーケティング・ソリューション会社、Dragon Trail International (龍途国際)が、中国版 Instagram と呼ばれる「小紅書(RED)」での旅行に関する年間ランキング・レポートを発表しています。
米国の TikTok 禁止騒動の影響で、代替アプリとして、急激にユーザー数を増やした小紅書(RED)ですが、2024年第4四半期は、ERPF(SNS投稿へのフォロワーエンゲージメント率)は、旅行関連では全てのカテゴリーで前年同期より低くなっています。
投稿数とユーザー数は増えましたが、エンゲージメントの少ないユーザーが増えたことにより、投稿一つ一つへのインタラクションが希釈されてしまったことが要因です。しかし、オーストラリアや香港の政府観光局公式ウェブサイトや、キャセイパシフィック航空、シンガポールのマリーナベイ・サンズホテルなど、旅行業界のリーディング・ブランドは、高いエンゲージメントを維持していることから、高品質でインタラクティブなコンテンツが、エンゲージメントを支えるということがわかります。
2024年第4四半期、政府観光局(NTOs:National Tourism Organization)は、フォロワー数が 62.65% 増加しましたが、ERPF は、同比 16% 減少しました。
2024年、NTO 年間ランキングでは、オーストラリア政府観光局公式ウェブサイトが、78,006 インタラクションと同カテゴリーの総エンゲージメントの 38.20% を占め、首位でした。
中国の人気俳優、ユー・シー(于适)がオーストラリアのクイーンズランドを訪れるコンテンツが、バイラルコンテンツとなり、高いエンゲージメントを獲得しました。オーストラリア政府観光局はこれまで、風光明媚な風景や野生動物などが中心で、有名人関連のコンテンツはあまり重視されていませんでした。
国全体ではなく、特定の地域や都市の観光組織、DMO(Destination Marketing Organization:観光地域づくり法人)のランキングでは、香港政府観光局が、同カテゴリーのほぼ半数のインタラクションを得て首位でした。
海外ホテルランキングでは、シンガポールのマリーナベイ・サンズが、カテゴリ全体の約半数のエンゲージメントを占めるという圧倒的なシェアで首位です。これは、微博(Weibo)でも同様でした。
同カテゴリ内で最も人気のあった小紅書ポスト・トップ 20 のうち 15 の投稿が、マリーナベイ・サンズの投稿で、有名人の出演や、中国の人気動画配信サービス、テンセントビデオのオールスターアワード(腾讯视频星光大赏)などのエンターテイメント・イベントが、高いエンゲージメントを獲得しました。
【出典元】※1 2024 Full-Year Xiaohongshu/RedNote Rankings Report – Dragon Trail International