MFAサイト(Made for Advertising)とは、その名の通り“広告のために作られた”サイトを指します。主目的は広告収益の最大化であり、コンテンツやユーザー体験よりも広告表示・クリック数を優先して設計されています。典型的には以下のような特徴があります。
・ページ全体に広告枠が過剰に配置されている
・コンテンツの独自性が乏しく、低品質なまとめ記事が多い
・無限スクロールや誤クリックを誘発するレイアウト
こうした特徴を持つサイトは、広告主にとって費用対効果を下げるリスクがあります。
P-MAXキャンペーンに限らず、ディスプレイネットワークを含む自動配信型キャンペーンでは、MFAサイトへの広告配信を完全に避けることは困難です。MFA露出が増加すると、以下のような影響が発生します。
MFAサイトにはボットが組み込まれているケースが多く、広告をクリックすることで無効クリックが発生します。さらに、問い合わせフォーム経由でスパム送信が行われ、コンバージョン指標が不自然に水増しされる場合もあります。こうした要因によって、広告の実際の成果が正しく反映されず、改善施策の精度が低下する可能性があります。
不正クリックによって広告費が消費される一方で、実際のユーザー獲得にはつながりません。その結果、コンバージョン率は低下し、CPAは上昇します。費用対効果の面で深刻な悪影響を及ぼす点が課題です。
クリック数だけが不自然に増加することで、CTRやコンバージョン率などの主要指標が誤って評価される場合があります。さらに、自動入札戦略やP-MAXのアルゴリズム学習にもノイズが混入し、最適化が意図しない方向に進むリスクが生じます。
MFAサイトはオーガニック検索から自然流入することがほとんどないため、ブランド毀損のリスクは限定的です。そのため、課題の本質は、広告費の浪費と効果測定の不正確さにあるといえます。
MFAへの配信を完全に排除することは難しいですが、Google広告の管理画面でプレースメントレポートを確認し、低品質なサイトへの配信を除外することが重要です。
1.広告管理画面でP-MAXキャンペーンを選択します。
2. 左側のタブで「分析情報とレポート」→「レポート エディタ」を順にクリックします。
3.「P-MAXキャンペーンのプレースメント」をクリックします。
4.インプレッション数を基に、低品質なプレースメントを特定します。
1.[ツールと設定]→[共有ライブラリ]→[プレースメント除外リスト]を選択
2. 新しい除外リストを作成し、除外するURLやアプリを入力
3. 複数ある場合は一括登録し、アカウント単位で適用
こうした運用を定期的に行うことで、広告費の浪費を防ぎつつ、P-MAXの最適化を正しい方向に導けます。
MFAサイト経由では、不正クリックに加えて、問い合わせフォームへのスパム送信やボットによる自動入力が発生することがあります。これらは広告効果の指標を歪める原因となり、適切な評価や改善の妨げとなります。そのため、フォームの安全性を高める仕組みを導入することが重要です。
Google reCAPTCHAは、ボットによる不正なアクセスや送信を判別し、正規のユーザーからの送信のみを許可する仕組みです。導入することで、スパム問い合わせや自動送信を大幅に抑制することが可能になります。
具体的には以下のような方法があります。
チェックボックス形式で「私はロボットではありません」と確認させる仕組み。ユーザーにとってわかりやすく、一般的に利用されている方式です。
ユーザーの行動データをもとにスコアを算出し、ボットかどうかを自動で判定する方式。ユーザー体験を妨げずに導入できる点が特徴です。
フォーム送信の履歴やアクセス元IPのログを確認することで、不審な送信を検知・排除する補完的な対策として有効です。
これらを組み合わせて運用することで、スパム送信を抑制し、正確な効果測定を維持することができます。
MFAサイトはブランド毀損リスクよりも、広告費の浪費・数値の歪み・最適化阻害が最大の課題です。広告主にとっては、正確な効果測定と投資効率を守るために、以下の実務的対策が不可欠です。
・プレースメントレポートを定期的に確認し、成果の乏しいサイトを除外
・除外リストを更新してアカウント単位で管理
・フォームにreCAPTCHAを導入し、スパム送信や偽コンバージョンを防止
これらを継続的に実行することで、P-MAXを含む自動配信キャンペーンのパフォーマンスを安定的に改善することができます。