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  • 公開日:2026.03.03

韓国の検索エンジンシェアとプロモーション戦略

韓国のデジタルマーケティング市場において、検索エンジンを中心としたプロモーションは事業展開の土台となります。韓国市場は独自のプラットフォームが深く根付いており、現地のユーザー行動に即した戦略が求められます。近年は主要検索エンジンであるNAVERやGoogleのシェア変動に加え、DaumやNATEといった従来型ポータルサイトの立ち位置も変化しています。本稿では、韓国の検索エンジンシェアの現状とプロモーション戦略を解説します。

1. 韓国の検索エンジンシェア

韓国の検索エンジン市場は、長らく続いた国内プラットフォームの単独優位から、外資系エンジンとの二強体制、および各ポータルの役割の細分化へと移行しつつあります。

NAVER(ネイバー)

韓国の検索市場において長年圧倒的な首位を維持してきた、国内最大のポータルサイトです。単なる検索機能にとどまらず、ニュース、ブログ、ショッピング、カフェ(コミュニティ)、Knowledge iN(知識iN・Q&Aサービス)などの多様な自社サービスを統合したプラットフォームとして機能しています。日常的な情報収集や商品の比較検討において、依然として強固な基盤を持っています。

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Google

グローバルスタンダードの検索エンジンであり、調査によってはNAVERと拮抗する水準まで伸びているなど、近年韓国市場で急速にシェアを拡大しています。若年層を中心とした利用拡大や、PC環境での専門的な情報検索、生成AIを活用した機能の普及がシェア上昇の要因となっています。

Daum(ダウム)

NAVER、Googleに次ぐ第3の検索エンジンであり、国民的コミュニケーションアプリ「KakaoTalk(カカオトーク)」を運営するKakao社が提供するポータルサイトです。かつてはNAVERに次ぐシェアを誇っていましたが、現在のシェアは限定的であり、主に40代から50代以上の年齢層に利用が偏る傾向にあります。

NATE(ネイト)

過去に普及したSNSとの連携で利用者を伸ばした時期もある第4のポータルサイトです。現在の検索エンジンシェアは1%未満であり、検索用途での利用はごくわずかです。一部のユーザーが独自のニュースコンテンツやメールサービスを利用する目的に留まっています。

2. 韓国ユーザー特有の検索行動

韓国のユーザーは、検索意図に応じて複数のプラットフォームを使い分け、企業発信の情報よりもコミュニティ内の実際の体験談を重視する傾向があります。

検索意図によるプラットフォームの使い分け

韓国のユーザーは単一の検索エンジンに依存せず、目的によってツールを切り替えます。ニュースや天気、生活情報、ショッピングの比較検討にはNAVERが利用されます。一方、IT関連の専門知識や海外の論文、エラーの解決方法など、客観的な事実や専門性を求める場面ではGoogleが選択されます。また、10代から20代の若年層を中心に、最新のカフェやファッションのトレンドはInstagramで画像検索を行い、家電のレビューやメイクのハウツーはYouTubeで動画を検索するといった行動が定着しています。

口コミ重視とコミュニティでの情報収集

現地のユーザーは企業が直接発信する公式情報に対する警戒心が強く、実際の購入者や体験者の生の声を重視します。そのため、NAVERの検索結果においても、公式ウェブサイトよりNAVERブログのレビュー記事や、NAVERカフェ、Knowledge iNの回答が熟読される傾向があります。一般消費者を装った宣伝記事を見抜くリテラシーも高いため、リアルな体験に基づいた情報発信が求められます。

ハングルの言語的特性と検索クエリ

韓国語の検索キーワードを選定する際は、スペースの有無が検索ボリュームや検索結果に直接影響を与えます。同じ意味の言葉でも、スペースを入れるか入れないかで検索回数や競合の表示状況が異なります。また、日常会話で使われる略語や、トレンドを反映した新造語を頻繁に検索窓に入力するため、辞書通りの直訳ではなく、NAVERデータラボなどの分析ツールを活用し、生の検索クエリを把握することが実務上の前提となります。

3. 韓国市場向けプロモーションの戦略的アプローチ

独自の検索習慣やプラットフォーム文化を考慮した際、プロモーション設計において検討すべきポイントを整理します。

SEO

韓国でのSEOは、Google向けの公式サイト最適化を軸に据えつつ、商材特性に応じてNAVER上での接触機会の作り方も含めて設計することが重要です。

対象エンジンの優先順位と役割分担

BtoB商材や専門知識など、情報の比較検討が公式ウェブサイト上で完結しやすい領域では、Google向けのSEO対策を主軸に据えることが合理的です。一方、化粧品や食品など、口コミやコミュニティの評価が意思決定に直結する商材においては、NAVER内での露出設計も同時に検討する必要があります。

NAVERの検索結果画面は検索意図に応じて表示枠が動的に変動するため、公式ウェブサイトの順位を上げるだけでは、ユーザーの視界に入る面積を担保することに限界があります。そのため、Google向けには自社ドメイン内に専門的なコラムや解説記事を蓄積し、NAVER向けにはNAVERブログやカフェ等のコミュニティで参照されやすい情報を展開するなど、検索エンジンごとにコンテンツの役割を明確に分けて運用することが有効です。

「スマートブロック」を意識した外部ドメイン活用

NAVERの検索結果は、ユーザーの検索意図に合わせてブログやカフェなどの表示枠(スマートブロック)が動的に変動します。自社サイトの順位向上だけを追うのではなく、現地の有力なブログやニュースメディアなど、外部プラットフォーム内での言及を増やし、検索結果の面を確保する視点が有効です。

リスティング広告・ディスプレイ広告

NAVERのパワーリンク広告やGoogle広告をメインに据えるのが一般的ですが、ターゲット属性や商材によって媒体を使い分ける視点が必要です。

ターゲット層による媒体選定

BtoB企業や専門知識を求めるビジネス層へ情報を届ける場合は、Google広告への予算配分を高めることが推奨されます。一方、BtoC商材やショッピングでの比較検討を促す場合は、依然としてNAVERの検索広告が高い視認性を持ちます。また、40代以上の層をターゲットとする場合や、NAVERのクリック単価が高騰している領域においては、Daumへの配信が補完的な役割を果たします。

訴求とキーワードのローカライズ

韓国語の検索クエリは、単語の分かち書きや日常的に使われる略語によって検索ボリュームが大きく変動します。翻訳ツールによる直訳の広告文やキーワード設定を避け、NAVERデータラボ等を活用して実際の検索行動に基づいたローカライズを行うことが、クリック率の低下を防ぐ条件となります。

UGC(ユーザー生成コンテンツ)およびコミュニティ活用

韓国のユーザーは、企業が発信する公式情報よりも、実際の体験談やコミュニティ内の口コミを重視して情報の真偽を確かめる傾向があります。

指名検索に合わせたコンテンツの蓄積

ユーザーが「ブランド名 + 口コミ」や「商品名 + レビュー」で検索した際に、NAVERブログやNAVERカフェの有力な記事が検索結果に並んでいる状態を目指します。公式サイトだけでは解決しない実際の使用感や他社との比較という疑問に対し、第三者のリアルな声をWeb上に点在させておく手法が考えられます。

コミュニティ内での話題性の創出

韓国特有のコミュニティ文化(NAVERカフェやKnowledge iNなど)において、自然な形での体験談や議論が発生するよう、現地のパワーブロガーへのレビュー依頼やサンプリングを通じた語られるきっかけを設けることも一つの選択肢です。これにより、検討フェーズのユーザーが目にする情報の客観性が高まり、最終的な意思決定の判断材料となります。

ローカル検索およびバーティカル検索の最適化

実店舗への集客やECでの販売拡大を目的とする場合、テキストベースのウェブ検索だけでなく、地図検索やショッピング検索といったバーティカル検索面への対応が事業成果に直結します。

NAVERスマートプレイスを活用した地図検索対策

美容クリニック、飲食店、小売店など実店舗への送客を狙う場合、韓国内ではGoogleマップよりもNAVER MapやKakao Mapの利用が主流です。NAVERの「スマートプレイス」へ店舗情報を登録し、NAVER予約と連携させることが基本となります。また、実際に訪問したユーザーによるレビューの蓄積が、地図検索上での表示順位やユーザーの来店動機に強く影響します。

NAVERショッピングへのデータ連携

ECを展開する場合、NAVERの検索結果における「ショッピングブロック」での露出が売上を左右します。自社ECサイトのSEOだけでなく、NAVERショッピングのシステムへ商品データを連携し、NAVER Payを導入することが、表示アルゴリズムへの最適化およびユーザーの購買障壁を下げるための要件となります。

動画プラットフォームとの連動

10代から20代を中心とした若年層は、YouTubeを主要な検索エンジンとして利用しています。さらに、GoogleやNAVERの検索結果にも動画枠が大きく表示される仕様となっています。ブログや自社サイトといったテキストコンテンツだけでなく、商品の使用方法を解説するハウツー動画や、現地のクリエイターによるレビュー動画を制作し、YouTube内検索やSERPの動画ブロックといった動画検索の面での接触機会を確保する視点も求められます。

4. よくある質問

ターゲット層や商材によって異なります。化粧品やアパレルなどBtoCの要素が強く、口コミやビジュアルが重視される商材であれば、NAVERブログやショッピング検索での露出を優先します。一方、BtoB向けの商材や専門的な技術情報を提供する場合は、Googleの検索ボリュームが増加する傾向にあるため、公式ウェブサイトのGoogle向けSEO対策に注力することが有効です。予算に応じて双方のプラットフォームを並行して運用することが理想的です。

初期段階での優先度は低くなります。基本的にはNAVERとGoogleの2社で韓国の検索トラフィックの大部分をカバーできるためです。ただし、DaumはKakaoTalkの広告システムと連動しているため、40代以上のユーザー層に絞って配信を行う場合や、NAVER広告のクリック単価を抑えたい場合に、補完的な位置づけとして予算の一部を割り当てる運用が行われます。NATEに関しては、個別の検索連動型広告を出稿するよりも、ディスプレイネットワークの配信先の1つとして扱うのが一般的です。

日本の法人がNAVERの広告アカウントを開設する場合、事業実態を証明する履歴事項全部証明書(登記簿謄本)などの法人確認書類と、それを韓国語または英語に翻訳した書類の提出が求められます。広告費用の決済設定や管理画面の操作は原則として韓国語で行われるため、現地の言語に対応できる体制の構築、もしくは韓国のデジタルマーケティングに精通した現地代理店との連携が必要となります。

5. まとめ

韓国の検索市場は、NAVERとGoogleが並立する過渡期にあり、DaumやNATEといった従来のプラットフォームは特定の年齢層やネットワーク広告の配信面としての役割に移行しています。ユーザーは検索意図に応じてプラットフォームを使い分け、コミュニティの口コミや分かち書き・略語を用いた独自の検索行動をとります。プロモーションにおいては、NAVERのスマートブロック仕様を理解した多様なコンテンツ展開と、Googleの標準的なSEO要件を満たすことがトラフィック獲得の条件となります。プラットフォームごとの仕様や現地トレンドの変動を継続的に観測し、適切なチャネル選択と予算配分を行うことが今後の課題となります。

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