こんにちは!こちらの記事では9月11日(金)に開催したオンラインセミナー第2部 「台湾の越境EC事情について」を解説していきます。
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1.台湾マクロ環境
2.台湾越境ECのWEBマーケティングについて
まずは、簡単なマーケットの概要をご紹介いたします。
人口は2,376万人、ネット人口は2,200万人で、ネット普及率は93%と日本と変わらないレベルとなっております。
カードの普及数は4000万枚以上と多いものの、台湾は世界屈指のコンビニ大国で、越境ECマーケットにおいてはコンビニ決済が多く利用されています。
主要検索エンジンはGoogleで、主要SNSがはFacebookとなっております。
以下はECのマーケット推移を表したグラフです。
少し古い資料となりますが、ECのマーケット規模は年々右肩上がりに増加傾向にあります。
以下は越境ECの購入カテゴリーです。
多いのは「衣類・アクセサリー」、次いで「ホテル予約・航空券」などのOTA、家電、書籍、化粧品と続いてきます。
カテゴリーの傾向はアジア各国のトレンドとほとんど同じで、日本製品に対しても同様のニーズがあると考えています。
主要のECサイトTOP3は以下のとおりです。
最もユーザーが多いのは「Shopee」です。こちらのサイトは台湾のみならず、東南アジアでも多くのユーザーを持っております。
検索エンジンシェアについては近年、台湾でもモバイルの検索が増えており、Googleが9割以上のシェアを占めております。
一方でYahoo!はポータルサイトとしての機能も持っているため、各カテゴリに対してトラフィックが集まっている状況です。
主要SNSについては、YouTube、Facebook、LINEがTOP3を占めています。
LINEは日本のイメージが強いですが、台湾でもユーザー数は人口の7割を占めており、Webプロモーションに適していると言えます。
情報収集サイトについては、以下のとおりです。
台湾固有のサイトでは「Pixnet.net」、ECモール系だと「pchome.com.tw」などがトラフィック上に入ってきています。
Pixnetとはブログサイトです。台湾では商品の比較サイトなどが少ないため、このようなブログサイトを活用して商品情報を得ています。
こちらはpttという台湾最大の掲示板で、日本で言う2チャンネルのようなものです。
以上のことを踏まえて、台湾越境ECのWebマーケティングについてご紹介いたします。
越境ECの実施方法は2つあり、Shopeeなどの現地ユーザーの多いモールに出店する方法と、自社で繁体字のサイトを作成し、プロモーションしていく方法があります。
参入障壁が比較的低いのは①のプラットフォームへの出店ですが集客についてはプラットフォームに依存する形となります。また、②のように自社で集客していく場合には、サイト構築などの手間がかかりますが、ブランディングができ、集客をプラットフォームなどに依存することもなく行うことができます。
こちらは各Webプロモーション手法です。
台湾と日本の違いは、アフィリエイトが根付いておらず、マーケットがまだ小さいことです。一方でインフルエンサー施策は手法として取り入れ得られている企業様は比較的多いです。
また、ECサイトにおいては以下の表の右上にあります、「実利優先・販売促進」向きのプロモーションが相性が良いとされています。
ターゲット層別に分けて考えると以下の通りとなります。
基本的には顕在層にリーチすることがベストですので、「SEO」「リスティング広告」「リマーケティング広告」が適しています。
また、認知度が低く、顕在層自体が少ない商品やサービスの場合は、潜在層に向けたプロモーションが必要な場合があります。その際には、「SNS広告」や「ディスプレイ型広告」などが効率よくアプローチができると考えいます。
なお、SNSに広告ではユーザー数の多いFacebookを活用されている企業様も多くいらっしゃいます。
台湾の一般的な広告メニューに関しては、Facebookを活用したプロモーションが最も多く利用されています。
広告にもならず、台湾ではチャットコマースも活発に行われています。Facebookのメッセンジャーやチャット機能を使い、ユーザーと接点を持つことで購入に誘導します。特に、台湾やタイ、ベトナムなどでこのような手法が使われています。この手法は、大型通販より単品通販向きです。
次いで、検索エンジンを活用した「PPC+SEO」の手法です。この手法はプル型で、言語セグメントできているので、販売促進観点では向いています。なお、商品認知がない商品やサービスよりも知名度があり、商品力のある企業様向きです。
また、ショッピング広告枠を活用したプロモーションも増えてきています。
最後にYahoo!です。Yahoo!は、検索シェアが落ちているものの、ポータルサイトとしては台湾最大です。インフィード広告枠などを有し、単品通販型向向きの手法です。
越境ECの接触チャネルについて、台湾は世界と比較すると「ソーシャルメディア」や「オンラインショッピングサイト」の割合が低く、「オンラインの口コミで知った」などが多い傾向にあります。これは先ほど紹介したブログが関係していて、ブログなどの口コミを見て購入検討するユーザーが多いことを表しています。
台湾の購入までのカスタマージャーニーは以下のとおりです。
特徴としては、やばりブログやSNS(Facebook・LINE)の利用が多く、これらの手法を活用してプロモーションをしていくことが必要です。
認知フェーズではYouTubeなどを取り入れることもおすすめです。
台湾固有の事象を紹介いたします。
台湾では、コンビニ払いの他にLINE Payの利用が増えてきています。決済手法の一つとしてこのようなキャッシュレス決済を導入することも流通を増やす上では重要な選択肢だと考えます。
台湾では、このようなキャッシュレス決済の利用が50%を超えており、今後も利用率は増えていくと考えております。
Yahoo!台湾では、コンテンツとしてBuyeeと提携しているものもありますので、このような手法を活用するのも1つの手です。
最後に今回のまとめとなります。
インフルエンサーが日本と比較して受け入れられ安い環境や、Facebookがプロモーションをする上で重要なプラットフォームであることを踏まえて販促活動を行いましょう。
また、越境ECをお考えの方は、まずはモールの出店や代理のサービスを利用し、様子を見てみることをおすすめします。
最後に、日系企業の進出状況では、美容品やサプリなどの単品通販のお客様が多い印象です。そのため、比較的この領域の親和性は高いのではないかと考えていますが、美容品やサプリは規制が厳しいため、事前の確認が必要です。