こちらの記事では7月9日(木)に開催したオンラインセミナーの内容をプログラムごとに解説していきます。
第五回目は「シンガポールのWebマーケティングトレンド」です。
※こちらのパートは現地責任者がシンガポール人のため、英語の資料をもとに解説しております。
そのため、資料画像が英語になりますことをご理解いただきたく存じます。
7月9日(木)開催 オンラインセミナーに関する記事はこちら↓
https://www.globalmarketingchannel.com/column/seminarreport0709
講師紹介
アジェンダ
シンガポールのマクロ環境
シンガポールのWebマーケティングトレンド
Covid-19現状
アウンコンサルティング株式会社
取締役副社長 菊池 明
略歴:2006年アウンコンサルティング入社。大手メディア、Eコマース、保険、人材業界など上場・大規模クライアントを中心に5年間一貫してSEMコ ンサルティングに従事。 特に販促観点でのプロモーションには定評有り。SEMグループのチームマネージャー、グループマネージャーを経て2010年4月よりタイ法人であるアウンタイラボラトリーズ株式会社のDirectorとして30名を超える現地法人の運営と現地スタッフの育成、売上拡大における販売戦略の立案と実行から顧客支援と全般業務を推進。
1.シンガポールのマクロ環境
2.シンガポールのWebマーケティングトレンド
3.Covid-19現状
こちらのセクションでは、シンガポールのWebマーケティングについて説明させていただきました。
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シンガポールの人口とインターネットユーザー数が以下の通りです。
人口が585万人と小さな国ですが、インターネットユーザー数は514万人で、インターネット利用率は8割ほどと高い水準です。
こちらは登録企業数です。シンガポールの登録企業数は36万社あります。人口に占める会社の登録数は日本の1.5倍と、非常に多いです。
また、日系企業の登録数は2780社で、世界的に見ても比較的に多い数です。
こちらはシンガポールの人口の増加状況です。緑色の65歳以上の方が多いことが分かります。比較的高年齢層が多い国で、人口動態的には日本に類似しており、高齢化社会となっております。
以下はデジタルマーケティングに関するデータです。
紙媒体などのマーケティング手法から、各国と同様デジタルマーケティングにシフトしていることが分かります。
実際の増減は、以下のグラフの通り、ニュースペーパーのマイナス値が目立つ一方で、デジタルのみが成長している状況です。
こちらは従来の広告とデジタル広告の比率を表すものです。
広告費全体の市場は1600億円ほど、うち500億がデジタルで、約30%がデジタルという状況です。
以下の表は国別のデジタル広告の比率です。シンガポールはデジタル広告の占める割合が全体の30%と、他国と比較して高い水準にあることが分かります。
日本においてもデジタル広告は30%ですのでシンガポールと同じ水準と言えます。
なお、シンガポールは2015年から2020年を比較してデジタル広告の比率が倍増しています。もともと国土が狭い先進国はデジタル広告よりも紙媒体などのリアル広告で十分プロモーションが行き渡る特性がありましたが、近年ではそういった国でもデジタルシフトが進んでいる傾向にあります。
こちらはインターネットユーザーの年代別のグラフです。
スマートフォンの利用率増加が起因し、若年層がボリュームゾーンとなっております。
以下の図のように、585万人の人口に対してインターネット利用者数は514万人と高い水準にあります。また、スマートフォンの利用者数は850万人ほどで、1人1.5台ほど持っている計算になります。
また、ソーシャルメディアの利用者数は460万人と、人口の8割を占める人が利用しており、非常に高い水準で、内訳として一番多いものはWhatsApp、Facebook、次いでTwitterの順で多い状況です。
WhatsAppは日本で言うとLINEのように使用されております。
以下はトラフィックを集めている人気のサイトです。
1位がGoogle、2位がYouTube、3位がFacebookと、世界のトレンドとほとんど同じです。
こちらはSNSの利用ユーザーの年代別分布です。
インターネットの利用率の分布とほとんど同じトレンドで、若年層がボリュームゾーンになっています。
以下のグラフは、利用率の高いプラットフォームの紹介です。
86%の方がYouTubeを利用しており、次いでWhatsApp、Facebook、Instagramという順にランクインしています。
こちらはシンガポールで人気の日本の旅行情報サイトです。
日本の旅行情報において、シンガポールではローカルメディアより日本が発信しているメディアの方が受け入れられています。
これらのメディアでは正確な情報、ブログや最新のニュースを発信しています。
こちらはシンガポールにおける新型コロナウイルス感染者の推移です。
シンガポールでは外国人労働者の感染者が急増しており、5月末までロックダウン状態でした。結果、5月の中旬から減少に転じている状況です。
新型コロナウイルスがシンガポールのビジネスに与えた影響については、日本を含む先進国のトレンドとほとんど同じで、オンラインショップの利用が増え、旅行や結婚式などの需要が低迷しました。
様々なビジネスがオンラインにシフトしている状況です。
新型コロナウイルスの影響を受けた業界は以下の通りです。
人の行き来ができないので旅行業界は大きな打撃を受けました。旅行客が月間で60万ほどマイナスに転じており、15~20万の方がすると予測されています。
コロナ禍におけるユーザーの行動については以下のとおりです。
世界的なトレンドと同様、オンラインサービス関連業界が成長しております。
また、保険の加入が30%増、リモートワークなど家で過ごす人が増えた結果、ゲームなどの業界も伸びていることが分かります。
こちらはデジタル広告費の変化です。
コロナ禍において予算を減らすと回答した企業は57%、変わらないと回答したのは32%となっております。
特に、予算を減らした業界は旅行・小売・イベント・ホテルなどで、一方増えている業界はEコマース・日用品関連です。
以下のグラフはユーザーの関心の変化を検索トレンドで分析したものです。
在宅ワークが進み、「PCモニター」「オンラインゲーム」の検索数が非常に伸びました。また、「エクササイズ」「筋トレ」など家でできるアクティビティへの関心が高まっています。
その他、ニュースや政治など、コロナ禍においてはトラフィックが伸びております。
また、金融系のトラフィックも非常に伸びています。
オンラインペイメント関連が42%、インベスト関連が約2倍増加しており、金融業が盛んなシンガポール市場の特徴が出る結果となりました。
その他、 は+268%と非常に伸びています。
一方、トラフィックが下がった業界は、旅行・ウェディングなどです。
コロナ禍で需要が高まっているビジネスについては以下の通りです。
1つめは小売業界です。様々な大手の小売業者がモールに出店するなど、オンラインシフトが目立っています。
また、以下のように飲み物だけを販売している会社が飲食店とコラボレーションして商品を提供する流れも増えてきています。
最後にアグリゲーションサイトのご紹介です。
情報をユーザーに届けるためのまとめサイトがシンガポールのメディアから誕生し、需要が伸びてきています。
コロナ禍においてシンガポール内のビジネスが大きく変わりつつありますので、マーケティングの手法としてもこのような変化に対応してアプローチしていけることが求められてくると考えます。