Webサイトの計測タグや広告タグをGTMで整備したものの、「本当に正しく動いているのか不安」「コンバージョンが取れていない原因がタグなのか判断できない」といった悩みは少なくありません。
こうした “見えないタグの動き” を可視化し、問題の有無をチェックできるのが、Googleが提供する無料ツール「Google Tag Assistant(タグアシスタント)」です。
ブラウザ上でページを開くだけで、GA4やGoogle広告、GTMなどのタグが正しく発火しているかを色分けで表示し、エラー内容や改善のヒントまで確認できます。
導入もChrome拡張機能を追加するだけと手軽なため、広告運用者やWeb担当者にとって、タグ検証とトラブルシューティングの“必須おともツール”と言える存在です。
Tag Assistantは、Googleが提供する無料のブラウザ拡張機能です。
Webサイトに設置されたタグ(GA4、Google広告、GTMなど)が正しく動作しているかを、リアルタイムで検証・診断できます。
Tag Assistantは「タグのデバッグツール」です。以下のような場面で活躍します:
・GTMで新しいタグを作成した直後の動作確認
・Google広告のコンバージョンタグが正しく計測されているか確認
・GA4のイベント計測が正常に行われているか確認
・問題発生時の原因特定
| ツール | 役割 | 実行者 |
| GTM | タグを「設定・管理する」 | マーケター・運用者 |
| Tag Assistant | タグを「検証・確認する」 | 誰でも簡単に利用可能 |
つまり、GTMでタグを追加した後、Tag Assistantでそのタグが実際に動作しているかを確認するという流れが基本です。
Tag Assistant Companion(旧版)は廃止され、現在は新しい「Tag Assistant」に統合されました。
・旧版:Tag Assistant Companion
・新版:Tag Assistant(2024年以降推奨)
新版のメリット:
・より詳細なエラー情報を表示
・GTMプレビューモードとの連携強化
・Recordings機能で複数ページ追跡が可能
対応しているタグの種類
Tag Assistantは以下のタグを自動検出・検証します:
・Google アナリティクス4(GA4)
・Google広告(リスティング、ショッピング、ディスプレイ等)
・Google Tag Manager(GTM)
・コンバージョンAPIペイロード
・Google Optimize(テスト配信)
・Google Ads リマーケティング
| 媒体 | デバッグツール |
| Meta(Facebook/Instagram) | Meta Pixel Helper |
| TikTok | TikTok Pixel Helper |
| Google関連 | Tag Assistant |
複数媒体を運用する場合は、各媒体の公式デバッグツールを併用することで、全媒体のタグ状況を把握できます。
Tag Assistantをセットアップするのは非常に簡単です。以下のステップで数分で完了します。
1:Chrome拡張機能をインストール
・Chromeウェブストアにアクセス
https://chromewebstore.google.com にアクセス
・「Tag Assistant」を検索
検索ボックスで「Tag Assistant」と入力
公式の「Tag Assistant」を選択(Googleロゴが表示されているもの)
・「Chromeに追加」をクリック
確認ダイアログが出現
「拡張機能を追加」をクリック
・インストール完了
ツールバーにTag Assistantアイコン(虫眼鏡マーク)が表示される
2:ツールバーに固定表示する
Tag Assistantをいつでも素早くアクセスできるようにツールバーに固定します:
Chromeのツールバーにある「拡張機能」アイコン(パズルマーク)をクリック
Tag Assistantの横の「ピン」マークをクリック
ツールバーに固定表示される
3:Googleアカウントとの連携(オプション)
より詳細な情報を表示させるには、Googleアカウントでログインします:
Tag Assistantのアイコンをクリック
「Signin」ボタンをクリック
Googleアカウントを選択してログイン
Tag Assistantをインストール後、実際にタグを検証する方法と、画面の見方を解説します。
1:Tag Assistantを起動
ツールバーのTag Assistantアイコンをクリック
サイドパネルが開く
2:検証対象のサイトにアクセス
通常のページを訪問
Tag Assistantが自動的にタグを検出
3:結果を確認
検出されたタグが色分けで表示される
Tag Assistantのパネルには、以下の情報が表示されます:
| 項目 | 説明 |
| タグ名 | 検出されたタグの名前(GA4、Google広告等) |
| ステータス | 色分け表示(緑・青・黄・赤) |
| 送信情報 | タグから送信されたデータ内容 |
| エラーメッセージ | 問題がある場合の詳細説明 |
| 色 | 意味 | 対応 |
| 緑 | タグが正常に動作している | そのまま運用OK |
| 青 | 軽度の警告や改善提案 | 詳細を確認してから判断 |
| 黄 | 中度の問題あり | 詳細確認後、修正検討 |
| 赤 | 重大なエラー | 必ず修正が必要 |
Tag Assistantで検出される典型的なエラーパターンと、その対策方法を解説します。
| 症状 | 原因 | 対応方法 |
| タグが検出されない | GTMが設置されていない | サイトのHTMLでGTMコンテナコードを確認 |
| 赤エラーが表示される | タグ設定に必須項目の不足 | GTM管理画面で設定内容を見直す |
| 二重計測が起きている | 古いタグとGTMが両方稼働中 | 既存タグをサイトから削除 |
| GA4イベントが計測されない | トリガー条件が不一致 | Tag Assistantでトリガー発火を確認 |
| 送信されたヒットが0 | ページロード後にタグが実行されていない | GTMプレビューモードで詳細確認 |
Tag Assistantの高度な機能を使うことで、より詳細な分析と競合調査が可能になります。
Tag Assistant Recordingsは、複数ページ・複数ステップのユーザージャーニー全体をタグ追跡できる機能です。
典型的な使用場面:
・EC購入フロー全体(商品ページ → 商品追加 → チェックアウト → 購入完了)
・お問い合わせフロー(フォーム入力 → 送信 → 確認画面)
・ユーザーが複数ページを移動する際のタグ追跡
1:記録を開始
Tag Assistantパネル → 「Record」ボタンをクリック
2:ユーザーの行動をシミュレート
通常のユーザー行動を再現
複数ページをクリック・操作
3~5分程度の行動記録
3:記録を終了
「Stop Recording」をクリック
4:レポートを確認
タグ送信の時系列が表示される
各ステップでのエラーを確認
GA4への計測状況を確認
| メリット | 説明 |
| 複数ページ追跡 | 購入フロー全体のタグ検証が1回で完了 |
| 問題箇所の特定 | どのステップでエラーが発生したか即座に判明 |
| ユーザー体験の確認 | 実際のユーザー行動シーンでのタグ動作確認 |
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