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2020.08.24

ラグビーワールドカップ 2019　経済波及効果は総額6,464億円

RWC2019訪日客数は推計24万2千人

アジアで初めて開催されたラグビーワールドカップ2019(RWC2019)は、ラグビー人口・人気の高くない日本開催で、大会開始前には集客に不安もありましたが、開催されてみれば、日本チームの躍進により、「にわかファン」が急増し、大熱狂のうちに幕を閉じました。ラグビーワールドカップ2019組織委員会の委託でEY Japanがまとめた大会開催後の経済効果分析レポートから、インバウンドへの影響をみていきます。2019年9月20日から11月2日の44日間、12都市で行われた試合のチケット完売率は99％の172万枚にのぼりました。スタジアムやその周辺に設けられた無料のファンゾーン、滞在地や周辺観光など、観客による多様な消費や、大会運営、スタジアムなどインフラ整備などの支出を合計すると、RWC2019の経済波及効果は総額6,464億円と算定されます。そのうちの実に54％が訪日観光客による消費です。(参照※1、グラフa)172万枚のチケット販売総数(台風により中止した試合分は除きます)は、うち28％が訪日客が購入しています。訪日客数は推計24万2千人と推計され、アンケートの結果によると、RWC2019訪日客のうち約60％が初来日で、2018年の訪日外国人の40％より高く、また、日本への再訪意向では、75％が「必ず来たい」と答えています。2018年訪日外国人全体の観光庁訪日外国人消費動向調査(57％)よりも高いことがわかりました。RWC2019 が初来日が誘因となり、将来の再訪日につながる可能性が高いことを表しています。(参照※1、グラフb)

RWC2019 訪日客の一人あたり消費金額は、2018年訪日外国人(147,907円)の実に4.6倍の686,117円です。要因は長い滞在期間と1泊あたり消費単価も高いためで、RWC2019 訪日客は、2018年訪日外国人平均6泊の約2.7倍の平均16泊滞在し、一人一泊あたり消費額は1.7倍になっています。RWC2019 訪日客と2018年訪日外国人の消費行動を比較すると、一人1泊あたりの宿泊費、飲食費、交通費、娯楽等サービスお消費単価は高く、買い物の消費単価は低い金額となり、モノ消費よりコト消費への支出が重視されたと考えられます。(参照※1、グラフc、d)

RWC2019訪日客の居住地域は、多い順に欧州(約131,000人)、オセアニア(約54,000人)、アジア(約22,000人)、北米(約17,000人)で欧州とオセアニアからの訪日客が全体の76％を占めています。居住地の割合は2015年のイングランド大会とそれほど変わりなく、ラグビーファンには距離はそれほど障壁ではないようです。(参照※1、グラフe)ビジネス客も含めた年間の総訪日外客数でも、2018年と比較して2019年は欧州、オセアニア、北米のシェアが数％ずつですが、増えています。(参照※2、グラフf)ラグビーワールドカップ2019組織委員会の委託でEY Japanは、経済効果分析のほかにも、訪日観戦客がどのように行動したか？や「にわかファン」とはなにか？といった詳細な成果分析分析レポートも発表しています。(参照※2)あの熱狂がどのように生み出されたのか、舞台裏を垣間みることができます。