台湾の 18~35 歳の若い世代は、日常の中で多様な「接点(タッチポイント)」を持ち、消費・移動・体験のすべてが細やかに変化しています。
今回はその中でも、「便利店(コンビニ)」「モバイル決済」「旅・体験」という三つの視点から見ていきます。

台湾には全国で 1 万店を超えるコンビニがあり、若者の日常において「朝のコーヒー」「昼食」「外送(デリバリー)受け取り」「公共料金の支払い」「チケット発券」など、複数の役割を担っています。
このような“生活拠点化”によって、若者が短時間・低コストで便利に利用できる場として機能しています。
また、“ミニマム移動 × 高利便性”の環境が整っているため、「外出=長距離移動」ではなく、「近場+ちょっとした非日常」という行動スタイルが定着しています。
台湾では電子決済やモバイルペイメントが急速に普及し、若年層がその中心的なユーザー層となっています。
「スマホがあれば何でも買える」「キャッシュレスで済む」「すぐ受け取れる」といった利便性が、彼らの生活リズムに完全に溶け込んでいます。
さらに、EC や SNS を起点とした購買も増加。たとえば「動画を見てそのままアプリで購入」「コンビニで受け取る」といった行動が一般化しています。
こうした“オンラインからオフラインへ”の流れが定着したことで、若者は低負担かつスピーディに「欲しいときに買う」ライフスタイルを実践しています。
若年層の関心は“モノ”から“体験”へとシフトしています。旅行・ライブ・ワークショップ・アクティビティなどへの支出が拡大しています。
台湾文化内容策進院(TAICCA)の調査でも、演劇・トークショー・ストリートダンスなど、若年層(15〜39歳)向けコンテンツへの参加率が上昇していることが示されています。
また、物価上昇や収入停滞といった厳しい経済環境の中でも、「移動して何かを感じたい」「誰かと体験を共有したい」という価値観が広がっています。
旅行では「週末 1 泊」「近場の温泉」「短期の日本旅行」など、小規模で SNS に映える“シェアしやすい旅”が人気を集めています。