2025年の中国「五一(メーデー)」連休期間中、国内観光市場は活況を呈し、旅行者数と消費額の両面で顕著な成長を遂げた。
文化和旅游部(文化・観光部)のデータによれば、2025年の「五一」連休(5月1日~5日)期間中、中国国内の旅行者数は3.14億人に達し、前年同期比6.4%増加した。また、国内旅行による総消費額は1802.69億元(3兆6,442億円)で、前年同期比8.0%の増加となった。
特に人気を集めた都市は以下の通りである:
これらの都市は、交通の便が良く、多様な観光資源を有しているため、連休中の旅行先として選ばれる傾向が強まっている。
2025年の「五一」連休期間中、国内旅行者の一人当たり平均消費額は約574元(11,595円)で、前年同期比1.5%増加したが、2019年の603.4元(12,189円)にはまだ届いていない。
消費の内訳を見ると、交通費と宿泊費が大きな割合を占めている。特に高級ホテルの予約が増加し、四つ星ホテルの予約熱は前年同期比で54%増加、五つ星ホテルでは28%の増加となった。
また、飲食やエンターテインメントへの支出も増加傾向にあり、地域の特色ある料理や文化体験が旅行者に人気である。
「五一」連休を利用して、長距離の旅行や深い文化体験を求める傾向が強まっている。特に「飛行機+レンタカー」の組み合わせが人気で、国内のレンタカー予約数は前年同期比で45%増加した。
混雑を避けるため、従来の人気観光地ではなく、三線都市以下の中小都市や農村地域を訪れる「反向旅游」が注目を集めている。これにより、これまであまり知られていなかった地域の観光資源が再評価されている。
旅行者は単なる観光だけでなく、非物質文化遺産の体験や地元の文化活動への参加など、より深い体験を求める傾向が強まっている。これにより、文化と観光を融合させた新しい旅行商品が増加している。
2025年の「五一」連休は、中国国内の観光市場において、旅行者数と消費額の両面で顕著な成長を示した。特に、長距離旅行や深度体験、高品質な旅行への需要が高まり、観光の多様化と質の向上が進んでいる。今後も、地域の特色を活かした観光資源の開発や、旅行者の多様なニーズに応えるサービスの提供が求められる。