健康意識の高まりと計画的購買—2025年台湾の消費者トレンド

2025年3月12日現在、台湾の健康メディア『康健』が実施した「2025信頼ブランド大調査」が注目を集めている。この調査は4,349人の消費者データを基に、ポストコロナ時代における消費者の価値観やブランドへの期待を明らかにした。グローバル経済がコロナ禍の影響から回復しつつある一方で、インフレや景気後退への懸念が消費意欲に影響を与え、消費行動にも大きな変化が見られる。

1.忙しい現代人を支える「怠け者健康法」とサプリメント需要

パンデミックの影響が薄れた今でも、健康食品への依存度は高まる一方です。調査によると、台湾の消費者の約9割が健康維持のために健康食品を購入しており、毎月1,000〜3,000台湾ドル（約4,504円～13,513円）を費やす人が多数派となっている。

2020年から2024年にかけて、台湾ではサプリメントへの平均支出が965台湾ドル（4,342円）から1,369台湾ドル（6,160円）へと約4割増加した。人気のカテゴリーでは「免疫力向上」と「目の健康維持」が上位を維持する一方、「腸内環境改善」への需要が急増している。これは、現代人の生活リズムの加速や仕事のストレス増加が背景にあると考えられる。

2. 機能性食品・飲料の台頭とその課題

サプリメントに加え、機能性食品や飲料への関心も高まっている。調査では、7割の消費者が高ファイバーシリアルや乳酸菌飲料など「腸活」を意識した商品を支持。さらに「免疫力アップ」のビタミン飲料や「睡眠改善」のセサミン入りミルクが注目されている。一方で、3割の消費者は「効果の不確実性」や「添加物への懸念」から購入をためらい、信頼性の向上が課題となっている。

台湾では、黒キクラゲ飲料など伝統的な漢方食材が現代風にアレンジされ人気だが、日本でも「和漢素材」を活用した商品が広がりつつある。例えば、大手飲料メーカーの抹茶ベースの機能性飲料や黒酢配合の健康ドリンクが好評を得ている。

消費者は「美味しさ」と「健康効果」を両立する商品を求めているが、過剰な添加物は敬遠される傾向にある。日本のブランドは、科学的根拠を明確に示しながら、自然派志向を打ち出すバランスが重要となるだろう。

3.プロの認証が信頼の鍵

消費者がブランドを選ぶ際、「品質が認証されているか」が最も重要視されており、75％以上の人がこれを重視している。環境ラベルや健康食品認証など、第三者機関の客観的評価が購入決定に大きく影響している。日本でも「機能性表示食品制度」が浸透し、消費者庁の認証を受けた商品が信頼を集めている。

4. 賢い消費と「ノーバイチャレンジ」ブーム

台灣では、Z世代を中心に、ネットショッピングが生活の一部になっていますが、同時に衝動買いや無駄遣いによる財政難も問題視されています。そこで、SNS上で「ノーバイチャレンジ（No Buy Challenge）」が話題を呼んでいる。

この取り組みでは、次のような消費スタイルが推奨されている：

・「見極めて買う」習慣の確立：購入前に本当に必要かどうかを考える。
・「使い切る」意識の向上：化粧品や食品は使い切ってから新しいものを買う。
・「衝動買いを防ぐ」：短期的な感情に流されず、計画的な購買を心がける。

このような動きは、単なる節約だけでなく、環境負荷の低減や持続可能な消費の実践という点でも注目されている。

結論：ブランドが新たな消費時代で勝ち抜くために

今回の調査結果から、ブランドが消費者の信頼を得るためには以下の要素が不可欠であることが分かった。

1. 高品質で信頼できる製品の提供 – 品質認証の取得や科学的根拠の提示が重要。
2. 健康ニーズに寄り添った製品展開 – 機能性食品やパーソナライズ商品への対応が求められる。
3. 消費者との関係構築 – SNSやイベントを活用し、ブランドの信頼性を高める。
4. スマート消費への対応 – 消費者の価値観の変化に合わせ、計画的な購買を促す工夫を取り入れる。

これらの要素は、企業が2025年のブランド戦略を策定する上で、重要な指標となるだろう。

【出典元】
※ 2025信賴品牌大調查公布：精明消費當道，品牌如何贏得信賴？ | 康健
※ Z世代掀起「不買挑戰」 減少非情緒性消費 | TVBS新聞網
※ 國際38婦女節寵愛自己守護健康！GO SURVEY揭露保健消費新趨勢 | 中央社