中国は、オーストリア、ベルギー、ハンガリー、アイルランド、スイスの6カ国とのビザ免除渡航を3月14日より試験的に施行開始します。アイルランドとスイスは、2024年1月に先立って発表されていましたが、いつから開始するか、明言していませんでした。2023年7月に始まったこの中国の試験的なビザ緩和政策は、これで15カ国にまで対象を拡大しました。世界第二位の経済大国である中国経済は、国内のデフレーションと需要低迷をかかえ、ヨーロッパやアジアからの旅行者増加を求めて、ビザ要件の緩和対象国を拡大しています。(参照※1、図1)
ビザ免除渡航の試験運用が開始した2024年3月14日には、Trip.com によると、オーストリア、ベルギー、ハンガリー、アイルランド、ルクセンブルク、スイスから中国への予約が、前年比でほぼ3倍となり、コロナ前の2019年比では40%まで急増しました。対象国からの15日間の滞在であれば、ビザ無しで中国に入国できます。試験運用期間は2024年11月30日までです。予約数は急増しましたが、航空券は依然として2019年と比べると高価で、航空便数も充分回復しきっていません。アイルランドから中国への直行便はまだなく、中国-スイス間は2019年費63%、中国-オーストリア間は同比51%の航空路線回復率です。中国は、このビザ免除措置を2023年12月に、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、スペイン、マレーシアを対象としてしましたが、イタリアとスペイン以外の国は、航空便数は、2019年水準に戻っています。(参照※2)
【出典元】
※1 China Allows Visa-Free Travel From Four More European Countries – Bloomberg
※2 China Sees Travel Bookings From Six European Countries Surge as Visa-Free Policy Kicks In – YiCai