近年、台湾の若年層(18~35歳)では、「ただモノを買う」のではなく、自分自身に投資する消費スタイルが顕著になっています。
たとえば MasterCard の調査によると、台湾の若者は生活コストの上昇を感じながらも、「運動」「美容」「レジャー(休閒娛樂)」への支出を惜しまず、外見・体調・マインドセットへの投資を継続していることが明らかになりました。
また、PwC の「2024 消費者之聲調査(2024年消費者の声調査)」によれば、環境変化を実感している消費者の 85% が「サステナブル商品には多少高くても支払う価値がある」と回答しており、平均で約 9.7% の価格上乗せを許容している結果が出ています。
価値観の変化
経済成長の鈍化や物価上昇、雇用の流動化などを背景に、「将来のためだけに貯める」のではなく、「今の自分を大切にする」志向が育っています。
たとえば「健康な体を維持したい」「見た目を整えたい」といった意識が若年層の間で目立ちます。
情報・選択肢の増加
スマートフォンや SNS、EC(電子商取引)の普及により、選択肢が爆発的に増えたことで、「自分にとって意味のある消費」を求める傾向が強まっています。
台湾でも「デジタル消費」「パーソナライズ商品」「サステナブル/エコ志向」などのキーワードが定着しています。
コスト意識との両立
若者は「収入は上がらないかもしれない」「インフレが気になる」と感じながらも、必要なものにはお金を使う姿勢を示しています。
MasterCard の調査では、65%が「収入の増加はインフレに追いつかないかもしれない」と回答しながらも、美容や運動への支出は維持していることが分かりました。
フィットネス/運動市場の活性化
ジム通いやランニング、ヨガなど「体を動かすこと」にお金と時間を使う若者が増加しています。
美容・外見への支出
「エイジングケア」「スキンケア」「セルフメンテナンス」が日常習慣として定着しつつあります。
サステナブル/エシカル志向
価格よりも「背景」「意味」「社会・環境とのつながり」を重視する傾向が強まっています。PwC の調査でも「サステナブル商品に高価格を払っても良い」という回答が多く見られました。