• 2025.11.06

【AI検索トレンドで読み解く次のAI】画像・動画生成、AIブラウザなど、40カ国・地域が注目する最新技術とは?

 アウンコンサルティング株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役CEO:信太 明、東証スタンダード:2459)は、グローバルマーケティング(国内・海外向けの販売促進・AI活用支援)*、メディアマーケティング(火災保険・地震保険の申請サポート)**などのマーケティング事業を展開しています。
 この度、世界40カ国・地域を対象に、2025年7月16日から2025年10月13日までの期間における、「AI」に関連したGoogle検索のキーワードを調査***しましたので、その結果をお知らせいたします。

 前回の調査を行った際のリリース(2025.08.21)はこちらをご覧ください。

* 国内外向けSEO (検索エンジン最適化)、国内外向け広告、AIO (AI最適化:AIO×SEO)[サービス概要: https://www.auncon.co.jp/service/
** ミエルモ(火災保険・地震保険の申請サポート)[サービス概要:https://mielmo.co.jp/
*** 今回の調査における各検索キーワードランキングは、「Googleトレンド」により集計された、注目度を反映した推定値である点にご留意ください。

■はじめに

 2025年の7月から10月の期間におけるAI関連の検索トレンドでは、各国・地域に共通して、画像・動画生成分野に強い注目が集まっていることが明らかになりました。
 特に画像の生成や編集を可能とする「Nano Banana」を示すキーワードは、今回の調査対象である40カ国・地域すべての検索キーワードランキングにランクインしました。その他、動画の生成を可能とする「Sora」を示すキーワードが19カ国、AIモデルごとに画像の比較などを可能とする「LMArena」は18カ国・地域の検索キーワードランキングにそれぞれランクインしました。
 また、画像・動画生成以外の分野においても、AIを搭載したブラウザ「Comet(コメット)」を示すキーワードが、27カ国の検索キーワードランキングでランクインしました。

 今回の調査では、各種アップデートや技術革新が、国・地域に問わず共通の話題として注目されている傾向がうかがえます。こうした注目の要因や世界のトレンドを継続的に把握することは、ユーザーの関心や行動の変化を捉え、施策やブランド戦略の精度を高めるうえでも重要です。

※国別の詳細なデータはページ下の一覧表をご覧ください。

【複数の国・地域のランキングでランクインした主な検索キーワード】

※生成AIツール名などのキーワードが、Google トレンドのトップ10にいくつの国・地域でランクインしたのかを示しています。

■圧倒的な注目を集めた「Nano Banana」

 「Nano Banana」を示す検索キーワードが、今回の調査対象である、40カ国・地域すべての検索キーワードランキングでランクインし、圧倒的な注目度が明らかになりました。
 Nano Bananaとは、Googleが2025年8月26日(米国時間)に公開した、画像の生成、編集を可能とするAIモデル「Gemini 2.5 Flash Image」の開発コードネームであり、Googleの発表によると、以前のモデルと比較して、人物の一貫性や自然言語による編集能力が飛躍的に向上したとされています(※1)。
 特に、以前のモデルで課題となっていた、プロンプト(AIへの指示)の内容次第で仕上がりが不自然になるなど、比較的高度なテクニックを要する点が、大幅に改善されました。Nano Bananaでは、シンプルなプロンプトで違和感のない高度な画像生成が、より高速で行えるようになっています。
 さらに、このNano Bananaは、正式発表前より、後述するAIモデルの比較サイト「LMArena」に匿名モデルとして登場しており、その高い性能から既に大きな注目を集めていた経緯があります。

 また、その利用のしやすさと利用対象の幅広さも特徴です。ユーザーはGoogleアカウントがあれば、「Google AI Studio」というブラウザ上で利用可能な無料のプラットフォームからアクセスでき、手軽に試すことができます。さらに、このモデルはAPIとしても提供されているため、開発者や企業は自社アプリや各種制作のフローに容易に組み込むことが可能です。こうした要因から、個人ユーザーだけでなく、クリエイターや企業のマーケティング部門といった商業利用まで、幅広い層に普及が進んでいます。

 Nano Bananaの登場は、高精度な画像生成・編集の敷居を下げ、クリエイティブ分野の一般化をさらに加速させたと言えます。今後、この技術革新が市場にどのような影響を与え、ユーザーや企業の間でどのような変化をもたらすのか、その動向に注目です。

■「Comet」によるAIブラウザ市場

 「comet ai browser」などといった、AIを搭載したブラウザ「Comet」を示すキーワードが、主にヨーロッパを中心に、アジア、オセアニア、南北アメリカ、アフリカの一部の国を含む、27カ国の検索キーワードランキングにランクインしました。
 Cometは、米Perplexity AI社が2025年7月9日に発表・リリースした「AIエージェント搭載型の次世代Webブラウザ」(※2)で、ウェブサイトの情報検索や要約に加え、画面操作や入力などのタスク実行も可能です。
 Perplexityは情報検索における、リアルタイム性や、正確性、信頼性などで既に高い評価を得ており、CometについてもAIブラウザとして重要な点で強みを持っています。加えて、比較的低いCPU使用率やメモリ占有率により、快適な操作性を実現し、AIエージェントによる複数タスクの実行といった高負荷な作業をスムーズに行える点も、Cometが注目された要因であると言えます。

 なお、今回の調査対象期間(~2025年10月13日)以降の、10月22日には、OpenAI社より、ChatGPTを搭載したWebブラウザ「ChatGPT Atlas」が公開されました(※3)。今後は、各テック企業によるブラウザへのAI機能搭載が進み、次回の検索キーワードランキングや市場に変化をもたらす動きが予想されます。引き続き、AIブラウザの動向に注視し、変化する市場への柔軟な適応が求められます。

■動画生成AI「Sora」の技術革新と権利の問題

 「Sora」は、OpenAI社が提供する画像・動画・音声などを統合的に生成できるマルチモーダルAIモデルです。今回の調査では、Soraに関するキーワードが19カ国の検索キーワードランキングにランクインしました。
 2025年9月にOpenAI社より「Sora 2」へのアップデートが公開(※4)され、複数国の検索キーワードランキングに「Sora 2」といったキーワードが含まれている事からも、今回のアップデートによる注目度の高まりがうかがえます。

 Sora 2は主に動画生成分野において、秒単位での細かい設計や編集機能に加え、最大25秒といった動画生成時間の延長など、その精度を大幅に進化させています。
 中でも「カメオ機能(Cameos)」が特に話題となっており、ユーザー自身や家族、友人の顔や声を撮影・録音し登録することで、動画内に登場させることができ、SNSでもSora 2で生成された動画が多く投稿されるようになりました。

 一方で、Sora 2の公開直後には、著名人のほか、アニメ、漫画、ゲームキャラクターなどを掛け合わせて生成された動画が多数投稿され、著作権や肖像権の侵害として問題となりました。これを受けて、OpenAI社の最高経営責任者であるサミュエル・H・アルトマン(Samuel Harris Altman)氏は、公式ブログを通じて、著作権保護の強化に関する声明を発表(※5)しました。その後、写真や音声などを利用する際、権利者による事前の許可を必要とする「オプトイン方式」への変更や、キャラクターを使った生成の際、権利者による詳細な制御を可能とする機能など、段階的な実装・改善が行われています。

 しかし、根本的な著作権法対応や倫理問題は依然として難しい課題であり、今後も技術面・制度面双方での継続的な対応・改善が求められます。さらに、個人や企業においても、リテラシー不足による権利侵害リスクが懸念されるため、引き続き慎重な取り扱いが必要です。

■各AIの進化に伴い関心を高める「LMArena」

 「LMArena」とは、2025年4月にアメリカのスタートアップ企業Arena Intelligence Inc.により運営が開始された、AIモデルの比較サイトです。GoogleやOpenAIなどの主要なAI企業と連携しながら、公平で信頼性の高いAI評価環境を提供しているとして、注目を集めています。
 ユーザーは、匿名化された2つのAIモデルの回答を比較し、どちらが優れているか投票します。投票後にそれぞれのAIモデルの名前が明かされるシステムを採用することで、先入観のない公正な評価を可能としています。
 さらに、LMArena内で集計された各スコアは、AIモデルを提供する企業が新モデル発表時の性能証明として活用するなど、幅広い利用者層に支持されています。
 今後も、多様なニーズに応じた性能評価の指標として重要な役割を果たしながら、AIモデルの透明性向上や品質保証を促進し、適切なAIの選択や活用に貢献するとともに、市場における、さらなる技術革新を後押しする存在として期待されます。

■日本、台湾、香港における画像生成技術を利用した流行

 日本、台湾、香港における検索キーワードランキングでは、「フィギュア」や「公仔(フィギュア)」を含む検索キーワードがランクインしました。これは、画像生成AIを活用して写真やキャラクターをフィギュア化する技術が人気を集めており、SNS上では、ユーザー自身の顔や好きなキャラクターを高精細なフィギュア画像として生成し、自己表現や趣味として楽しむ様子が多く見られています。
 また、これら3つの国や地域は、アニメやゲームキャラクター、その造形文化が深く根付いており、キャラクターのフィギュア化は、文化的な楽しみ方として浸透し、AIによるフィギュア画像生成への関心を広げる背景となっています。
 さらに、フィギュア化に特化した専用のプロンプト例やテンプレートが、ユーザーコミュニティや一般の技術ブログ、専門メディアなどで共有されており、フィギュア画像の生成が容易に行える点も、流行を後押ししていると言えます。

 一方で、フィギュア化画像の領域においても、実在するキャラクターや企業ロゴを含む生成物が問題視されるケースが増えています。こうした生成物の取り扱いには、著作権や商標権に関する意識がより一層求められています。
 今後の健全なクリエイティブ文化の発展には、利用規約やガイドラインによる権利者の保護や不正利用防止の推進に加え、ユーザーの創造性とモラルの両立が重要です。

■さいごに

 今回の調査では、すべての国の検索ランキングで、「Nano Banana」がランクインし、Googleに対する世界からの注目度や影響度の高さが改めて明らかになりました。
 その他、「Comet」や「Sora」などのリリースやアップデートにより、前回の調査結果と比較して、各国の検索キーワードランキングを大きく変化させる結果となり、トレンドの流れの速さがうかがえます。
 引き続きリアルタイムに情報を把握し、各種アップデートやリリースによる市場への影響や、AI技術の発展に伴う著作権や肖像権などの権利侵害リスクにも十分配慮しつつ、企業に求められる戦略など、注視していくことが重要です。今後も、変化の激しいAI市場に柔軟かつ主体的に対応していく姿勢が、企業の競争力強化にもつながると考えられます。

【国・地域別 検索キーワードランキング】

■調査概要

【調査主旨】
世界40カ国・地域におけるAI関連の検索キーワード調査

【調査要綱】
・対象国・地域: OECD加盟主要国を中心にアウンコンサルティングにて抽出した40カ国・地域
・検索キーワード順位データ:Googleトレンド – https://trends.google.co.jp/trends/
 <データ取得条件>
  [検索キーワード]:「AI」
  [対象期間]:2025/07/16~2025/10/13
  [カテゴリ]:すべてのカテゴリ
  [取得データ]:関連キーワードを「注目」の指標で並び替えた上位10件を取得(※生成AIに関連しないキーワードは除外)
・調査実施期間:2025年10月14日~2025年10月24日
・Googleトレンドの集計に関する詳細:Googleトレンドのデータに関するよくある質問 – https://support.google.com/trends/answer/4365533

【出典】
(※1) Google Developers Blog(日本語版) – 最先端の画像処理モデル Gemini 2.5 Flash Image のご紹介 , https://developers.googleblog.com/ja/introducing-gemini-2-5-flash-image/
(※2) Perplexity公式ブログ – Introducing Comet: Browse at the speed of thought(2025年7月9日) , https://www.perplexity.ai/ja/hub/blog/introducing-comet
(※3) OpenAI公式 – ChatGPT Atlas(2025年10月22日) , https://chatgpt.com/ja-JP/atlas/
(※4) OpenAI公式 – Sora 2 が公開(2025年9月30日) , https://openai.com/ja-JP/index/sora-2/
(※5) Sam Altman (OpenAI CEOサム・アルトマン氏による公式ブログ) – Sora update #1(2025年10月4日) , https://blog.samaltman.com/sora-update-number-1

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[社名] アウンコンサルティング株式会社
[本社] 東京都千代田区丸の内二丁目2番1号 岸本ビルヂング6F
[設立] 1998年6月8日
[資本金] 100,000千円(資本準備金538,774千円) 2025年8月末現在
[上場取引所] 東証スタンダード市場(証券コード:2459)
[代表者] 代表取締役CEO信太 明
[人員数] 36名(正社員のみ25名) 2025年8月末現在
[事業内容] マーケティング事業
-グローバルマーケティング(国内・海外向けの販売促進・AI活用支援)
-メディアマーケティング(火災保険・地震保険の申請サポート)
[URL] https://www.auncon.co.jp
[お問い合わせ] 広報担当 TEL:0570-05-2459 MAIL:pr@auncon.co.jp

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