アウンコンサルティング株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役CEO:信太 明、東証スタンダード:2459)は、グローバルマーケティング(国内・海外向けの販売促進・AI活用支援)*、メディアマーケティング(火災保険・地震保険の申請サポート)**などのマーケティング事業を展開しています。
このたび、世界40カ国・地域を対象に、2024年5月から2025年5月までのモバイルにおける主要OS、主要機種メーカーの国別のシェア状況を調査***しましたので、その結果をお知らせいたします。
前回(2024年06月27日)のリリースはこちらをご覧ください。
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*** 各国・地域別の詳細なデータは、本リリースページ下部の一覧表をご覧ください。
2025年5月の全世界におけるモバイルのOSおよび機種のシェア率は、昨年調査時と大きな変化はなく、OSシェアではAndroidが、機種メーカーシェアではAppleが1位となりました。
※( )内、対前年同月比
<OSシェア(全世界)>
1位 Android:72.72%(+1.2%)
2位 iOS:26.2%(-0.8%)
<機種メーカーシェア(全世界)>
1位 Apple:26.92%(-0.8%)
2位 Samsung:22.71%(-1.3%)
一方、国・地域別に見ると、シェア率に変化が表れるケースも見受けられました。
OSシェアでは、フィリピンやメキシコにおいて、Androidのシェア率が増加しました。フィリピンでは対前年同月比で+9.0%となる92.65%、メキシコでは、対前年同月比で+10.4%となる87.6%へ急伸し、他の国や地域と比較して顕著な変動が見られました。
インドネシアでは、Appleの「iPhone16」の販売禁止により、機種のシェア率にも影響を与えました。一方、Xiaomiについては、製品戦略と販売体制などが効果を発揮し、機種のシェア率で1位に浮上しました。
ポーランドにおいては、OSシェアでiOSが対前年同月比+16.6%、機種シェアではAppleが対前年同月比+ 16.5%と、今回の調査対象国・地域の中でもっとも高い増加率となり、iOSおよびAppleが同国市場で強い存在感を示していました。
グローバルでは安定した構図が続く一方で、各国・地域ごとの市場特性やブランド戦略の違いが明らかになり、現地市場に即したマーケティング戦略の重要性が一層高まっていることがうかがえます。
シェア率に変化が起こる要因は様々であり、国や地域ごとの詳細を分析して、現地でのマーケティングに活用していくことが重要です。
フィリピンでは2024年9月頃から、メキシコでは2024年11月頃から、OSシェアにおいてAndroidのシェア率が増加しました。この変化は、両国の特定の経済状況や市場トレンドが複合的に作用した結果といえます。
・フィリピンにおけるAndroidシェア率増加の背景
フィリピンのOSシェアでは、Androidのシェア率が対前年同月比で+9.0%という高い増加率となり、機種シェアでは、VivoとRealmeがシェア率の上位に浮上しました。
その背景として、IDC(インターナショナル データ コーポレーション)によると、2024年のフィリピンで出荷されたスマートフォンは、半数以上が100ドル未満の価格帯であったとしており、これは主に中国のブランドのTranssion(Infinix、Tecno、Itelなどのサブブランド)による低~中価格帯のAndroid機種における積極的な投入にあるとされています(※1)。さらに今回の調査では、Realme、Vivo、OPPOといったその他の中国ブランドも低価格~中価格帯のAndroid機種としてシェア率を大きく伸ばしています。
また、フィリピンにおける経済面については、ペソ安の進行で対ドルでの下落が続いており、購買力への影響が懸念されています。このような状況下で、低価格帯の機種への需要拡大が、シェア率増加の一因になったと考えられます。さらに、フィリピンで毎年9月から始まる「バー・マンス」と呼ばれるクリスマス商戦の影響により、この時期にAndroid端末の購入が集中し、各ブランドのシェア率にも変動が生じたと見られます。
フィリピンにおける1年間のモバイル機種シェア率推移
※Stat Counter (https://gs.statcounter.com/)のデータを元にアウンコンサルティングが作成
・メキシコにおけるAndroidシェア率増加の背景
メキシコのOSシェアにおいても、Androidのシェア率が対前年同月比で+10.4%という高い増加率となり、機種シェアでは、SamsungとMotorolaがシェア率の上位に浮上しました。
また、The Competitive Intelligence Unit (CIU)の調査によると、2024年にメキシコのスマートフォンユーザーの68.8%が、中価格帯の機種を選択したとされており(※2)、価格と性能のバランスを重視する傾向が強まっていることが示されています。
さらに、メキシコ国立統計地理情報院(INEGI)によると、2024年12月の消費者物価指数(CPI)上昇率(インフレ率)は、前年同月比4.21%(※3)で、1年2カ月ぶりの低水準とされており、購買力低下による市場ニーズの変化がうかがえます。
本調査による機種シェア率の推移においても、2024年9月に「iPhone16」が発売され一時的にAppleのシェア率が増加したものの、それ以降は、高価格帯の機種であるiPhoneよりも、手頃な価格で一定の性能を備えた中価格帯の機種への需要が高まっていることが明らかになっています。
メキシコにおける1年間のモバイル機種シェア率推移
※Stat Counter (https://gs.statcounter.com/)のデータを元にアウンコンサルティングが作成
今後も、フィリピンやメキシコにおいては、消費者の価格重視の傾向が続く限り、低価格帯から中価格帯の機種が市場を牽引し続けると予想されます。各主要ブランドの戦略や、高価格帯の機種に対する消費者の反応についても、今後の動向に注目です。
・インドネシア政府によるiPhone16の販売禁止
インドネシアでは、スマートフォンの販売にあたり、製品の40%以上の部品を国内で調達または生産することを求める「TKDN(Tingkat Komponen Dalam Negeri、国内生産基準証明)」(以下TKDN)というインドネシア産業省による認証が必要とされています。しかし、iPhone16においては、この要件を満たさなかったとして、2024年10月からのiPhone16シリーズの販売が政府により正式に禁止(※4)され、機種のシェア率にも影響を与えました。
その後Appleは、TKDNの要件を満たすため、追加投資やイノベーションセンターの設置を進め、2025年4月にiPhone16の販売を再開しました(※5)。
しかし、アメリカの調査会社IDCによると、2024年におけるインドネシア市場では、100米ドル未満の低価格帯の機種と、200~600米ドルの中価格帯の機種に対する需要が拡大しており(※6)、高価格帯の機種であるiPhone16については、依然として都市部や富裕層を中心に一定の支持を集めているものの、価格帯の多様性が求められる市場特性から、より幅広い価格帯の製品が主流となっています。
・Xiaomiのシェア率増加
Xiaomiにおいては、2025年5月にインドネシアにおける機種シェアで1位に浮上しました。これを受けて、PT. Xiaomi Technology Indonesiaは、2025年第1四半期に19%の市場シェアを獲得したとして、イギリスの調査会社Canalys(カナリス)の調査結果を引用する形で、LinkedInにて紹介しています(※7)。Redmi AシリーズやNoteシリーズなどの中価格帯の機種をはじめ、幅広い製品ラインアップや、AIoT製品との連携強化など、価格と性能のバランスを重視するインドネシアの消費者ニーズに合致した戦略が、シェア率増加の一因になったといえます。
加えて、PT. Xiaomi Technology IndonesiaのカントリーディレクターであるWentao Zhao氏は、公式声明(※8)の中で、「この成功は、消費者に最高の体験を提供するために、オフラインとオンラインの両方でインドネシア全土に堅実で公平な販売ネットワークを通じてリーチを拡大するための当社の努力と切り離すことはできません」と述べています。
地域に特化したマーケティング施策や、販売チャネルの多様化によって消費者との接点を強化したことも、成長を後押ししたと考えられます。
インドネシアにおける1年間のモバイル機種シェア率推移
※Stat Counter (https://gs.statcounter.com/)のデータを元にアウンコンサルティングが作成
インドネシアのスマートフォン市場は、SamsungやOppoなども引き続き強い存在感を示しており、iPhone16の販売再開による高価格帯の市場にも再び動きが見られると予想されます。消費者ニーズの変化や、各社の対応、政府の規制など、今後の市場の動向に注目です。
ポーランドのOSシェアでは、依然としてAndroidが最も高いシェア率を獲得しているものの、iOSが対前年同月比+16.6%となる30.23%のシェア率を獲得しており、今回の調査対象国・地域の中でもっとも高い増加となりました。さらに、機種シェアにおいては、Appleがシェア率の1位に浮上し、対前年同月比+16.5%となる30.21%のシェア率を獲得しています。
この要因として、2025年2月28日に発売されたiPhone16eの効果が大きく、これをきっかけにAppleにおけるシェア率1位への後押しになったといえます。
また、ポーランド経済の高い成長率も影響しているとみられます。欧州委員会の経済予測によると、2025年のポーランドは実質GDP成長率が3.3%と、EU内でも際立った成長を維持しており、主に民間消費と投資の拡大が成長を牽引しているとされています(※9)。これに伴う、実質可処分所得の増加や賃金上昇、社会給付の拡充、インフレの緩和などによる購買力の向上が、高価格帯の機種であるiPhoneやiOSのシェア率増加につながっていると考えられます。
ポーランド経済が安定した成長を続けるなかで、物価や金利の動きが消費者のニーズにどう影響し、OSや機種のシェア率がどのように変化していくか、今後の市場の動向に注目です。
ポーランドにおける1年間のモバイル機種シェア率推移
※Stat Counter (https://gs.statcounter.com/)のデータを元にアウンコンサルティングが作成
世界のスマートフォン市場は、各国・地域の経済状況や消費者の購買力、政策の違いなどがシェア率に影響していました。こうした背景を踏まえ、国内外でインターネットマーケティングを実施するにあたり、世界の主要モバイル機種の他、経済状況や消費者ニーズなど、幅広い要因において今後の動向に引き続き注目です。
【2025年5月 各国・地域におけるモバイルのOS・機種シェア】
調査概要
【調査主旨】
世界40カ国、主要OS・機種シェア状況 【2025年7月版】
【調査要綱】
・対象国・地域: OECD加盟主要国を中心に当社にて抽出した39カ国・地域
・各国人口参照元: Worldometers.info http://www.worldometers.info/world-population/population-by-country/
・OS/機種データ参考: Stat Counter http://statcounter.com/
・スマートフォン所有率参考: DataReportalにて、イランを除く、各国・地域の「Digital 2025」シリーズのレポートより、インターネット普及率およびスマートフォン所有率を参照し、独自に算出。 https://datareportal.com/
・調査実施期間:2025年6月11日~2025年7月4日
【出典】
(※1) IDC(インターナショナル データ コーポレーション) – Philippines Smartphone Market Sees Continued Growth for the Second Consecutive Year in 2024, says IDC(2025年2月10日) , https://my.idc.com/getdoc.jsp?containerId=prAP53189425
(※2) Mexico Business News – Mid-Range Smartphones Dominated the Mexican Market in 2024(CIU調査より)(2025年4月11日) , https://mexicobusiness.news/tech/news/mid-range-smartphones-dominated-mexican-market-2024
(※3) メキシコ国立統計地理情報院(INEGI) – 消費者物価指数(CPI) , https://en.www.inegi.org.mx/temas/inpc/
(※4)NNA ASIA – iPhone16、国内での売買は現状禁止=産業省(2024年10月29日), https://www.nna.jp/news/2721566
(※5)VOI(Voice of Indonesia) – Seri iPhone 16 Resmi Dijual di Indonesia, Segini Harganya(2025年4月11日) . https://voi.id/teknologi/474816/seri-iphone-16-resmi-dijual-di-indonesia-segini-harganya
(※6)IDC – Indonesia’s Smartphone Market Posts Strong Recovery with 15.5% Growth in 2024, IDC Reports(2025年2月10日) , https://my.idc.com/getdoc.jsp?containerId=prAP53189225
(※7)LinkedIn – Xiaomi Indonesia(2025年5月) , https://www.linkedin.com/posts/xiaomiindonesia_xiaomi-innovationforeveryone-indonesia-activity-7328363305134186496-qxxy/
(※8)VOI(Voice of Indonesia) – Xiaomi Kuasai Pasar Smartphone Indonesia di Kuartal Pertama 2025(2025年5月14日) , https://voi.id/ja/teknologi/482074#google_vignette
(※9)欧州委員会(European Commission) – Economic forecast for Poland(2025年5月19日) , https://economy-finance.ec.europa.eu/economic-surveillance-eu-economies/poland/economic-forecast-poland_en
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アウンコンサルティング株式会社
[事業内容] | マーケティング事業 | ||
– グローバルマーケティング:国内・海外向けの販売促進・AI活用支援 | |||
– メディアマーケティング:火災保険・地震保険の申請サポート | |||
[設立] | 1998年6月8日 | ||
[本社] | 東京都千代田区丸の内二丁目2番1号 岸本ビルヂング6F | ||
[代表者] | 代表取締役CEO 信太 明 | ||
[社員数] | 34名(正社員のみ23名)2025年5月末現在 | ||
[資本金] | 100,000千円(資本準備金 538,774千円) 2025年5月末現在 | ||
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