中国の検索エンジン利用動向調査

アジア圏を中心に、東京、沖縄、シンガポール、韓国、台湾、香港、タイの7拠点で展開し、戦略的なグローバルマーケティングを提供しているアウンコン サルティング株式会社(東証マザーズ:2459、本社:東京都文京区、代表取締役:信太明)は、このたび、世界43カ国・5つの地域を対象にインターネッ ト視聴率データを提供しているコムスコア・ジャパン株式会社の正規販売代理店として中国の検索エンジン利用動向に関する調査をまとめました。

調査結果

世界最大規模の検索エンジンとして、多くの国で広く普及しているGoogleですが、中国では政府が要求するWebの検閲などに関して中国政府と Google間で対立が起こりました。2010年3月にはGoogleに対するサイバー攻撃を発端に、Googleは中国本土からの撤退を発表し、 google.cn(Google China)へのアクセスを自動的にgoogle.com.hk(Google Hong Kong)へリダイレクトする措置をとりました。現在はgoogle.cnはサービスを提供せず、google.com.hkへのリンクが設置されている のみとなっており、自動リダイレクト措置を停止しています。Googleが提供する検索サービスのユーザー数を、自動リダイレクト措置を開始した2010 年3月と2011年3月で比較すると、ユーザー数が16.6%減少しました。しかし、その内訳を見ると実際にGoogleが中国撤退を発表した2010年 3月にgoogle.cnのユーザー数がほぼゼロまで落ち込んだ一方で、中国本土からgoogle.com.hkへアクセスするユーザー数が大きく伸びて います。(図表1)

図表1:中国 Google利用ユニークユーザー数推移

出典:コムスコア /メディアメトリックス(Media Metrix)2010年1月-2011年3月

自動リダイレクト措置直後、google.com.hkの利用者が大幅に増えたことから、google.cn利用ユーザーの多くが継続して Googleを利用していることが伺えます。また、2011年4月のgoogle.com.hkからの遷移先の約半数がGoogle画像検索やGmail などGoogleが提供する他のサービスに移動しており、Googleが中国本土から撤退後も利用ユーザーから強い支持を受けていることが伺えます。しか し一方、Googleビデオ検索やニュース検索ではgoogle.com.hkへの自動リダイレクトが開始された影響でユーザーが減少しています。特に Googleビデオ検索に関しては自動リダイレクトが開始された2010年3月の翌月から大きくユーザー数が低下しており、2010年3月から4月にかけ てユーザー数が約半数まで落ち込んでいます。これは、断続的で不安定な中国本土からgoogle.com.hkへの接続状況によって、YouTubeなど のオンライン動画サービスの視聴が難しくなったことが要因として考えられます。(図表2)

図表2:中国 Google 各種検索サービスユニークユーザー数推移

出典:コムスコア /メディアメトリックス(Media Metrix)2010年1月-2011年3月

Googleが中国において苦戦を強いられている状況が続く中、中国資本の検索エンジンは着実にシェアを伸ばしています。Google撤退以前より 中国最大の検索エンジンである百度(Baidu)は、ユーザー数をさらに増やしており、2010年3月から2011年3月にかけてユーザー数が約20%増 加しています。同様に中国大手ポータルサイト捜狐(Sohu)が運営する検索エンジン捜狗(Sogou)もGoogleの後を狙い、順調にユーザー数を伸 ばしており、2010年3月から2011年3月にかけてユーザー数を約2.5倍に増加させています。(図表3)なお、捜狗を運営する捜狐は、2010年8 月に中国最大のECサイトを運営するアリババ・グループと検索事業での提携を発表しており、この2社が今後更なるシェア拡大に向けて攻勢をかけてくる事が 予想されます。

図表3:中国 中国資本検索エンジンユニークユーザー数推移

出典:コムスコア /メディアメトリックス(Media Metrix)2010年1月-2011年3月

このように中国資本の検索エンジンが虎視眈々とGoogleのシェアを狙っている中、Googleが中国で置かれている状況はさらに悪化していま す。2011年3月には、中国大手ポータルサイトの一つとして挙げられる新浪(Sina)がGoogleとの提携を解消し、Googleの検索技術利用の 停止を発表しました。また、中国では新たにオンライン地図サービスの運営に政府の許可が必要となり、Googleは中国政府に対して運営許可の申請を未だ 行っておらず、申請の期日である2011年7月以降は中国でGoogleマップが利用できなくなる可能性もあります。コムスコア社のメディアメトリックス では、時系列で対象サイトのデータを測定しており、各事象が複数月にわたってどのような影響をサイトに対してもたらしているかを可視化することが可能と なっております。今後ともGoogleにとって厳しい状況が続くと推察される中国の検索エンジン業界に関して、その動向を追っていくことが肝要となりま す。

調査主旨及び要綱

【調査主旨】
中国の検索エンジン利用動向を調査

【調査要綱】
・ データソース:コムスコア社が提供するネット視聴率データ、メディアメトリックス(中国データ)
・ 調査方法:コムスコア社が保有する調査対象パネルのインターネット使用データを基とした統計予測
・ 調査期間:2011年3月度集計

<航空業界関連ウェブサイト定義>
本調査において検索サービスをインターネット上の情報を総合的に提供している検索サービス及び特定情報 (ニュース・動画)に限定した検索サービスと定義します。

アウンコンサルティング株式会社
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