YMYLとは、”Your Money or Your Life” の頭文字を取った略語です。
直訳するとあなたのお金かあなたの人生、つまりあなたの生活を大きく左右するような重大な要素、というニュアンスになります。
Google検索では、YMYLの扱いを特に重要視しており、信頼性の高いサイトを上位表示させるようアルゴリズムを調整しています。
Googleはユーザーに対して最適な検索結果を提供することを至上としてますから、万が一悪質なサイトへ訪れてしまった際に、マイナスのインパクトが強いYMYLのジャンルに関しては、特に気を遣うようにしているのです。
それでは、具体的にYMYLに該当するジャンルはどういったものでしょうか。
お金に関係する=お金を扱うページと言い換えても良いでしょう。
わかりやすいところで言えば、オンラインでの通販がそれに当たります。
インターネット通販の利用率は年々上がり、野村総合研究所が2018年11月に公表したデータでは、過去1年間におけるインターネットショッピング(EC)を利用した人の割合は58%にのぼると言います。
今や日常生活の一部となりつつあるインターネット通販も、仮に訪れるサイトがカード情報を抜き取るフィッシングを目的としているとすれば、商品を受け取れずにお金だけ取られてしまうことになってしまいます。
次に株式、FXなどの投資関連と、銀行のページ。
こちらは個人の資産に直結する証券口座、銀行口座を扱うため、トラブルが起きた場合のリスクは先程のオンライン通販よりも高まります。
上記のように、お金に関係するもののマイナスのリスクは比較的容易に想像できます。
他にも生命保険や損害保険といった保険のページも、金融商品という観点ではこちらに含まれてきます。
さて、人生を左右する要素は他にどういったものがあるでしょうか?
まず考えられるのは、病気についてのページですね。
アクセスしたページに掲載されている、誤った治療法を実践することで、最悪の場合、命に係わる危険性があります。
日本では2016年末に大きく取り上げられた「WELQ(ウェルク)問題」を基に、2017年末に医療・健康アップデートが行われ、その後も2018年8月の Medic Update など、コンスタントに調整が行われています。
さらには法律のページなどが当てはまります。
法律についても、いい加減な情報を信じてしまうといざというときにマイナスの影響を受けてしまうことでしょう。
冒頭でも述べたように、Google は検索結果からサイトにアクセスしたユーザーが不利益を被らないように、検索結果表示のアルゴリズムを改善し続けています。
その中でもYMYLの領域を扱うサイトは、悪質なサイトにアクセスしてしまうと大きな損失をしてしまうリスクが高く、通常の検索キーワードよりも厳重に取り扱うようにしているのです。
つまり、YMYL 関連のページは、YMYL に該当しないページよりも、コンテンツの品質や正確性について特に高くする必要があるわけです。
Google は、アルゴリズム改善のために協力を得ている検索品質評価者に向けて、検索品質評価ガイドラインという資料を作成しています。検索品質評価ガイドラインの中でも、YMYL についての説明がなされています(2021年1月時点)。YMYL の具体的な例として、次のものが挙げられています。
・ニュースと直近イベント
国際的なイベント、ビジネス、政治、科学、技術などのような重要なトピックについてのニュース。
すべてのニュース記事が必ずしも YMYL だとは限らないことは念頭に置いておくこと。
(スポーツやエンターテインメント、日々の生活のトピックは通常 YMYL とはならない)
・市民論、政府と法律
投票についての情報や、政府の省庁、公的機関、社会福祉、
(離婚、子供の親権、縁組、遺言の作成などの)法律的な問題といったものを維持するために、国民に知らされる重要な情報
・ファイナンス
投資、税金、老後プラン、ローン、銀行、保険に対する財政面での情報
特にオンライン上でユーザーが購入や送金可能なWebページ
・ショッピング
商品やサービスの購入か調査に関連する情報かサービス、
特にオンライン上でユーザーが購入できるWebページ
・健康と安全
医療問題、薬、病院、緊急災害対策、アクティビティがどれほど危険かについての情報
・集団
人種または民族的出身、宗教、障害、年齢、国籍、従軍経験、性的指向、性別または性同一性に基づいてグループ化された人々などに関する情報または主張
・その他
人々の人生において大きな判断か重要な局面に関する他の多くのトピックはYMYLと見なすことができる
フィットネスと栄養、住宅情報、大学の選択、就職など
上記のようなジャンルを取り扱うサイトは、専門性や信頼性を高めるよう心がけることが大切です。
Written by K.K