SEO施策を進めるなかで注意すべきポイントの一つが「カニバリゼーション」です。本記事では、カニバリゼーションの基本知識からチェック方法、具体的な対策法をまとめました。カニバリゼーションという言葉は聞いたことあるけど、それがどのようにSEO効果に影響するのかまでは理解していない方、SEO成果を最大化したい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
ウェブサイトのSEOにおけるキーワードカニバリゼーションとは、自分のサイトの中で、同じキーワードや似たようなキーワードをターゲットとする複数のページが、検索エンジンのランキングで互いに争ってしまう状態を指します。
これは、もともと「共食い」という意味の言葉が転じたものです。SEOの文脈では、「キーワードカニバリゼーション」、「カニバリゼーション」、「カニバリ」などの呼び方が一般的です。
たとえば、同じキーワードで複数のページが検索結果の上位表示を奪い合うことで、キーワードに対する効果が分散し、上位表示がされにくくなる可能性もあります。その結果、せっかく作ったコンテンツの力が十分に発揮できなくなる可能性があります。
同一キーワードで複数のページが競合することで、検索エンジンが最適な表示ページを判断できなくなる点にあります。その結果、本来上位表示させたいページの評価が分散し、検索順位が低下する可能性があります。
例えば、新製品ページと旧モデルページが同じキーワードで争う状況などが挙げられます。これは、せっかく作成したコンテンツの効果を最大限に活かせない、機会損失につながるため、SEO戦略においてカニバリゼーションへの対策は不可欠と言えるでしょう。
カニバリゼーションの兆候を見逃さないこと、また、発生している時点で素早く対処することで早期解決に繋がります。どんなサインがあるのでしょうか?
検索結果で、自社サイトの複数ページが近い順位に表示されている場合は要注意です。このような場合、どちらのページも最適な評価を受けられず、CTR(クリック率)も下がりがちです。
※近い順位とは、例えば、検索結果の1ページ目(1位から10位)の中に、同じキーワードで自社サイトのページが複数表示されている状態を指します。
本来集中すべきキーワード流入が複数ページに分散してしまい、個別ページのCTRが低下する現象もカニバリゼーションによるものです。結果として、サイト全体の集客力が弱まることになります。
カニバリゼーションを早期発見するための、2つの具体的な方法を紹介します。注意点としては、1つのキーワードで複数のURLが検索エンジンに評価されている場合でも、それが必ずしも対策が必要かというとそうではない点です。
「site:ドメイン名 キーワード」と検索することで、対象キーワードでインデックスされている自社ページを確認できます。このコマンドを実行すると、特定のキーワードでインデックスされている自社サイトのページを一覧で確認できます。
例えば、自社サイトで「海外SEO」というキーワードで検索した場合、以下のような検索結果が表示されます。
弊社は海外SEOを専門としているため、このように海外SEOに関連する複数のページが存在するのは自然なことです。しかし、この検索結果を見た際に、意図しないページが上位に表示されている場合、キーワードカニバリゼーションが発生している可能性が高いと考えられます。このような状況が確認できた場合は、早急に対策を検討する必要があるでしょう。
Google Search Consoleで、対象キーワードごとにパフォーマンスレポートを確認しましょう。例えば、「キーワード別に複数URLが表示されている」場合はカニバリゼーションを疑いましょう。ただし、キーワード別に複数URLが表示されているから直ちにカニバリゼーションが起こっていると判断するわけではありません。あくまで、その複数URLの表示回数、クリック数、掲載順位が共食い状態にある場合がカニバリゼーションにあると言えます。
弊社の海外SEOを例にとる場合、Google Search Consoleで調べると複数URLが表示されています。しかし、表示回数、クリック数、平均順位は、上位化させたいページに集中して効果が出ている状況です。その場合は、カニバリゼーションは起こっていないと判断します。
カニバリゼーションが発生した場合、適切な解消策を講じましょう。ここでは4つの主要対策を紹介します。ページをまとめる方法と、まとめない方法という2つの方向性が考えられます。
複数ページが同一の内容、または非常に似通っていて1つのページにまとめても問題ない場合、301リダイレクトやcanonicalタグを使って、検索エンジンに「このページが正規です」と伝えることができます。この方法はすでに存在している1ページを正規化とすつ方法です。
重複コンテンツがSEOに与える影響とは? にて、重複コンテンツがSEOに与える影響や解消方法について説明しているので、ご参照ください。
すでに存在している1ページをそのまま正規化する方法でなく、類似コンテンツ同士を一つの記事にまとめたり、リライトしてテーマを明確にする方法も有効です。これにより、読者満足度も高まり、SEO効果も向上されることが期待できます。
評価されるキーワードが重複しているが、コンテンツ自体は異なる目的があるので1つにまとめない方が良い場合もあります。その場合は、評価が少ない方の対策キーワードの変更を検討しましょう。そのページの対策キーワードに沿ったタイトルタグ、メタディスクリプションタグ、H1タグに修正します。これらのタグの変更のみで、順位に変動がない場合は、コンテンツの中身自体を対策キーワードによりマッチする形でリライトする必要があるでしょう。
どの解消策を選ぶかは、それぞれのページの役割、提供している情報、そしてどのようなユーザーを対象としているかを総合的に見て判断することが大切です。また、対策を実行した後も、効果をきちんと確認し、必要であればさらに改善を重ねていくことが重要になります。
カニバリゼーションを未然に防ぐには、計画的なコンテンツ作成と継続的な管理が不可欠です。そのための有効な手段として、キーワードを重複させないように配置したコンテンツマップの作成をおすすめします。例えば、エクセルシートなどを活用し、各ページのテーマと狙うキーワードを一覧で管理する方法が考えられます。このコンテンツマップを作成することで、計画段階ではキーワードの重複を防ぎ、意図しないカニバリゼーションの発生を抑制できます。
しかし、実際にウェブサイトを運営する上では、コンテンツマップ通りにキーワードからの流入が得られるとは限りません。そのため、キーワード設計とコンテンツマップを軸にサイト運営を進めつつ、定期的に検索順位や流入キーワードの状況をチェックし、カニバリゼーションが発生していないかを定期的に確認することが重要です。
カニバリゼーションは、意識しないうちにSEOの成果を大きく損なう可能性があります。今回ご紹介したチェック方法や対策を参考に、早期発見と迅速な対応を心がけましょう。計画的なコンテンツ運営こそが、ウェブサイトの成長と成功への確実な道筋となります。
カニバリゼーションへの対処法は、各ページの役割、提供する情報、ターゲットユーザーなどを総合的に考慮して判断する必要があります。もし、自社リソースだけでは適切な判断が難しいと感じる場合は、ぜひアウンコンサルティングにご相談ください。私たちは、お客様のウェブサイトに最適なSEO対策をご提案する包括的なコンサルティングサービスを提供しています。不明な点や課題点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。