こちらの記事では7月9日(木)に開催したオンラインセミナーの内容をプログラムごとに解説していきます。
第四回目は「タイのWebマーケティングトレンド」です。
7月9日(木)開催 オンラインセミナーに関する記事はこちら↓
https://www.auncon.co.jp/column/listing/seminarreport0709/
講師紹介
アジェンダ
タイのマクロ環境
タイのWebマーケティング市場について
タイのEC市場について
タイのSNSのトレンドについて
タイのマーケティングトレンドと事例
COVID-19による影響とアフターコロナに向けて
まとめ
アウンコンサルティング 株式会社
山本 祐太朗
略歴:2016年アウンコンサルティングへ新卒入社、約2年間国内の既存営業チームにて活動。海外チームと連携し、インバウンドマーケティング、アウトバウンドマーケティングの支援を行った実績が認められ、2018年よりタイ法人に出向。タイ法人では、新規営業・既存営業・数値管理と幅広い業務をこなし、日本とタイの橋渡しを行う。
山本に関する記事はこちら↓
https://www.wantedly.com/companies/aunconsulting/post_articles/244907
https://www.wantedly.com/companies/aunconsulting/post_articles/209555
https://www.wantedly.com/companies/aunconsulting/post_articles/196467
1.タイのマクロ環境
2.タイのWebマーケティング市場について
3.タイのEC市場について
4.タイのSNSのトレンドについて
5.タイのマーケティングトレンドと事例
6.COVID-19による影響とアフターコロナに向けて
7.まとめ
こちらのセクションでは、タイのWebマーケティングの概要について説明させていただきました。
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以下はタイのマクロ環境をまとめたものです。
人口の規模は日本の半分程度、面積は日本の1.4倍です。共有言語はタイ語で、日本人が日本語を使うのと同じ感覚で使われています。
タイの都市機能はほとんどバンコクに集中しています。以下の写真の上3つがバンコクの写真です。高層ビルがあり、高速道路・電車・地下鉄があり、東京と変わらないほどの都市機能を持っています。
以下はタイと日本のデジタル広告費を比較した表です。
タイの過去7年間のデジタル広告の成長率は363%と、日本よりも高い数値となっております。
以下は、タイにおけるデジタル広告費の内訳です。
FacebookとYouTubeの割合が多く、こちらの2媒体が半数を占めています。日本のデジタル広告にしめるSNSの割合は30%弱で、日本と比較してもSNSに予算を投下している企業が多いことがわかります。
以下はタイと日本のインターネット事情を比較したものです。
1日のインターネットの利用時間について、日本が4時間半なのに対し、タイは9時間と倍以上となっております。また、SNSの利用時間も日本が45分なのに対して3時間弱と、3倍の時間を費やしています。
以下の図は、タイと日本のSNSにおける月間アクティブユーザー率を比較したものです。
すべてのメディアでタイが日本を上回っています。特にFacebookとYouTubeは、インターネット利用者のほとんどが使用しています。
以下はタイで人気のWebサイトをまとめたものです。
上位に日本でも馴染みの深いGoogle、Facebook、YouTubeがランクインしている中で、4位にPantipというタイ独自のメディアがランクインしています。
4位にランクインしていたPantipについて解説いたします。
Pantipは、タイ版の2チャンネルのような(※ただし、非匿名性)口コミサイトです。タイではとてもポピュラーで、老若男女問わず知名度の有るメディアです。「化粧品 Pantip」「(旅行先) Pantip」など、【調べたい情報×Pantip】で検索し、情報収集の際に利用しています。
以下は検索語句としてのPantipをまとめたものです。
Pantipとの掛け合わせで検索されている語句が非常に多いことがわかります。日本旅行の際も、「(日本の観光地名)×Pantip」で検索している方が多く見られます。
以下はタイで最も有名なECサイトです。こちらのサイトはタイに限らず東南アジア全域で大きなシェアを誇っています。
支払い方法について、日本と傾向が異なりますので紹介いたします。
日本ではクレジットカードが全体の6割を締めていますが、タイではその半分の30%に留まっています。クレジットカードに次いでE-walletのシェアが多い状況です。タイにはクレジットカードを持っていない方が多いので、E-walletやBank Transferの利用率が高く、タイへの越境ECをお考えの方は注意が必要です。
以下は、Facebookのフォロワーの多いページをピックアップしたものです。
上がタイで、下が日本のランキングです。
タイでは7位までがファン数1000万を超えていますが、日本は1位のみで、楽天市場でも700万にとどまっています。
タイは、人口が日本の半分なのにも関わらず、ページのファン数は日本の数値を遥かに上回るページが多いのが特徴です。
内容としては、日本はECサイトやTasty JapanなどのHowtoサイトが多く、タイではニュースやテレビ局が上位にランクインしています。
タイ人は日々の情報収集にFacebookを活用しているという傾向がございます。
タイでは、インフルエンサーマーケティングも盛んに行われています。
以下の写真の方はコスメや化粧品の紹介などを行っているインフルエンサーです。Facebookで主に活動していて、フォロワーは160万人を超えています。
日本で一番Facebookのフォロワー数がが多いとされている安倍首相で59万人程度で、それを遥かに超えています。
右側の写真は専科パーフェクトジェルのPRの投稿です。リアクションが5000以上あり、エンゲージメントも非常に高いことが分かります。
次に人気のYouTubeチャンネルについてご紹介させていただきます。
Facebookと同様にYouTubeチャンネルも日本との比較を提示いたしました。YouTubeでもテレビ局やニュースチャンネルの登録数が多く、Facebookと同じ傾向にあることが分かります。
訪日旅行に関するメディアの紹介をさせていただきます。
タイでは、訪日旅行に関する情報に特化したコンテンツを持つFacebookページやYouTubeチャンネルが存在し、日本の旅行情報を季節に合わせて投稿を行っています。このようなメディアに記事広告を配信したり、Facebookに投稿するなどしてプロモーションを行います。
以下はタイで検索されている日本旅行に関するワードを抽出したものです。
東京や大阪といったメインの都市に加えて「名古屋」や「北海道」などの都市の検索数も上位に上がってきています。
こちらは訪日を例にしたタイのカスタマージャーニーマップです。
大きな流れは日本と変わらないものの、FacebookやYouTubeといったSNSがユーザーに与える影響は日本に比べて大きい傾向にあります。
以下に新型コロナウイルスの状況を時系列でまとめさせていただきました。
タイでは1月に初の感染者を確認し、2~4月にかけて感染者が増加し、3月26日に非常事態宣言が出され、外国人の入国が禁止となりました。
デパートなどの商業施設が封鎖され、4月には夜間の外出禁止令が発動するなど、非常に厳しく政府が取締を行いました。
タイは、観光業が盛んな国ですので非常に大きな打撃を受けました。
次に、新型コロナウイルスによる検索トレンドの変化をご紹介いたします。
当然のことながら、「日本旅行」の検索数は著しく減少しています。一方、オンライン英会話やフィットネス関連など、家で楽しむことのできるコンテンツの検索数が上昇しました。
以下は、タイ人を対象に行なった新型コロナウイルスに関する意識調査の結果です。
日本に求める情報発信では「地域の観光スポット」や「日本のコロナ状況」などの項目を求めている方が多く、旅行ができない環境下でも情報を求めている事がわかります。
アフターコロナに向けて、このような方々を対象にコンテンツを拡充していく必要があります。
日本旅行を検討している時期については、コロナが収束してから4~6ヶ月以内の割合が最も高く、この時期に備えたコンテンツの準備などの対応が必要だと考えます。
最後に今回のセミナーのまとめました。
コロナ禍においても日本旅行への関心が高いことから、以下の項目を踏まえてアフターコロナに向けた対策を行っていく必要があります。