アメリカで人気のSNSまとめとマーケティング活用のポイント

アメリカ市場への進出や認知拡大を検討する際、現地のSNS利用状況を把握することは、マーケティング戦略の成否を分ける重要な要素です。アメリカは世界でも有数のSNS先進国であり、その利用目的やユーザー属性はプラットフォームごとに明確な違いがあります。

本記事では、アメリカで高い普及率を誇る主要SNSの特徴と、それらを活用したマーケティングのポイントを客観的な視点で解説します。

アメリカの主要SNS利用状況

DataReportalによると、2025年初頭のアメリカにおけるSNS利用者は全人口の約73%にあたる2億5,300万人に達しており、単なる交流の場を超え、情報検索や購買意思決定を支える生活インフラへと進化しています。目的に応じて複数のプラットフォームを使い分ける「分散型」の利用スタイルが主流です。

以下に、アメリカで特に影響力の大きいSNSを挙げ、それぞれの特徴とマーケティング活用のポイントを解説します。

1. YouTube

アメリカで最も広いリーチを持つプラットフォームです。アメリカにおいてYouTubeは、SNSという枠組みを超え、「最大の動画検索エンジン」かつ「テレビに代わる視聴インフラ」としての地位を確立しています。

• 特徴および普及状況：検索エンジンのような側面を持ち、ハウツー動画やレビュー、エンターテインメントなど多岐にわたるコンテンツが消費されます。18歳から49歳の層では90%以上が利用しており、情報収集の主要なソースとなっています。
• マーケティング活用のポイント：長尺動画による深い理解の促進に加え、短尺の「YouTubeショート」による新規接触も有効です。検索意図に基づいたターゲティングが可能なため、ニーズが顕在化したユーザーへのアプローチに適しています。

YouTube広告の種類や特徴、効果的な運用方法については下記のリンクをご参照ください。

参考：YouTube広告活用ガイド：世界最大の動画プラットフォームの基礎知識を解説

2. Facebook

Meta社が運営するFacebookは、アメリカの18歳以上の成人の約72%が利用しています。若年層の利用時間は減少傾向にあるものの、中高年層や高所得者層において依然として圧倒的な存在感を持っています。

• 特徴および普及状況：実名登録をベースとした信頼性の高いネットワークです。コミュニティ機能（グループ）が活発で、特定の関心事を持つユーザー同士の結びつきが強いのが特徴です。特に40代以上の層や、地方のコミュニティにおいて生活インフラに近い役割を果たしています。
• マーケティング活用のポイント：精度の高い属性ターゲティングが最大のアドバンテージです。B2Cのみならず、意志決定層へのリーチを目的としたB2Bマーケティングにおいても効果を発揮します。

3. Instagram

視覚的な訴求力に優れたInstagramは、アメリカにおいて「ライフスタイルのカタログ」としての役割を担っており、特にZ世代やミレニアル世代にとって、ブランド発見から購買体験の出発点となっています。

• 特徴および普及状況：写真や縦型動画（リール）による直感的な訴求が中心です。ショッピング機能との親和性が非常に高く、認知から購入までの導線が整備されています。商品検索やトレンド把握のために利用されることが多く、インフルエンサーマーケティングが最も活発なプラットフォームの一つです。
• マーケティング活用のポイント：ブランドの世界観を重視したクリエイティブが不可欠です。広告とオーガニック投稿を組み合わせ、ユーザーの興味関心に寄り添ったストーリーテリングを行うことで、ブランドへの愛着を高めることが可能です。

4. Pinterest

世界中でユーザー数が増加し続けているアメリカ発祥の画像・動画検索型のプラットフォームです。多くのSNSが今起きた出来事を共有するのに対し、Pinterestは「未来の自分」のためにアイディアを集める画像専用の検索エンジンとして、他SNSとは異なる独自の地位を築いています。

• 特徴および普及状況：多くのユーザーは特定のブランド名ではなく、「部屋の模様替え」「結婚式のアイデア」といった目的ベースの検索（非ブランド検索）を行い、気に入った画像を「ピン」として保存・整理します。利用者の約7割が女性ですが、近年はZ世代や男性の利用も急増しています。世帯年収が高いユーザーの割合が多く、購買プロセスにおける情報収集ツールとして定着しています。
• マーケティング活用のポイント：ユーザーが具体的な計画を立てる段階でアプローチできるため、高い購買意欲が期待できます。ECサイトへの直接的なトラフィック誘導に優れており、トレンドを先取りした視覚的なコンテンツが効果的です。

Pinterest広告の基本やターゲティング手法等の詳細については下記のリンクをご参照ください。

参考：Pinterest広告活用ガイド：理想の自分を見つけるSNSの基礎知識を解説

5. LinkedIn

ビジネス特化型のSNSとして、アメリカのプロフェッショナル層に不可欠な存在です。単なる交流の場を超え、実名と職歴を公開する「オンライン履歴書」としての役割を担っており、名刺交換の代わりに繋がるのがアメリカのビジネス界の常識となっています。専門性の高い有益な情報交換が行われるため、キャリアアップを目指すアメリカ人にとって最も信頼できるプラットフォームの一つとして盤石の地位を築いています。

• 特徴および普及状況：職歴やスキルに基づいたネットワーク形成が中心です。B2B領域におけるリード獲得や、企業のブランディングに特化した機能が充実しています。ホワイトカラー層の多くがアカウントを保持しており、業界情報の収集やキャリア形成のために日常的に利用されています。
• マーケティング活用のポイント：業種、役職、会社規模など、ビジネス属性に基づいた極めて精度の高いターゲティングが可能です。信頼性を重視したホワイトペーパーの配布や、ウェビナー告知などの施策が馴染みます。

まとめ：戦略的なSNS広告でアメリカ市場の攻略を

アメリカ市場は広大であり、人種、年齢、居住地域によって価値観や行動パターンが大きく異なります。そのため、SNSを単なる「発信の場」として捉えるのではなく、各プラットフォームの特性に合わせてユーザーを細かくセグメント化し、最適なメッセージを届けることが不可欠です。

特に海外展開の初期段階においては、オーガニックな投稿（運用の継続）だけで成果を出すには膨大な時間を要します。そこで推奨されるのが、SNS広告の戦略的な活用です。

各SNSの高度なデータプラットフォームを活用した広告出稿は、短期間で狙ったターゲットに確実にリーチし、認知度向上やコンバージョン獲得を実現するための最も効率的な手段といえます。

アメリカ市場へのSNS広告の展開をご検討の際は、ぜひ一度弊社にご相談ください。