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    2023.01.17

UNWTO 2022年 1年の振り返り

国連世界観光機関(UNWTO)の、Year in Review 2022によると、2022年は旅行業とはなにかを改めて考えさせられる1年でした。旅行業はよりグリーンに賢く、インクルーシブな産業として実際に行動を起こす、というUNWTOのヴィジョンへ世界の国々が舵を取り、観光は持続可能な開発と深く連携する業界だということを表明し実行してきました。(参照※1)ポストコロナ元年となった(?)2022年、今後の観光・旅行業の優先事項などとともに、1年を振り返ってみましょう。

2022年は希望の光とともに始まりました。UNWTOのデータをみると、旅行が慎重にですが、離陸しました。コロナ時代の旅行について、考えを改める1月でした。国連は、旅行業はコロナからの回復に大きな役割を果たすというUNWTOの提唱を、押し広げ、WHOなど国連の各機関とUNWTOと共同で、国境封鎖は感染拡大予防に効果がないことを世界各国へ啓蒙しました。
2月、国連の目標を達成するために、UNWTOとWHOは、渡航規制の解除を呼びかけ、旅行業の回復のため、国際的な信頼構築に協力して取り組むことに同意。世界のリーダーたちが持続可能な社会と環境のための観光を構築に参加することを約束しつつ、2月末には、ロシアのウクライナ軍事侵攻に対して、旅行業界からの平和と連帯声明をUNWTO主導のもと発表しました。
3月も引き続きUNWTOの数値は、2022年は旅行業の再スタートの年であることを映し出しました。UNWTOは、「旅行業再開の中心に女性エンパワーメントを」というガイドラインを発表しました。また、観光を通した文化遺産の促進と保全、持続可能な開発に取り組んでいる地域を表彰する、第2回ベスト・ツーリズム・ビレッジの募集を開始。
ロシアによるウクライナ侵攻を受けて、ロシアの加盟停止を議論する臨時会合開催しました。これはUNWTO史上初めてのことです。UNWTO加盟国は、ロシアの UNWTO 加盟一時停止に投票しました。また、SDGsを増強するため「アウェイク・ツーリズム・チャレンジ(観光チャレンジの目覚め)」を開始。2021年、COP26で採択されたグラスゴー気候同意は継続して発展し、調印参加は500を超えました。
NYの国連本部で、UNWTOと観光が国連今日事項のトップとなり、持続可能な観光が、国連、ハイレベル会合で、初めて議論されました。2022年後半も引き続き、気候変動への速やかな行動と対応拡大を目指します。5月のもう一つのハイライトは、観光中小企業向けのデジタル・フューチャー・プログラムをアップグレードと、旅行者を守る国際コードと顕密に連携して、顧客の権利保護をより強化しました。
将来が不確実な情勢の中、UNWTOのワールド・ツーリズム・バロメーターの報告によると、旅行業は6月も引き続き回復トレンドを継続。この背景には、サウジアラビアのジェッダで第116回UNWTO理事会の開催があります。7月の観光と若者に関する最大のイベントの先立ち、ポルトガルのリスボンで開催された、国連海洋会議で、観光アクションを唱道しました。
UNWTOは、若者のエンパワーメントを優先しています。第1回グローバル・ユース観光サミットが開催され、ソレントCTAを反映した観光決議文を採択するため、57の国から若者が集まりました。また、7月は観光のSDGsへの貢献と役割が、国連事務総長から、UNWTOの統計データからみるSDGs促進と進捗が、レポートされました。
国際旅行は8月も引き続き回復トレンドです。2022年1月~5月の国際旅行者到着数は2億5千万を記録しました。この記録をうけて、9月27日の2022年世界観光デーの開催とテーマが決定しましした。2022年世界観光デーのテーマは「観光を再考する」です。
9月27日の世界観光デーは、観光業界のもつポストコロナの復興を支え、世界中の人々へポジティブな変化を届けるユニークな潜在能力を重要視しました。続いてバリで開催されたG20観光ワーキンググループ会合では、UNWTOは中小旅行業者のためのG20バリガイドラインをプレゼンテーションしました。2022年、年初からの経過をみてみると、観光はコロナ前の60%レベルにまで、回復しました。イタリアでワインツーリズムカンファレンス、スイスで第1回UNWTO学生リーグも開催。
UNWTO国際観光観測団(INSTO)が、新らたにメンバーを増やしますます成長するなか、10月は観光の持続可能性とグリーン・トランスフォーメーションに注目が集まりました。メンバーたちは、汎ヨーロッパ観光において循環型社会と気候変動対策を推進していくことに合意しました。
UNWTO閣僚級会議で、旅行業は様変わりしました。世界からの代表団もUNWTOの旅行業の再考というビジョンに賛同し、会議は成功裏に閉幕しました。UNWTOは、観光セクターがネット・ゼロエミッションを達成することに700以上の団体が署名したグラスゴー宣言に代表される、COP27のなかの旅行業を主張しました。また、2022年1月~9月、国際旅行者到着数は、コロナ前の63%にまで回復したことも報告されました。これにより第117回UNWTO理事会(モロッコ、マラケッシュ)の枠組みが決定されました。
第7回ガストロノミー観光世界フォーラムでは、地方の発展と包括性、持続可能性が、多く議論されました。観光を通して課題を解決した2022年ベスト・ツーリスト・ヴィレッジと学生リーグの勝者を発表しフォーラムは幕を閉じました。2023年は、職業・研修、教育と若者支援、持続可能性と革新性を重要な優先事項として、観光セクターの変容を期待しています。UNWTOは、国連総会を含む世界中の観光の代弁者であり、観光産業はかつてないほど重要性を増しています。

【出典元】           
※1 A Year in Review | 2022 has been the year to rethink tourism | UNWTO
https://www.unwto.org/unwto-2022-a-year-review

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