航空貨物が世界の貿易需要を上回るのは5ヶ月連続
2021年5月、航空業界の貨物量は2019年5月より9.4%増え、新型コロナウィルスによる感染拡大前の水準を上回りました。航空貨物量は13ヶ月連続、回復基調です。ただ、4月は、2019年対比11.3%増加していたため、前月に比べると若干成長率は減速しています。(参照※1、グラフa)世界貿易も2021年4月は2019年4月比で5.2%成長しています。堅調なペースですが、航空貨物(11.3%)の伸び率は下回り、この現象は5ヶ月連続しています。この傾向は、リーマン・ショック後のリバウンドで2009年~2010年にかけて約18ヶ月続いたあと、2018年初旬に記録されて以降、初めてです。(参照※1、グラフb)
製造業やサービス業の購買担当者へ景気の動向を調査したPMI(購買担当者景気指数)を国別に見ると、欧州や北米は、景況感が順調に回復しています。製造業が経済の中心の中国や韓国は、もともと早い時期から回復基調を見せていましたが、引き続き安定しています。今後、消費がモノからサービスへシフトする動きも見られ、航空貨物量へ影響を及ぼす恐れもあります。(参照※1、グラフc)
国際旅客便の減便に伴う貨物スペース不足が続いていますが、航空貨物供給量は徐々に改善してきており、航空貨物需要も引き続き成長傾向です。(参照※1)
【出典元】
※1 Air Cargo Market Analysis — IATA
https://www.iata.org/en/iata-repository/publications/economic-reports/air-freight-monthly-analysis—may-2021/