航空業界は底を打ったか まだまだ先行きは不透明
IATAによると、航空便数が4月21日底を打ち、5月はパンデミック後、初めて30%回復しました。年初と比較すると依然として73%減の状態ですが、3月に急減して以来、初めての回復傾向です。航空券予約数も5月を通して、少ない数ではありますが、意味深長な増加を見せています。航空業界はCOVID-19による最悪のポイントを抜け出し、このまま回復に向かうのでしょうか。(参照※1、グラフa、b)6月26日、イギリスのファイナンシャル・タイムズの紙面に、今までは0だったフライト検索数が、いくつかの目的地で回復のきざしを見せているという記事が掲載されたようです。グラフを見ると、ギリシャやポルトガル、スペインなど、欧州人に人気の観光旅行先への検索が増えています。アジアについては、香港の検索がごく僅かに増えているようですが、ほかは残念ながら日本をはじめ、欧米人に人気のタイやオーストラリアもまだ0のままでした。(参照※2、3)
最新のマッキンゼーの中国の旅行トレンド調査によると、次の短期旅行休暇はいつ?という問いに対し、10月の国慶節との答えが4月・5月ともに一番多く、30%を占めていますが、5月になり、「わからない」という回答が、11%も増加し、先行きの不透明さを表しています。(参照※4、グラフc)
新規感染者数が増え、6月13日から都市封鎖が再開された北京など、各地で第二波に怯える日々が続いています。ただし、状況は流動的で、国どうしの渡航協定が成立すれば、すぐにでも旅行に行きたいと思っている旅行者は多いことを示すデータを多いです。渡航制限が解除されることを祈りつつ、10月の国慶節に向けて、効果的なコロナ対策を行っていることや、忘れ去られないよう日々の情報発信、迎え入れる日のための多言語化など、時間のある今できることに取り組み、旅行解禁に備えることが肝ではないでしょうか。
※1 フライト数4月で底を打ったか – Forbes
https://www.forbes.com/sites/marisagarcia/2020/06/03/airlines-see-signs-of-recovery-from-pits-of-april/#411a9b6c1c80
※2 ロンドンFX|夏休み、本当に海外に行く気なの?
http://londonfx.blog102.fc2.com/blog-entry-6111.html
※3 Financial Times
https://www.ft.com/
※4 中国 旅行熱回復の兆し|マッキンゼー
https://www.mckinsey.com/featured-insights/china/chinas-travel-recovery-gains-steam-how-families-are-planning-their-summer-vacations