ライバルも関係なく様々なコラボレーションで危機に立ち向かう
米Appleが移動トレンドレポート(Mobility Trends Reports)を日々更新し公表しています。Appleマップのルート案内リクエストデータを利用し、世界63の国や主要都市の自動車、歩行者、公共交通機関を利用する人の量の変化を示します。ユーザーの移動や検索履歴は一時的にしか保持せず、プライバシーを保護しながら、地方自治体や保険当局へ役に立つ情報を提供することを目的にしています。(参照※1、※2、図1)Apple移動トレンドレポートページでは、各地域の比較はできませんが、データはすべてCSVでダウンロードすることも可能で、このデータを用いて各都市の比較や世界地図上に表記できるツールをGoogleのDeveloper Advocate のFelipe Hoffa氏が Medium で公開しています。例えば、ミラノ、シンガポール、サンフランシスコ、ニューヨーク、東京を比較したデータを見ると、シンガポールでは2月9日に移動量が減少しはじめ、第2波を防ぐために政府がより厳しい対策をとった4月には、60%まで移動量が減っています。ミラノの移動量は2月28日に急激に減少し、以降4月も80%減のまま。サンフランシスコは屋内退避命令が出た3月16日を境にぐんと60%まで減っています。日本は感染者数が増加し始めた4月初旬まで大きな変動は見られません。(参照※3、グラフa)東京と各都市を比べることで、出稿先の自宅待機命令の厳格さや期間をみることができ、各地で今求められている情報や商品についてヒントを得ることができます。AppleとGoogleは、スマホのデータを利用したCovid-19感染者接触者ツール開発でも協力し合うことを表明しています。世界の2大テック巨頭が、様々な形で共同戦線をはり、危機に立ち向かっています。
※1 COVID‑19 – 移動トレンドレポート – Apple
https://www.apple.com/covid19/mobility
※2 COVID-19対策プレスリリース – Apple
https://www.apple.com/newsroom/2020/04/apple-makes-mobility-data-available-to-aid-covid-19-efforts/
※3 Apple移動トレンド強化ツール:Medium
https://towardsdatascience.com/empowering-apple-mobility-trends-reports-with-bigquery-and-data-studio-1b188ab1c612