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2020.04.22

国内企業のコロナ対策　観光資源発掘

観光資源発掘

新型コロナウィルス感染拡大は、今、日本経済・社会のあらゆるところへ波紋を広げています。北は北海道から南は沖縄まで、タクシーやショッピングモール、ホテルを利用する観光客が激減。百貨店の売上が落ち込み、資生堂の株価も急落しました。観光客の減少で北海道を代表するお土産「白い恋人達」も1ヶ月以上製造停止しています。梱包材や衣料品、日用品など多くの産業で海外からの資材調達が難しくなっています。包装資材の出荷の遅れが日本の食品産業の生産に影響を与える可能性があります。また、ユニクロやTOTOなども新製品の発売を遅らせています。海外からの部品調達が難しくなっていることから、自動車業界も次々と工場を稼働停止や抑制しています。(参照※1)
東京都内では2月中旬、タクシードライバーが新型コロナに感染したことにより、タクシーを敬遠する傾向が一気に広まりました。国内でウイルス感染が確認されて以降、日の丸交通では、「出社時の検温」「営業所出入室時の手洗いと消毒の義務」「マスク着用義務」「車内の換気」「乗客が降車後の車内消毒液散布」など、考えられる安全対策を講じてきました。それでも売上は感染拡大前と比べると3～4割減。乗客とドライバーの「お互いのため」と、運転席と後部座席を大きく仕切るビニールカーテンを導入しました。日の出交通から要望を受けた、フクシンもわずか1週間で専用カーテンを完成。透明で取り外しもできるカーテンには、中央に支払いのためのカバー付きの穴を開けています。キャッシュレス支払いであれば、カーテン越しに行えます。(参照※2、写真a)

コロナショックで多くの中小企業が危機にさらされていますが、大企業も例外ではありません。3月27日、トヨタ自動車が三井住友銀行と三菱UFJ銀行に対し、合計1兆円規模の借入枠設定を要請。約5000人の客室乗務員を一時休業させているとのニュースも出ている、全日本空輸(ANA)も約1000億円の借り入れを検討していると報じられました。トヨタやANAほどの大企業でも、コロナ不況が長期化すれば、数ヶ月で現預金が尽きる事態に直面しています。大企業の現預金が少なくなったのは、消費税増税にコロナショックが重なったから、という声もありますが、実は、増税前の2019年4月期から減速が始まっていたのです。(参照※3)
中国やアメリカなど、COVID-19対策で政府の対応の評判が良くない国では、国よりも民間企業が率先してこのコロナ危機に対応している印象が多いのですが、日本企業のそういう話は、あまり聞こえてきません。コロナショックの約1年前から、企業の体力が衰えてきていたという記事を読み、少し納得です。ですが、中にはこの危機に際して素晴らしい対応をしている企業もあります。全国に先駆けて緊急事態宣言を発令した北海道の既存客へ、福岡の久原本家は、「おいしい物をいっぱい食べてウイルスを追い払ってくださいね」と、まだ寒い北海道の気候を配慮した暖かいお鍋やにゅうめんをプレゼントしました。(参照※4、写真b)

また、患者数や、感染者用の病床数などを都道府県ごとに表示した「新型コロナウイルス対策ダッシュボード」が、ネットで話題です。都道府県ごとに累積退院者数や死亡者数、PCR検査陽性者数、患者数に対して病床数が不足している状況が一目で分ります。このサイトは、ソースコードをGitHubで公開し、誰でも修正を提案できるオープンソースの取り組みで、東京都と非営利団体Code for Japanが3月上旬に回移設した「東京都新型コロナウイルス感染症対策サイト」がきっかけで作られました。(参照※5、図1)このプロジェクトは、新型コロナウイルス対策で台湾の天才IT大臣、オードリー・タン氏も、ソースコードを修正し、話題となっています。3月9日には、総務省、経済産業省とCode for Japanとの連携で、一般企業が公開している新型コロナウイルス問題への支援策をまとめたサイト「VS COVID-19 #民間支援情報ナビ」が公開されています。例えば、自宅学習のために通常は有料で販売している教材ビデオを無償公開するなど、各企業のコロナ対策支援サービスがまとめられています。(参照※6)テレワークを急遽導入などでお困りのことがあれば、このサイトでソリュションを発見できるかもしれません。また、支援サービスを提供している場合は、経済産業省へデータを提供してください。(参照※6)