JTB総合研究所が、2024年以降に実施した調査研究をまとめたレポートをメルマガ登録者限定でダウンロード可能となっています。「ライフスタイルと旅行に関する調査2025 Z世代の暮らしと旅」や「海外在住障害者の日本アクセシブル・ツーリズム認識調査」など、興味深いレポートが多いですが、中でも「旅ナカを次の旅行に向けたショーケースとするために インバウンド旅行者への情報提供に関する調査」について抜粋しご紹介いたします。
JTB総合研究所が、2024年7月に台湾・米国の、過去1年以内に観光目的の日本旅行をした18歳以上の男女を対象に実施した調査レポートです。
調査対象者に、観光を目的としてまた日本を訪れたいかという設問に対し、「1年以内に訪れたい」と答えた割合は、台湾の旅行者77.4%、米国の旅行者が53.6%と、ともに半数を超えています。
次回の訪日旅行で行ってみたい都道府県としては、東京、大阪、京都、北海道が共通して人気があり、台湾では沖縄、米国では福岡も上位に挙がっています。
調査対象者のうち「直近の日本旅行中、日本に着いてから知った情報がきっかけで、事前には予定していなかったが、利用・訪問した物があると回答した人」に、どこから情報を得ているか調査したところ、台湾・米国ともに SNS やインターネットでの検索、YouTube などの動画投稿サイト、家族や友人などの体験談が上位となりました。また、地域別に見ると、台湾では「動画投稿サイト」、「ネットサーフィン」の割合が高く、米国では「SNS」の割合が高い傾向がみられます。
情報として目にする、どのような画像に関心を持ち、行ってみたいと感じるのかは、、国・地域より、年代による違いが大きく、20代は、ビーチや野球場などのアウトドア、ビールやワイン、日本酒といったアルコールの画像に関心が高い傾向がみられました。30代~40代は子どもがいる旅行者も多いのか、キャラクターや体験すること(いちご狩り、奈良のシカとのふれあい、鉄道など)への関心が高く、50歳以上は「食」や芝桜などの景観に惹かれるようです。
旅ナカで新たに得た情報がきっかけで体験することは、主に「食事」や、滞在先の周辺で行える「数時間程度の体験」などでした。これだけを見ると、旅ナカで提供できる情報は限られているようですが、今回の調査では、およそ3割の旅行者が、次回の旅行先としての情報であれば、離れた場所の情報にも関心を持っていることが明らかになりました。
また、関心を持つ情報や情報の接点には、国や地域、年代など、旅行者の属性によって異なる傾向が見受けられました。ターゲットに応じ、提供する情報の内容や提供先を細かく使い分けることが重要と考えられます。
【参照】※1 旅と生活の未来地図 研究レポートセレクション2025 – JTB総合研究所