2024年は日本のインバウンド旅行業界にとって記念すべき年となりました。日本政府観光局(JNTO)の発表によると、2024年の訪日外国人旅行者数は過去最高の36,869,900人に達し、前年比47.1%増となりました。2019年比では15.6%増と、過去最高だった2019年の31,882,049人を約500万人上回り、年間過去最高を更新しました。
観光庁とJNTOは、2023年3月に持続可能な観光、消費額拡大、地方誘客促進を目指した「観光立国推進基本計画」を策定し、これに基づく訪日マーケティング戦略を展開しています。この戦略は、訪日観光に取り組む地域、観光産業界など幅広い関係者のマーケティング活動にも役立つよう策定されていて、地方の観光資源を活用したプロモーションや、高付加価値旅行の誘致が含まれています。
新しい「観光立国推進基本計画」では、訪日外国人旅行消費額(5兆円、消費額単価20万円/人)、訪日外国人旅行者一人当たり地方部宿泊数(2泊)、訪日外国人旅行者数(2019年水準超え)といった政府目標が掲げられています。
こういった政府目標達成のためにも、オンラインマーケティングの効果的な活用も重要とみなし、JNTOではさまざまな活用支援を行っています。JNTOは、各国の市場動向を分析し、ターゲット層に合わせたきめ細やかなプロモーションを展開し、特に、SNSやデジタル広告を活用したプロモーションが成功を収めています。JNTOが実際に運用を行って集積してきたノウハウや知見などをガイドラインとして公開しています。例えば、InstagramやFacebookで効果的に情報発信するためのフィード投稿やストーリーズ投稿のポイントやコメント対応などについて、具体的にガイドラインにまとめられています。
さらに、最近では AI を活用したデジタルマーケティングも進化しています。楽天トラベルや JTB などの旅行会社は、AI を用いたパーソナライズドな旅行プランの提案を行い、ユーザーのニーズに応じたサービスを提供しています。これにより、訪日旅行者の満足度が向上し、リピーターの増加にもつながっています。
このように、2024年のインバウンド旅行業界は、続く円安傾向や長い間、旅行に行けなかったリベンジ需要もあり、桜や紅葉シーズン、夏季休暇など旅行ピークシーズンを中心に、コロナ前の水準を上回る回復を遂げました。さらに AI の登場などオンラインマーケティングは今後もどんどん進化していくことでしょう。今後はデジタルツールを活用し、効果的なプロモーションを展開することで、さらなる成長が期待されます。
今後も、インバウンド旅行業界の最新動向を把握し、適切なマーケティング戦略を立てることが、成功の鍵となります。
1: 訪日外客数(2024年12月および年間推計値)|JNTO
2: 新たな「訪日マーケティング戦略」を策定!|JNTO
3: デジタルマーケティングの活用支援|JNTO
4: 効果的な情報発信のためのInstagram運用ガイドライン|JNTO