航空チケット予約システムなどを販売し、高品質のフライトデータベースを持つOAGが、日本の航空便数について分析と回復予測をしています。
2000年頃、日本の航空市場規模は世界第2位でした。2024年に入っても、まだ世界第4位にとどまっています。回復の遅れは、まず、飛行機がロシア上空を飛べないことによるフライト時間が2時間以上長くなっている状態が続いている点です。フライト時間が長くなれば運用コストが増加します。(参照※1、グラフa)さらに世界的なパイロットの人材不足問題もあり、コロナ以前はドル箱路線だった日本-欧州や日本-北米路線数は、未だコロナ前の水準に回復していません。
コロナ前、日本への国際航空便利用シェア第一位は中国でした。2024年、中国は1位の韓国についで2位にとどまり、2019年より29%少ない水準です。(参照※1、グラフb)日本-中国路線がコロナ前す順に回復するのは2027年以降と見込まれます。また、航空便数が回復したとしても、中国経済が回復しているかは未知数です。
円安により、海外から日本へは旅行しやすくなりましたが、日本から海外旅行へ行くコストが高く、さらに日本は少子化も進んでいるため、海外路線だけでなく国内路線にも影響が考えられるでしょう。これら、さまざまな状況を鑑みると、日本の航空市場規模が2位に戻ることはおろか、3位に順位をあげることも難しいと考えられます。
【出典元】 ※1 Japan’s Slowly Rising Recovery: Swimming against a Tide of Adversity – OAG