英国本社のメディア業界ニュースサイトThe Drumが、マクドナルド・インドネシア広告について、記事を書いています。ヘッドラインは、「マクドナルドのJ-Popジングルがどうやってインドネシアのヒット曲となったのか」です。2023年9月半ば、インドネシアの人気歌手で、現在は日本在住のイチャ・ザハラさんがJ-Popソング、「日本のフレーバー」をリリースしました。全編日本語歌詞で歌うこの曲は、当初、イチャ・ザハラさん名義で、音楽プラットフォームで発売が開始され、好評を博しました。ただし、その時点では、歌詞の字幕は公開されておらず、リスナーは単に耳に心地よいJ-Popトラックとして聞いていました。人気が出たあと、満を持して広告であることを明らかにし、今度は字幕つきでマクドナルドが再度リリースしました。その時、はじめて、この曲が「やわらかいパン。パリパリな海苔、焼肉のたれ、本場の味」と、マクドナルドのテイスト・オブ・ジャパンという新商品を歌ったものだと、リスナーにはわかったのです。「インドネシアの若者たちは、漫画アートから、J-Popソング、ストリートファッションにいたるまで、日本のものすべてを愛していますが、その意味は理解していないという事象に気がつき、未翻訳広告というアイディアを思いつきました。」と広告のクリエィティブ・チーフは語っています。(参照※1、写真1)NYのエンタメ情報サイト、Distractifyは、2023年9月20日に、日本マクドナルド公式Twitterアカウントに投稿されたアニメーション広告について報じています。話題の広告は、家族が、マックナゲットとフライドポテトを食べる美しいアニメーションで、BGMにはローファイ・ヒップホップ調のリズミカルなサウンドトラックが使われています。インターネットの反応は、幸せな家族像をかわいらしいと称賛する声と、「これは、日本の少子化問題へのプロパガンダなのでは?」といういささかシリアスな反応と、真っ二つに分かれました。米国では、この広告をもとに様々なミームが誕生しています。(参照※2)日本マクドナルドの広告につかわれている曲は「あかとんぼ」なんですけれどもね。インドネシアの若者の日本観など、日本の海外からの見られ方が興味深いです。
【出典元】
※1 How McDonald’s J-pop Jingle Became An Indonesian Smash Hit | The Drum
https://www.thedrum.com/news/2023/08/31/how-mcdonald-s-j-pop-jingle-became-indonesian-smash-hit
※2 This Animated Japanese McDonald’s Ad Has Garnered Some Surprisingly Different Reactions | Distractify
https://www.msn.com/en-us/news/world/this-animated-japanese-mcdonalds-ad-has-garnered-some-surprisingly-different-reactions/ar-AA1h7rIs#image=1