• 2025.05.08

【生成AI市場の動向】世界40カ国・地域におけるAI関連の検索キーワード調査

 グローバルマーケティング事業*を展開しているアウンコンサルティング株式会社(東証スタンダード市場:2459、本社:東京都千代田区、代表取締役CEO:信太明、以下「アウンコンサルティング」)はこの度、世界40カ国・地域を対象に、2025年1月15日から2025年4月10日までの期間における、「AI」に関連したGoogle検索のキーワードを調査**しましたので、その結果をお知らせいたします。

 前回の調査を行った際のリリース(2025年02月13日)はこちらをご覧ください。

 *海外SEO (検索エンジン最適化)、および海外広告 (サービス概要:https://www.auncon.co.jp/service/)
 **今回の調査における各検索キーワードのランキングは、「Googleトレンド」により集計された、注目度を反映したものとなっており、推定値であることにご留意ください。

■はじめに

 現在、生成AI市場は、技術のアップデートや新しい生成AIツールの登場などにより、めまぐるしく変化しています。特に今回の調査における各検索キーワードのランキングでは、動画生成に注目が集まっていた前回の調査*より大幅に異なる結果となり、AIが自律的にタスクを実行する「AI エージェント」に関する検索や、OpenAI社が提供するAI言語モデルのアップグレードにより精度が向上した画像生成機能を活用した、特定アニメ作品の作風に模した画像生成に関する検索など、各AIシステムの技術革新への注目が各国・地域の検索キーワードランキングに反映されています。
 今後、生成AI市場において、多様化、高度化するAIの技術革新やトレンドの変化など、市場の動向を常に把握するだけでなく、市場のニーズに沿ったAIを活用した戦略的なプロモーション施策の展開など、AI技術の実用化によるビジネスの成長が重要だと言えます。引き続き最新の動向に注目です。

 *前回(2025年2月)のリリースはこちらをご覧ください。

各国・地域のGoogleトレンドのトップ10にランクインした検索キーワード

複数の国・地域のランキングでランクインした検索キーワード

※生成AIツール名などのキーワードが、Google トレンドのトップ10にいくつの国・地域でランクインしたのかを示しています。

■AIエージェント「Manus(マヌス)」の注目

 中国のスタートアップ企業「Monica(モニカ)」により、自律型汎用AIエージェント「Manus(マヌス)」が2025年3月に公開されました。Manusは、一度の指示で自ら内容を判断し、タスクの計画・実行・検証を可能としており、自律性の高さや複雑なタスクへの実行力などで大きな注目を集め、34カ国・地域の検索キーワードランキングでランクインしました。
 また、Manusのホームページ(※1)によると、AIアシスタントの総合的な能力を評価するGAIAベンチマークにて最先端のパフォーマンスを達成したとされており、さらにはデバイスの電源を切っていても作業の継続と結果の提供を行う、非同期バックグラウンド処理など、革新的な機能を備えています。
 2025年は「AIエージェント元年」と言われており、現時点で発展途上とも言えるAIエージェント市場において、Manusの登場で、さらなるAI技術の進化や市場の発展が期待できます。引き続き、AIエージェント市場の動向に注目し、ビジネスや日常生活においても、効率化や自動化など技術を反映させていくことが重要であると言えます。

■DeepSeek(ディープシーク)による世界の影響

 「DeepSeek(ディープシーク)」に関するキーワードが、24カ国・地域の検索キーワードランキングにランクインしました。DeepSeekは2023年5月に中国で設立され、およそ2年後の2025年1月には、高性能な大規模言語モデル「DeepSeek-R1」を発表し、安価なコストで高性能なAIモデルを実現したことや、その開発スピードなどが大きな話題となりました。
 また、DeepSeekの登場は世界の株式市場にも影響を与え、特にアメリカの半導体メーカーである「NVIDIA Corporation(以下NVIDIA社)」などは、需要の低下に対する懸念などから、投資家による株の売却が広がり、AI関連企業の株価が下落する、いわゆる「DeepSeekショック」と呼ばれ、世界の注目を集める一因になったと言えます。ただし、その後DeepSeekの技術にはNVIDIAチップが使用されており、根本的な半導体の需要減少には直結しないことが明らかになったことなどから、株価の下落は一時的なものとなっています。

 DeepSeekにおいては、情報の取り扱いや脆弱性に関する指摘のほか、日本を含む各国・地域にて利用に関する注意換気や規制強化、制限が行われています。今後、AI技術はさらなる発展に期待できる一方、DeepSeekに限らず、AI技術を利用する際には、機密情報の取り扱いに留意する必要があります。AI技術の進化を理解し、安全かつ効果的に活用することが、ビジネスの発展においても重要です。

■画像生成機能の精度向上により世界で流行した利用方法と著作権

 OpenAI社が2025年3月に発表(※2)した、最新の対話型AIモデル「GPT-4o」のアップデートにより、画像生成の際に作風の指示が可能になるなど、高精度な画像生成機能の実装に注目が集まりました。これを受けて、自身の写真やペット、風景などを、株式会社スタジオジブリ(STUDIO GHIBLI INC.)の作品に登場するようなアニメーション画像に変換して生成するといった利用方法がSNSを中心に世界で流行し、日本では「ジブリ 風 ai」、その他の国や地域では「ai 吉 卜 力 風格(AI ジブリ風)」「ghibli style ai」などの検索キーワードが、36カ国・地域の検索キーワードランキングにランクインし、注目度の高さが明らかになりました。
 一方、AIの学習データへの著作権に関する懸念の声もあります。4月16日に行われた衆議院内閣委員会(※3)では、文部科学省の中原裕彦文部科学戦略官より、最終的には司法の判断になるとしつつ、著作権法において「単に作風・アイデアが類似しているのみであれば、著作権侵害に当たらない」と述べられました。一方で「既存の著作物との類似性及び、依拠性が認められれば著作権侵害となり得る」とも発言されており、生成した画像を活用した際のプロモーション方法によっては、著作権侵害のリスクがあるため、慎重に取り扱う必要があると言えます。
 AIの学習データや生成物に関する著作権への対応や議論は世界中で行われており、技術の発展とともに、法制度の整備が求められています。引き続き、著作権法の改正や方向性、リスクなどを正しく理解し、企業・個人共に慎重かつ適切な対応が求められます。

■ヨーロッパにおけるMeta AIのアップデート

 2025年3月に、SNSの「Facebook」やメッセージングアプリの「WhatsApp」を所有する「Meta Platforms, Inc.」により、ヨーロッパ諸国を中心にWhatsAppアプリへの「Meta AI」の正式導入が発表されました(※4)。これにより、WhatsAppにおいて、テキストベースの質問応答やグループチャットへのAI参加、画像生成や翻訳などが効率的に行えるようになりました。
 しかし、今回の調査における各検索キーワードのランキングでは「meta ai whatsapp deaktivieren(meta ai whatsapp を無効にする)」などのMeta AIを無効にする方法を調べる主旨のキーワードがヨーロッパの7カ国の検索キーワードランキングでランクインし、多くのユーザーがMeta AIの機能の使用には慎重な姿勢を示していることがわかりました。
 その要因として、プライバシーに関する懸念があると考えられます。Meta Platforms, Inc.は、2024年6月にEU・英国を対象に「2007年以降のFacebook/Instagramユーザーの公開データをAIトレーニングに利用する」旨の内容を含むプライバシーポリシーの変更(※5)を行っており、非公開のメッセージや18歳未満のユーザーの公開データは対象外としているものの、EU域内の成人ユーザーに限定した適用範囲や、オプトアウト手続きの複雑さなどからユーザーの反発を招いています。さらに、2025年4月時点で、WhatsAppからMeta AIを無効化する明示的なオプションが提供されていない点もユーザーが利用に慎重となる一因であると考えられます。
 今後、ユーザーのデータ活用の範囲が、EUのみならず日本を含むその他の国や地域に拡大する可能性もあります。Meta AIのポリシーの変化にも注目しながら、Meta AIに限らず、送信するデータが、どのように保存され利用されているのか、プラットフォームごとに理解した上で、情報の取り扱いには留意しながら活用する必要があると言えます。

■さいごに

 各種AIを活用することで、業務の効率化や新たな価値の創出が期待できる一方、倫理的な側面や法的な規制にも配慮することが重要です。今後も、著作権の遵守や入力データの保存先、プライバシー保護に細心の注意を払いながら、適切なAI技術の導入と活用を行い、持続可能なビジネスの発展へとつなげていく事が重要です。

【国・地域別 検索キーワードランキング】

調査概要

【調査主旨】
世界40カ国・地域におけるAI関連の検索キーワード調査

【調査要綱】
・対象国・地域: OECD加盟主要国を中心にアウンコンサルティングにて抽出した40カ国・地域
・検索キーワード順位データ:Googleトレンド – https://trends.google.co.jp/trends/
 <データ取得条件>
 [検索キーワード]:「AI」
 [対象期間]:2025/01/15~2025/04/10
 [カテゴリ]:すべてのカテゴリ
 [取得データ]:関連キーワードを「注目」の指標で並び替えた上位10件を取得(※生成AIに関連しないキーワードは除外)
・調査実施期間:2025年4月10日~2025年4月21日
・Googleトレンドの集計に関する詳細:Googleトレンドのデータに関するよくある質問 – https://support.google.com/trends/answer/4365533

【出典】
(※1) Manus , https://manus.im/?index=1
(※2) OpenAI – リリース(2025年3月25日) – 4o Image Generation が登場 , https://openai.com/ja-JP/index/introducing-4o-image-generation/
(※3) 衆議院インターネット審議中継(2025年4月16日) ,  https://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=55703
(※4) Meta – Newsroom(2025年3月19日) – Europe, Meet Your Newest Assistant: Meta AI , https://about.fb.com/news/2025/03/europe-meet-your-newest-assistant-meta-ai/
(※5) Meta – Newsroom(2024年6月10日) – Building AI Technology for Europeans in a Transparent and Responsible Way , https://about.fb.com/news/2024/06/building-ai-technology-for-europeans-in-a-transparent-and-responsible-way/

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