インターネット上の情報保護がますます重要視される中、Webサイトの「SSL化(HTTPS対応)」は、単なるセキュリティ対策にとどまらず、SEO(検索エンジン最適化)やユーザー信頼の獲得においても不可欠な施策となっています。
本記事では、Googleの方針、ブラウザの動向、ユーザーの反応をもとに、SSL化の必要性と導入時のポイントをわかりやすく解説します。
SSL化(HTTPS)は、Webサイトとユーザーの間で送受信されるデータを暗号化する仕組みです。これにより、クレジットカード情報やログイン情報などの個人データを安全に守ることができます。特に取引や個人情報を扱うサイトではHTTPS対応は強く推奨されており、ユーザーの信頼性向上に直結します。
通常、SSL化されていないサイトは「http://」で始まりますが、SSL化されたサイトは「https://」で始まり、多くのブラウザのアドレスバーに鍵マークが表示されます。
Googleは2014年、HTTPSを検索ランキングの要因の一つに加えることを公式に発表しました。(※1)当初、その影響は検索全体の1%未満とごくわずかでしたが、Googleが継続的にHTTPS化を推進していることもあり、今ではHTTPSが事実上の標準となりつつあります。
Chromeブラウザを通じて見ているウェブサイトでは、2025年現在、日本において閲覧されているページはほとんどHTTPS化されています。Google Transparency Reportによると、下記項目において、日本ではどちらとも95%以上の割合になっています。(※2)
・閲覧した「ページ数」 のうち、HTTPSで読み込まれたページの割合
・閲覧した「時間」 のうち、HTTPSのページを閲覧した時間の割合
もはや「HTTPS対応しているから有利」ではなく、「HTTPのままだと不利」という時代に突入しています。
近年では、ブラウザ側の対応も大きく変化しています。Chromeでは、HTTPS接続が「当たり前」とされ、鍵マークの表示が縮小・廃止される一方、HTTPサイトには「保護されていない通信」と明確な警告が表示されます。
HTTPS対応サイトであることは、ユーザーにとって視覚的に明らかであり、もはや安心感の最低ラインと言えます。もしHTTPS対応でなく警告が表示されるような場合、ユーザーは不安感を覚え、ページから離脱してしまう可能性が高まります。
SSL化を正しく導入するには、以下のようなステップが欠かせません。
・SSL証明書の取得
無料(DV) or 有料(OV/EV)をサイトの目的に応じて選択
・301リダイレクト設定
HTTPからHTTPSへ恒久的に転送する設定
・混在コンテンツの修正
すべてのファイル(画像・CSS等)をHTTPS化
・Google Search Consoleの再登録
新しいHTTPS版のプロパティを登録し、サイトマップも送信
・Google AnalyticsのURL変更
デフォルトのURLをHTTPSに更新
・内部リンクやcanonicalの見直し
サイト全体のリンクをHTTPSで統一
SSL化(HTTPS)は、現在では実質的に標準的な安全対策とも言えます。安全で信頼されるサイト運営のためにも、まだ未対応の方は今すぐSSL化の準備をはじめましょう。
自社サイトに関して何から手を付けてよいかわからない、HTTPS移行後のSEO対策に不安がある場合は、是非弊社までお問い合わせください。
【出典元】
※1 ランキング シグナルとしての HTTPS |Google 検索セントラル ブログ
※2 ウェブ上での HTTPS 暗号化|Google 透明性レポート