2024年も終わりに近づき、多くの英語辞書が、毎年恒例の Word of The Year(WOTY)今年の単語を選出し発表しています。
まずは2003年から、WOTY を選出しているアメリカの英語辞書、メリアム=ウェブスターが選んだ2024年の単語は「Polarization」です。メリアム=ウェブスターは「Polarization」の意味を、「全く正反対の対局に分裂している様子。特に同じ意見や信条、興味をもつグループや交流のある人どうしが、グラデーションなく集中し、極端で過激になりやすい様」と定義しています。
「Polarization」のほか、8月に TikTok に端を発しミームとなった「demure」や米国では13の州で観測できた4月の皆既日食を表す「totality」、3月にマルティモアで船が衝突し橋が崩壊した事件に使われた「allision」も言及されています。
オックスフォード英語辞典は、今年もノミネート単語を事前に公開し、一般投票で WOTY を決めました。投票の結果、「brain rot」が選ばれています。もしも今年、あなたが低品質のオンライン・コンテンツ、特に SNS のコンテンツを何時間もスクロールし、脳が腐ったように感じたことがあるとしたら、この WOTY に共感できるでしょう。
11月5日行われた米国大統領選挙よりも前に、コリンズ英語辞書は、「brat」を WOTY に選出しました。「手に負えないガキ」という意味だった「brat」は、2024年に「自信に溢れ、自立した、快楽主義な性格」という意味に新たに定義づけられたと、コリンズ英語辞書は説明しています。2024年に大ヒットした Charli XCX のアルバム名であると同時に、カマラ・ハリス大統領候補を表す単語として使われていました。
Dictionary.com が選んだ、2024年のWOTY は、「demure」です。この単語の使用は2024年に爆発的に増加しました。2024年1月と8月を比べると、デジタル・ウェブ・メディアでの使用は、約1200%も増加しています。Dictionary.com での「demure」検索数も、8月には200倍も増加しました。
2023年の WOTY だった「authentic(本物の)」や「hallucinate([AIの]幻覚)」も「オーセンティック」や「ハルシネーション」とカタカナで日本でもよくみかけるようになったのではないでしょうか?2024年の WOTY もすべてがカタカナとなって日本でもある程度、普及するかは定かではありませんが、いくつかは定着していくのではないでしょうか?
【出典元】
※1 From Polarization to Brain Rot to Brat, 2024’s Words of the Year Reflect Online Power and Peril | Scientific American
※2 Word of the Year 2024 | Polarization | Merriam-Webster
※3 Oxford Word of the Year 2024 | Oxford University Press
※4 The Collins Word of the Year 2024 is… | Collins
※5 Dictionary.com’s 2024 Word of the Year Is… | Dictionary.com