トラベル・チューズデイ（旅行の火曜日）とは？ | McKinsey

トラベル・チューズデー（旅行の火曜日）を聞いたことがありますか？ブラックフライデーとサイバーマンデーについてはご存知の方も多いでしょう。米国では感謝祭(毎年11月の第四木曜日)の翌日の金曜日をブラックフライデーと呼び、セールが大体的に行われます。その翌日はスモールビジネスサタデーで、小規模な個人商店に買い物客を誘導しようとクレジットカード会社のアメリカンエクスプレスが2010年にはじめました。週があけて月曜日はサイバーマンデーと呼ばれ、週末が終わっても多くの消費者がホリデー・ギフトをオンラインで購入し続けている現象に、全米小売業協会が2005年、サイバーマンデーと名付けました。
感謝祭に付随したシーズナルマーケティングに、最近加わったのが、トラベル・チューズデーです。ニューヨーク・タイムズによるとこのトラベル・チューズデーのコンセンプトは2018年にオンライン旅行予約サイト Hopper がはじめたものとしています。
Google での検索ボリュームをみてみると、少しずつですが「Travel Tuesday」の検索がここ数年で増えてきています。「Cyber Monday」の検索ボリュームのほうが依然として10倍以上の検索ボリュームがありますが、「Cyber Monday」の検索ボリュームはだんだん減ってきています。「Travel Tuesday」の検索ボリュームは2年連続で5倍以上の成長率です。

「Travel Tuesday」は今のところ、北米での現象となっています。2020年～2023年の「Travel Tuesday」の検索ボリュームは、米国とカナダに集中しています。オーストラリアや英国などでも増えてきています。
アジアの国々ではほとんど検索されていません。アジア市場での最大のショッピングセールイベントは、1993年に始まった11月11日のシングルデーです。

旅行マーケティング会社 Sojern のデータによると、2023年のトラベル・チューズデー（2023年11月28日）は、米国のホテル、クルーズ、航空券予約が、前後2週間と比較して、顕著に増えています。また、人気の旅行先は、温かい気候のリゾート施設です。
感謝祭後のこの時期は、クリスマスや年末旅行を予約するにはやや遅く、翌年の夏の休暇旅行を予約するには早すぎるため、通常であれば旅行予約は少なくなる時期です。旅行業界関係者は、11月下旬から12月上旬というこの期間の収益を強化するチャンスに「Travel Tuesday」を活用できます。
ブラックフライデーやサイバーマンデーなど、他のショッピングデーが、今や北米を超えてヨーロッパ諸国に定着し、アジアへも波及していることを考えると、このトレンドを認識し、先駆者になることで利益を得られる可能性があります。

【出典元】※1 What is Travel Tuesday? | McKinsey