検索傾向から読み取る、ベトナムのトレンド調査

 アウンコンサルティング株式会社(東証二部:2459、本社:東京都文京区、代表取締役:信太明、以下アウンコンサルティング)は、アジア9拠点で、マーケティング(SEM(検索エンジンマーケティング)サービス、インターネット広告など)、アセットなどのグローバルコンサルティングを展開し、2017年6月より第20期目を迎えております。この度、ベトナムを対象に、検索結果から食文化や交通に関するトレンド調査を行いました。

■調査項目
1.ベトナムのデジタルマーケティング事情
2.CốcCốc(コック・コック)とは?
3.検索トレンド調査(1)-コンビニ
4.検索トレンド調査(2)-カフェ
5.検索トレンド調査(3)-移動交通

ベトナムのデジタルマーケティング事情

 ベトナムは、人口約9,263万人、1人あたりの名目GDPが2,173(USD)(※1)と、タイなどのASEAN諸国と比べても高い経済成長率を示しています。インフレ率も安定的に推移しており、経常収支も2012年以降黒字が続いている中、インターネット利用者においては、2013年から30%近く増加(※2)しています。(図1)

 また、ベトナムは国を挙げて情報通信技術へ注力しており、人口の半分以上がインターネットを利用し、スマートフォンの普及率は約78%と今後も緩やかな推移が見込まれており、これからのデジタルマーケティング事情に注目していくことはとても重要なことです。
以下に、ベトナムの2016年10月から2017年9月までのデジタルマーケティング利用状況をまとめました。

 検索エンジンシェアにおいては、GoogleがPC・モバイル共にシェアの約9割を占めており、モバイル機種のシェアについては、主にアジア圏においてシェア率の高いSamsungと欧米圏においてシェア率の高いAppleが同規模のシェアとなっています。(図2、図3)※3
SNSシェア率についてはFacebookが8割以上と高い数値を誇っており、次いでTwitterという結果となっております。(図4)

 ここで注目したいのが、検索エンジンシェアのPC部門で5%以上のシェアを占めている「CốcCốc」です。まだ世界的には知名度は高くありませんが、ベトナム国内で人気のある検索エンジンです。その理由をご紹介いたします。

CốcCốc とは?

 CốcCốcは、ハノイ(ベトナム)を拠点としている、ベトナム最大の検索エンジンです。モスクワ大学(MSU)の卒業生である3人のベトナム人プログラマーによって2012年に設立され、2017年11月現在のユーザー数は2,200万人以上であり、広告プラットフォームとしても効果的に活用されています。(※CốcCốc:https://coccoc.com/
検索画面トップには、方程式など数式で検索すると答えが表示される検索ページや芸能人検索に特化した専用の検索ページへのリンクを用意するなど、ユニークなサービスも見受けられます。
下記にCốcCốc がベトナムで人気の理由をまとめました。

■ベトナムユーザーにローカライズしている
ベトナム語は、アルファベットの母音ごとに6種類の声調記号が存在するなど表記が複雑で、この声調記号がある文字を含めると通常のアルファベットよりも文字の種類が多いことがわかります。ベトナム人は従来の検索エンジンを使う際、発音記号を入れずアルファベットで検索するため、意図しない検索結果も多数ヒットしてしまいます。一方、CốcCốcでは、ベトナム語の対応と予測変換機能を充実させることによって、少ないタイピングでも期待通りの検索結果を実現しています。
この予測変換機能とは、アルファベットで検索をかける際、予測変換に複数のベトナム語表記が表示される機能です。また、CốcCốcで開いたメールやチャットでも同様の予測変換機能を使うことができます。

■スペルチェック機能
間違った単語には赤線が引かれ、その単語をダブルクリックすると単語の意味が表示されます。(図5)

■英語対応
ブラウザページ上に表示されるアルファベットをダブルクリックすると、変換された英語が表示されます。(図6)

■Facebookへのアクセスのしやすさ
CốcCốcのブラウザには、Facebookへのリンクが設定されています。概要でも述べたように、ベトナム人におけるSNSユーザーの中で8割以上がFacebookを使用しているため、Facebookへスムーズにアクセスできることも、一定の支持を受けている要因かと考えられます。

■広告プラットフォームとしても活用されている
CốcCốc は、広告のプラットフォームとしても有効的に活用されており、ブラウザページの右側と検索ボックスの下方に検索連動型や履歴連動型のクリック課金広告サービスを展開しています。また、ページの右側に表示される広告は、タブごとに異なった広告となるよう設定されており、できるだけ多くの広告をユーザーに見てもらえるよう工夫されています。

■化学反応式を導き出す機能を搭載
検索ボックスに「 C2H5OH + 3O2 」と入力すると、「 C2H5OH + 3O2 =2CO2 + 3H2O 」と化学反応式を表示するという、ユニークな機能もあります。

ベトナムにおいて独自性が光る「CốcCốc」の強みは、ローカルの生活に根ざしたサービスを提供しているところにあります。比較的Google一強(中国を除いて)になりつつある検索エンジン市場において、ベトナムに限らず、このようなローカルに根ざした視点で開発された検索エンジンの今後に注目したいところです。

検索トレンド調査(1) -コンビニ-

 近年店舗数が急増しているコンビニについて調査いたしました。ベトナムに進出している日系のコンビニの中で、最初に進出したのは2009年のファミリーマートです。現在147店舗(2017年9月時点)と圧倒的な店舗数を誇っています。
また、国内においては不動産開発のビングループ傘下のVinMart+は、本業の不動産業を活かした好立地への出店を得意としており、800店舗近くを占めています。(図7)

 ベトナム国内での検索結果については図8のようになりました。概ね店舗数と比例して推移しており、VinMart+を筆頭に日系コンビニチェーン店への関心も増加傾向にあることがわかります。また、6月に検索数が増加しているのは、セブン‐イレブンの店舗1号店から4号店が、6月から7月にかけてホーチミン市内に相次いでオープンしたことが要因と推測されます。

 一方、日本のコンビニチェーン別検索数を見てみると(図9)、セブン‐イレブンの数値が圧倒的に高く、次いでファミリーマートとなっております。日本とベトナムの数値を比較すると、日本人はコンビニのブランドにこだわらず探しているということがわかります。

検索トレンド調査(2) -カフェ-

 ベトナムでは 経済発展と所得上昇に伴い、様々な分野で消費者需要が伸びており、外食産業も同様の状況です。カフェは若年層から高齢層まで幅広い年代で利用されており、従来の路上カフェ、個人経営カフェに加えて最近はチェーン店も増加しています。 Trung Nguyen coffee 、Highlands coffee などの国内のチェーン店、外資系では2013年に進出したStarbucksが店舗数を拡大しています。(図10)

 ブランド名に比べて「カフェ」での検索数が多いことが、図11よりわかります。コンビニとは違い、カフェに関してはブランドにこだわらず探していると考えられます。

検索トレンド調査(3) -交通-

 交通に関しては、自動車メーカー別と交通手段別に分けて調査いたしました。ベトナムは、交通手段においてはバイクが主流で、バイク天国といわれることが多いようです。また、ベトナム人がバイクのことをホンダと呼ぶ風潮やバイクの販売台数のシェアを見ても、ベトナムにおけるホンダの認知度の高さがわかります。(図12)

 検索数においても、「購入 車」の意味を表すベトナム語が390回なのに対して、「購入 バイク」の意味を表すベトナム語は3,600回と、約10倍の差があるという結果となりました。また、図14にもあるように、日本のメーカーへの関心が非常に高いことがわかります。 
移動交通に関してはバイクを差し置いて、タクシーより安くてきれいだと人気の「Uber」(ウーバー)の検索結果が増加しており、関心の高さがうかがえます。特に雨季である5月から10月にかけて数値が高くなっています。(図14)

 今回は「コンビニ」「カフェ」「移動交通」にフォーカスして調査いたしましたが、新興国であるベトナムのトレンドは著しく変化していくでしょう。日々アンテナを張って情報をキャッチすることが大切です。

調査概要

【調査主旨】 検索傾向から読み取る、ベトナムのトレンド調査
【調査要綱】

  • 検索エンジンシェアデータ参考: StatCounter (※3、図2)
    http://statcounter.com/
    • 調査機関:アウンコンサルティング調べ
    • 調査対象期間:2016年10月-2017年9月
    • 調査日:2017年10月16日–10月20日
  • OS、機種データ参考: StatCounter (※3、図3)
    http://statcounter.com/
    • 調査機関:アウンコンサルティング調べ
    • 調査対象期間:2016年10月-2017年9月
    • 調査日:2017年10月16日–10月20日
  • SNSシェアデータ参考: StatCounter (図4)
    http://statcounter.com/
    • 調査機関:アウンコンサルティング調べ
    • 調査対象期間:2016年10月-2017年9月
    • 調査日:2017年10月16日–10月20日

【出典】

 プレスリリース本文中に出てくる各社サービス名称は、各社の登録商標または商標です。
本プレスリリースをご掲載される場合、『アウンコンサルティング調べ』とご記載の上、弊社までご連絡をお願いいたします。

■アウンコンサルティングのインバウンドマーケティングサービスのご紹介
 インバウンドマーケティングは国によって、訪日回数や観光先など好まれるポイントや消費金額が異なるため、各国ごとに適したマーケティングを行うことが必要です。

 アウンコンサルティングでは、SEO(検索エンジン最適化)、PPC(検索連動型広告)、ソーシャルメディア、スマートフォン広告などのグローバルマーケティングサービスを、日本語だけではなく、外国語も対象に行っています。現在48の国と地域にサービス実績があり、英語、中国語(簡体字、繁体字)、タイ語やその他の外国語にも幅広く対応しています。また、台湾、香港、フィリピン、タイ、ベトナム、シンガポール、韓国の海外7拠点を生かし、アジアの現地情報やグローバルインターネットマーケティングにおけるナレッジを蓄積しております。グローバルマーケティングについて、また、現地情報の収集の際にも是非ご相談ください。

【グローバルマーケティングのサービス概要】
URL: https://www.auncon.co.jp/service/service/

[事業内容] 
東京、沖縄、台湾、香港、フィリピン、タイ、ベトナム、シンガポール、韓国のアジア9拠点で、SEO、PPC(リスティング広告)、ソーシャルメディア、リサーチなどのグローバルマーケティング事業及びアセット事業を展開

[設立] 1998年6月8日
[本社]  東京都文京区後楽1-1-7 グラスシティ後楽2F
[代表者] 代表取締役 信太明
[資本金] 341,136千円 (2017 年 5 月末現在)
[URL] https://www.auncon.co.jp
[沿革] 1998年6月 千葉県松戸市で設立 
  1998年9月 福島県福島市へ本社移転
  1999年10月 SEOコンサルティングを開始
  2001年1月 東京営業所を東京都文京区に開設
  2002年11月 PPC(リスティング)広告を販売開始 
  2002年4月 東京都文京区に本社移転
  2005年11月 東京証券取引所マザーズ市場上場
  2006年12月 沖縄支店を沖縄県那覇市に開設
  2008年4月 タイ・バンコクに現地法人設立 
  2010年6月 台湾・台北に現地法人設立
  2010年9月 香港、韓国・ソウルに現地法人設立
  2010年11月 シンガポールに現地法人設立
  2015年6月 フィリピンに現地法人設立
  2016年10月 東京証券取引所二部市場上場
  2017年9月 ベトナムに現地法人設立

[プレスリリースに関するお問合せ] 
広報担当 金井/TEL:03-5803-2776 MAIL:pr@auncon.co.jp(ただし、@は半角)

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